はじめに
2026年10月7日に Anthropic が Claude Haiku 5.5(モデルID claude-haiku-5-5)をリリースしました。公式の比較表を、順位ではなく「どのタスクを小型モデルに任せられるか」という実務目線で整理します。
以下の数値はすべて Anthropic の発表によるもので、独立した計測ではありません。
公式ベンチマーク
| ベンチマーク | Haiku 5.5 | Haiku 4.5 | GPT-6 Luna | Sonnet 5.5 |
|---|---|---|---|---|
| GDPval-AA v2.1(知識労働) | 1620 | 735 | 1437 | 1840 |
| AA-Briefcase v1.1(知識労働) | 1578 | 614 | 1336 | 1824 |
| OSWorld 2.1(PC操作) | 72.4% | 15.7% | 48.9% | 83.9% |
| HLE ツールなし | 45.9% | 10.2% | — | 56.9% |
| HLE ツールあり | 57.4% | 18.7% | — | 64.5% |
| Terminal-Bench 4.0(エージェント型コーディング) | 39.2% | 0.0% | 16.4% | 70.6% |
| FrontierCode 1.1 | 46.4% | — | 42.4% | 52.1% |
| Chartography(視覚推理) | 46.4% | 6.4% | 29.1% | 61.6% |
ポイント
- 前世代から大幅向上:OSWorld 15.7%→72.4%、Terminal-Bench 0.0%→39.2%。ツール呼び出しやエラー回復を含む長い操作チェーンで伸びています。
- GPT-6 Luna より上(公表項目に限る):メーカー自身の表なので、未テストのタスクには一般化しないこと。
- Sonnet 5.5 とのティア差は健在:Terminal-Bench は 39.2% vs 70.6%。複数ファイル編集や長期エージェント作業は依然 Sonnet 向き。
料金と「成功タスク単価」
| リクエスト | 入力 | 出力 | キャッシュ読み取り |
|---|---|---|---|
| 100K tokens 以下 | $0.10 / MTok | $0.50 / MTok | $0.01 / MTok |
| 100K tokens 超 | $0.50 / MTok | $2.50 / MTok | $0.05 / MTok |
表面上の単価は Haiku 4.5 比で 90% 減ですが、新トークナイザーでトークン数がやや増えるため、平均実行コストは約 75% 減とされています。本番で見るべきは次の指標です。
成功タスク単価 = タスク完了までの総コスト ÷ 成功したタスク数
100K 境界を踏まえた構成
- Haiku で文書を分類・関連性フィルタ
- 原文を構造化サマリーに圧縮
- 関連箇所だけを大型モデルへ
- 繰り返すコンテキストはキャッシュ
- 会話は毎回全文を再送せず、検索可能な状態として保存
effort 設定
Haiku として初めて effort を調整可能。単一スコアより「コスト–品質曲線」で評価すべきです。分類・フォーマット変換は低 effort、長文要約や複数ステップのブラウザ操作は高 effort。ただし effort を上げても Terminal-Bench の差は埋まりません。
振り分け表(たたき台)
| タスク | デフォルト |
|---|---|
| 分類・ルーティング・ラベル付け | Haiku 5.5 |
| フィールド抽出・データ整形 | Haiku 5.5 |
| 要約・コンテキスト圧縮 | Haiku 5.5 |
| 短いブラウザ操作 | Haiku 5.5 |
| コード説明・小修正 | Haiku / Sonnet(テスト有無とミスのコスト次第) |
| 複数ファイル編集 | Sonnet 5.5 |
| 長時間のエージェント型コーディング | Sonnet / Opus 5.5 |
| 最終レビュー・重要判断 | Sonnet / Opus 5.5 |
まとめ
Haiku 5.5 は Sonnet 5.5 を超えてはいませんが、「大量に使える」ことが強み。これまで中型モデルが必要だった仕事の一部を、速くて安い実行層に移せます。
元記事(英語、登録なしで閲覧できます):
https://folkbench.com/en/blog/claude-haiku-5-5-official-scorecard?utm_source=luntan&utm_campaign=qiita