サーバやスイッチなどの機器をデータセンターまたは自社内のサーバルームに設置して稼働させる際、万が一の停電や機器の電源異常時に代わりとなる電力を供給する機器であるUPSというものがある。
一定時間、システムに対して電力を供給することで、正常で安全な形でシステムのシャットダウンを行なう時間を提供するのがこの機器の利用目的となる。
全国的に電力供給が安定しているインフラ大国・日本ではUPSがそこまで頻繁に起動しない環境ではあるが、備えを万全にするために特にミッションクリティカルなシステムの利用においてはUPSの導入は義務的な側面をもっている。
UPS選定条件
UPSはいろいろな型番の製品が出ており、製品選定のためには必要なヒアリング項目がいくつもある。
・設置場所(ラックマウント or タワー)
・電源(100V or 200V)
・電源の形状と数、出力アンペア
・接続対象機器の合計電力量
・接続対象機器の機種と使用OS
・正常なシャットダウンに必要な時間
・UPS自体の冗長性の有無
合計電力量やシャットダウンに必要なランタイムなどの情報はイメージがつきやすいが、シャットダウン処理を行なうソフトウェアが対象機器のOS上で動くかどうかは意外と盲点となるので、意識しておく必要がある。
またUPS自体の冗長化は通常の電源障害とUPSの故障が全く同じタイミングで発生することを想定しており、さすがにその確率はだいぶ少ないと思うが、そのパターンまで保護することについて検討することは大事ではある。
UPSと対象機器との接続
前項の条件からUPSそのものの選定が完了し、それから電源供給したい機器への接続について触れていく。
・UPSとの対象機器の接続が1対1の場合
UPSと対象機器(サーバ)を直接接続することとなる。システムがサーバ1台のみで動かしている、もしくは重要機器として対象を1機のみに絞り込むケースにおいてUPSとの直接接続となる。
スイッチのようなネットワーク機器は関係なく、制御がかなりシンプルで電源供給が安定、というメリットを持つ。
対象機器にUPS管理ソフトをインストールして、UPSからシリアルまたはUSBでシャットダウン信号を受け取る。受け取ったらUPS管理ソフトがOSをシャットダウンする仕組みとなっている。
・UPSとの対象機器の接続が1対多の場合
1台のUPSから複数の対象機器への直接接続は基本的に不可のため、PDUや電源タップを介して複数の対象機器に分配する。
電源供給はPDU、通信制御はスイッチという分類になる。電源供給の際はスイッチを経由することはない。
1対1での直接接続と比べてUPSの台数(コスト)は抑えられるが、電源供給の管理・制御が複雑で難しくなる。
こちらも対象機器(サーバ)にUPS管理ソフトをインストールして、UPSからネットワーク経由でシャットダウン信号を受け取って、OSのシャットダウンを行なう。
専用ストレージにようなその機器自身にUPS管理ソフトをインストールできないタイプの機器に対するシャットダウンは、管理サーバなどを使って、SSHやtelnet、APIコマンドを叩くことで共有ストレージへのシャットダウン信号を送る仕組みとなっている。
ひとりごと
7月分の電気代の請求がきた。¥20,000超。複数のエアコンを長時間稼働させていたので無理もない。
熱中症で倒れるよりはマシと思いながら電気代を払うことにしている。
来週あたりから涼しくなるとのこと。気がついたら年末に差し掛かっているなんてことになっているかも。