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Arduinoでクルマのエンジンが動く? オープンソースECU Speeduino (6)燃料噴射・点火制御

Last updated at Posted at 2019-01-19

前回記事
(5)燃料噴射・点火信号の確認

#燃料噴射量と点火時期制御を確認
燃料噴射量・点火時期制御の基本動作を確認します。
Seeduinoでは、これらをスロットルポジションセンサ(または吸気圧センサ)と回転数のマップから算出しています。

##用意するもの

(ロジックナライザーなしでも、動作確認ができます)

##Tuner StudioとDeviceDruidの設定

  1. TunerStudioとDeviceDruidを起動し、回転数を1500[rpm]のクランク角信号を入力します。
    参考:(4)回転数の確認

  2. TunerStudioのAccessories>Boost ControlのBoost CutをOffにします。

  3. TunerStudioのSettings>Engine ConstantsのControl AlgorithmをMAPからTPSに変更します。
    image.png
    これにより、制御に使うセンサが吸気圧センサ(MAP:Manifold Air Pressure Sensor})からスロットルポジションセンサ(TPS)へ変更します。

  4. TunerStudioのSpark>Spark SettingsのIgnition load sourceをMAPからTPSに変更します。
    image.png
    同様に、点火時期の算出に使うセンサもスロットルポジションセンサ(TPS)へ変更します。

  5. ゲージのDuty Cycleを右クリック、Main>Spark Advance-advanceGaugeに切り替えます。
    image.png
    Spark Advanceの値は、シリンダー圧縮上死点(BTDC)の何度手前(進角)で点火したかを示します。

##充填効率マップの確認

TunerStudioのTuning>VE Tableを開きます。

  • 横軸:回転数(RPM)
  • 縦軸:スロットルポジションセンサ[%]
  • 値:燃料噴射量のベースとなる充填効率※(VE:Volumetric Efficiency)[%]
  1. Arduino MegaのA2ピンをGNDと接続し、TPS(スロットルポジションセンサ)を100%⇔0%に変化させます。
    ve_map.gif

VE(充填効率※)マップデータに基づき、インジェクターのパルス幅(Pulse width)が算出されます。:smile:
※吸入される実際の空気量/ピストンが上下に移動する容積(排気量)。

パルス幅が長いとインジェクターの開く時間が長くなり、燃料噴射量が多くなります。

VEテーブルの詳細については、下記に説明があります。:confused:
https://speeduino.com/wiki/index.php/Tuning#The_VE_Table

##点火時期マップの確認
TunerStudioのTuning>Spark Tableを開きます。

  • 横軸:回転数(RPM)
  • 縦軸:スロットルポジションセンサ[%]
  • 値:点火時期 + 10[deg]

2.Arduino MegaのA2ピンをGNDと接続し、TPS(スロットルポジションセンサ)を100%⇔0%に変化させます。
igne_map.gif
点火時期テーブルに基づき、Spark Advance[deg]が変化します。:smile:
Spark Advance[deg]が大きいと、圧縮上死点(BTDC)より、早いタイミング(進角)で点火が行われます。

点火タイミングについては、以下のサイトが参考になります。
いまさら聞けない 電装部品入門(8):さらばディストリビューター、点火タイミングは電子制御で最適化する時代に

##ロジックアナライザでの確認
Cam信号の立ち上がりをトリガーにして計測すると、比較しやすいです:smiley:
上:TPS=100[%]、下:TPS=0[%]
image.png
*D0:INJ1, D1:INJ2, D2:IGN1, D3:IGN2, D4:Crank, D5:Cam

スロットルポジションセンサの変化により、インジェクターのパルス幅と点火タイミングが変化しています。:smiley:

##最後に
マップに基づく燃料噴射量・点火時期制御の動作を確認しました。
今回は、基本制御の計算部分で、そのほかにも様々な補正要素があります。
次回は、これらを計算しているソースコードの解読を行う予定です。

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