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【TypeScript】tsconfig.jsonの設定

Last updated at Posted at 2022-05-14

まえがき

TypeScriptを使う機会が多いので、設定ファイルであるtsconfig.jsonの中身を自分で設定できるよう本稿にまとめる。

前提整理

当たり前のことであるが改めてTypeScriptについて整理する。

TypeScript実行方法

以下の2STEPで実行される。

STEP1 hoge.ts(TypeScript) → hoge.js(JavaScript) にコンパイル 【npx tscコマンド
STEP2 hoge.js(JavaScript)実行

・Node.js環境では、JSファイルはnodeコマンドで実行できる。
npx tsc ---.tsをしてからnode ---.jsを毎回実行するのは面倒なので、これを1コマンドにまとめたts-nodeコマンドが存在する。

tsconfig.jsonとは?

tscコマンドが「TS→JSにコンパイルするもの」を踏まえた上で)
TSファイルをJSファイルにコンパイルするための設定ファイル。
tscコマンド実行時にTSコンパイラは次の順番でtsconfig.jsonを探す。
 - the current directory
 - the parent direcotry chain
見つかったtsconfig.json内の設定情報をもとに、TSファイルのコンパイルを実行する。

tsconfig.jsonの設定項目

include

コンパイル対象のものを定義する。

拡張子を指定しない、もしくは拡張子にアスタリスクを使用する(hoge.*)場合、デフォルトでは下記の拡張子のファイルのみが対象になる。
・.ts
・.tsx
・.d.ts
ただし、compilerOptions.allowJsがtrueの場合は、下記の拡張子も含む。
・.js
・.jsx

exclude

コンパイル対象外のものを定義する。

なので、例えば exclude に hoge.ts を指定しても、 include に含まれている piyo.ts が hoge.ts を import していれば tsc は hoge.ts を読み込みます。
下記ドキュメントをご確認ください。

excludeは指定しない場合デフォルトで以下の値を含む。
・node_modules
・bower_components
・jspm_packages
・outDirオプションで指定しているディレクトリ配下のファイル
逆に言うと、tsconfig.jsonにexcludeオプションが指定されている場合は、outDirの中身も対象になってしまう。

extends

自分で1からtsconfig.json設定するの面倒じゃない?ということで、baseとなるtsconfig.jsonがGitHubで公開されている。自分が用意したtsconfig.jsonにて、extendsプロパティを定義することで参照できる。

Node14環境でJavaScriptを実行する場合、下記のように設定できる。

{
  "extends": "@tsconfig/node14/tsconfig.json",
  "compilerOptions": {
    "preserveConstEnums": true
  },
  "include": ["src/**/*"],
  "exclude": ["node_modules", "**/*.spec.ts"]
}

compilerOptions

プロパティ名 説明
target 出力するJavaScriptのバージョン指定。
Node.jsのバージョン毎に推奨されるtargetがある。
設定値(ES5, ES6/ES2015〜ES12/ES2021)
lib ・targetで指定したESモジュールに含まれない、けど使いたいライブラリをここで指定する。
・"組み込みライブラリ"という呼び方がしっくりくるかな。
・targetで指定しているJSのバージョンに含まれているものは暗黙的に指定されるが、改めて指定してもよい。
ブラウザ上で動かすJavaScriptならdomを指定してwindow, documentのような型情報を読み込む👍 ※参考
module 出力されるJavaScriptが、どのようにモジュールを読み込むか指定する。
設定値
・commonjs:バックエンド(NodeJS)の場合
・esnext/es6:フロントエンド(JavaScript)の場合
その他オプション
types デフォルトでは、すべての表示されている@typesパッケージがコンパイル時にインクルードされる。
typesを設定すると、リストに列挙したパッケージのみがインクルードされる。
"types": ["node"の場合、./node_modules/@types/nodeのみコンパイルされる。
参考
outDir コンパイル結果の出力先ディレクトリ。
未指定だとtsファイルと同ディレクトリに出力される。
であれば設定値としては「.build」が良さそう。
outFile コンパイル結果を一つのファイルにまとめる(true/false)
outFileを指定した場合はoutDirオプションは無視される。
パンドラ的機能だから使わない方がいい?
参考
rootDir コンパイル対象のソースコードが含まれるルートディレクトリ。参考
baseUrl 非絶対モジュール名を解決するためのベースディレクトリ。参考
removeComments TS→JS変換時にコメントを削除する(true/false※デフォルト)
preserveConstEnums const enum定義をJSコンパイル時に消すか残すか(true/false)
sourceMap ソースマップファイルの生成を有効化(true/false)。
コンパイル前後のマッピングJSONファイル。
基本trueで良さそう?
allowJs JavaScript(.js,.jsx)ファイルをコンパイルの対象へ含めるか(true/false)
デフォルトだとts,tsxファイルのみコンパイルされる。
モジュール含めコンパイル対象のJSファイルがある場合はtrueにするべき。
checkJs allowJsと連携動作します。checkJsが有効化されている場合、JavaScript ファイル内のエラーが報告されるようになります。
moduleResolution tscのモジュールの名前解決の方法
設定値
・classic(moduleの指定値がAMD・System・ES2015のいずれかである場合)
・node(NodeJSの場合これを選ぶ)
noEmit JavaScript ソースコード、ソースマップ、型定義のファイルを出力しないようにする。
じゃあ何をする?"型チェック"のみを行いたいときに「true」にする。参考
jsx TypeScriptでJSXを使う場合のオプション。
設定値
・preserve(変換しない)
・react(React17以前の旧変換)
・react-jsxdev(React17の新変換inDEVビルド)
・react-jsx(React17の新変換inPRODビルド)
参考
skipLibCheck 型定義ファイル(*.d.ts)のチェックをスキップする(true/false)
△型定義ファイルでエラーが出ても無視する。
○各ライブラリの型定義ファイルのコンパイル時間の削減
参考
allowSyntheticDefaultImports デフォルトIMPORTできないやつをデフォルトIMPORTする時に、型チェックエラーにならないようにする。
import * as React from 'react';

import React from 'react';と書けるようになる
ただこの設定だけだとdefaultインポートしない状態のままなので、esModuleInteropをtrueにする。
参考
esModuleInterop defaultをエクスポートしていないモジュールを、ES Modules でデフォルトインポートできるように、コンパイル時にヘルパーメソッドを生成する。
interop(相互運用する)=モジュールをTypeScript(ECMAScript)で使えるようにコンパイルするということ
参考
forceConsistentCasingInFileNames
resolveJsonModule
isolatedModules コンパイル対象のファイル間の関係性を一切無視して、全てのファイルを1つのモジュールとしてコンパイルする。
つまり、コンパイル対象の全ファイルがexport構文を含んでいる必要がある。
そうでないとコンパイル時にエラーを出すようにする。
noFallthroughCasesInSwitch
importsNotUsedAsValues
suppressImplicitAnyIndexErrors オブジェクトへインデックスアクセスしたときの暗黙的anyについてのエラーを抑止する(true/false)
const obj = { x: 10 };
console.log(obj["foo"]); // エラー
noUnusedLocals 未使用のローカル変数がエラーになる(true/false)
noUnusedParameters 利用されていない関数の引数がエラーになる(true/false)
strict これをONにすると以下のオプションが有効になる。
--noImplicitAny
--noImplicitThis
--alwaysStrict
--strictBindCallApply
--strictNullChecks
--strictFunctionTypes
--strictPropertyInitialization
strictをtrueにした上で、任意のルールを一つずつfalseにすることが可能。 参考
noImplicitAny 暗黙的にanyになる値をエラーにする(true/false)
noImplicitThis 使われているthisの型が暗黙的にanyになる場合にエラーにする。
alwaysStrict "use strict";を必ず全てのファイルの先頭行に付与する。
strictBindCallApply bind, call, applyを使用する際に、より厳密に型チェックが行われるようになる。
strictNullChecks null・undefinedの代入がエラーとなる。
下記のように型指定されていればOK。
let name: string | null;
name = null; //OK
参考
strictFunctionTypes TypeScriptのデフォルトはBivariantlyな挙動だが、このオプションをtrueにするとContravariantlyに型チェックが走るようになる。
strictPropertyInitialization クラス定義時、インスタンス変数の初期化が宣言時、もしくはコンストラクタのどちらでも行われていない場合にエラーになる。

preserveConstEnums(TSコンパイル時にconst enum定義を消すか消さないか)

・Typescriptでは下記のようなconst enum文をサポートしているが、JavaScriptにコンパイルされると消えてしまう。

Typescript supports costant enumerables, declared through const enum.
This is usually just syntax sugar(糖衣構文) as the costant enums are inlined(1行にまとめられる) in compiled JavaScript.

const enum Tristate {
    True,
    False,
    Unknown
}

var something = Tristate.True;

compiles to

var something = 0;

JavaScriptにコンパイルしてもenum定義を残しておきたい場合に、tsconfig.jsonでpreserverConstEnumsをtrueに設定すると下記のようにコンパイルされる。

var Tristate;
(function (Tristate) {
    Tristate[Tristate["True"] = 0] = "True";
    Tristate[Tristate["False"] = 1] = "False";
    Tristate[Tristate["Unknown"] = 2] = "Unknown";
})(Tristate || (Tristate = {}));

var something = Tristate.True

テンプレート(フロントエンド/JavaScript)

{
  "compilerOptions": {
    "target": "es2020",
    "module": "esnext",
    "lib": ["es2020", "dom"],
    "jsx": "react",
    "sourceMap": true,
    "outDir": "./dist",
    "rootDir": "./src",
    "strict": true,
    "moduleResolution": "node",
    "baseUrl": "src",
    "esModuleInterop": true,
    "experimentalDecorators": true,
    "emitDecoratorMetadata": true,
    "skipLibCheck": true,
    "forceConsistentCasingInFileNames": true
  },
  "include": ["src/**/*"],
  "exclude": ["dist", "node_modules"],
  "compileOnSave": false
}

テンプレート(バックエンド/NodeJS)

{
  "compilerOptions": {
    "target": "es2020",
    "module": "commonjs",
    "lib": ["es2020"],
    "sourceMap": true,
    "outDir": "./dist",
    "rootDir": "./src",
    "strict": true,
    "moduleResolution": "node",
    "baseUrl": "src",
    "esModuleInterop": true,
    "experimentalDecorators": true,
    "emitDecoratorMetadata": true,
    "skipLibCheck": true,
    "forceConsistentCasingInFileNames": true
  },
  "include": ["src/**/*"],
  "exclude": ["dist", "node_modules"],
  "compileOnSave": false
}

Node.js(CommonJS)でESModules構文(import/export)を扱いたい場合のtsconfig.json

ExpressをTypeScriptで書きたい時に利用。以下最低限の設定。

{
  "compilerOptions": {
    "baseUrl": "./server",
    "module": "commonjs", // ES記法(import/export)で書いたものをTS→JS変換時にrequire構文に直してくれる!!
    "esModuleInterop": true
  }
}
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