音量の「+3 dB」は、波形の振幅を3倍にする指定ではありません。同じ信号に一定のゲインをかける場合、振幅の倍率は 10 ** (dB / 20) で求められます。+3 dBなら約1.413倍、+6 dBなら約1.995倍です。
私はCreatuneチームのAlexです。この記事はゲインの考え方と、未ログインの日本語画面で設定を確認する方法を紹介します。画面では自作のテスト音源を読み込み、0 dBから+3 dBへ変更しました。この日本語ページからの書き出しや試聴は実施していないため、以下の振幅値は計算例です。
0 dBは「無音」ではない
ゲインの0 dBは、入力に対する倍率が1という意味です。一方、デジタル音声のサンプルピークを表す0 dBFSは、フルスケールを基準とした値です。「変更量」と「信号のレベル」を分けると混乱を防げます。
例えばピークが−12 dBFSの信号に+3 dBの線形ゲインをかけると、計算上のピークは−9 dBFSになります。0 dBFSの信号を3 dB増やすこととは、残っている余裕が違います。
| ゲイン | 振幅の倍率 | 元のピークが0.25なら |
|---|---|---|
| −6 dB | 約0.501 | 約0.125 |
| 0 dB | 1 | 0.25 |
| +3 dB | 約1.413 | 約0.353 |
| +6 dB | 約1.995 | 約0.499 |
ここでの振幅はフルスケールを1とした絶対値です。人が感じる大きさは音域や長さ、再生環境にも依存するので、「振幅2倍=必ず2倍大きく聞こえる」とは言えません。
数字を先に計算する
次の短いPythonコードで、設定前の見積もりを作れます。
import math
peak = 0.25
for gain_db in (-6, 0, 3, 6):
ratio = 10 ** (gain_db / 20)
expected_peak = peak * ratio
print(gain_db, round(ratio, 3), round(expected_peak, 3))
print("headroom dB:", round(-20 * math.log10(peak), 2))
ピーク0.25なら、サンプル値の計算上の余裕は約12.04 dBです。ただし、この値ぴったりまで増やすことを勧めるものではありません。符号化や再サンプリング、サンプル間ピークの影響もあるため、余裕を残し、保存したファイルを確認します。
Creatuneで変更量を確かめる
日本語の音量調整ページを開き、自分で作った音源、または処理する権利のある音源を「音声を選ぶ」から読み込みます。確認時の案内は1ファイル50 MB・5分まで、小さな画面では2.5分まででした。
「音量(dB)」のスライダーを動かし、右側の表示を確認します。今回の画面では−24〜+12 dBの範囲があり、+3 dBを選んだ後に表示も「3 dB」へ変わることを確認しました。
自分の音源で進めるときは、再生機器の音量を固定して「全体を試聴」で比較し、保存形式を選んでダウンロードします。今回のスクリーンショットは設定の実演であり、波形表示の高さだけから書き出し後のピークを断定してはいません。
増幅前に決めておく停止条件
ピークが既に大きい音源では、増幅よりもBGM側の音量を下げる方が目的に合う場合があります。例えばナレーションを目立たせたいなら、声とBGMの両方を上げても相対差は変わりません。
保存後は、必要な長さ、チャンネル数、ピーク、歪みの有無を別々に確認してください。サンプルが上下の限界に張り付いていたら、まずゲインを下げて再確認します。+3 dBという小さく見える値も、余裕のない信号に安全とは限りません。

