はじめに
今までいくつかLINEのMessaging APIを利用した記事を書いてきました。
しかし、どれも断片的な知識に留まるのみだったので、改めてその概要から機能まですべて網羅的に解説することにしました。
全何回になるかわかりませんが、すべての機能を解説する予定です。
最近はノーコードやローコードなど、コードを極力書かずにLINE BOTを作るのがはやっていますが、本シリーズでは自分で手を動かしてコードを一つずつ書くことで、その理解を深められるようにしていきます。
今回は第一回として、Messaging APIとはそもそも何なのかについて説明します。
Messaging APIとは
概要
Messaging APIとは、一言でいえば、LINE公式アカウントをより便利に使うためのAPIです。
通常、LINE公式アカウントの様々な設定は、LINE Official Account Manager上で行います。
しかし、Messaging APIを使うことでより柔軟な対応が可能になります。
できること
細かい部分も含めるといろいろなことができますが、大まかに分けると以下のようなことが可能です。
メッセージの送信
大きく分けて、ユーザーから送信されたメッセージなどに対して反応する方法と、好きなタイミングでメッセージを送信する方法の2つがあります。
送信できるメッセージはテキストやスタンプ、画像のほか、動画、音声や位置情報など様々な種類があります。
また、ユーザーがタップすることで何らかのアクションを実行できる画像や、複数の画像をスクロールできるものなど、複雑なメッセージの送信も可能です。
これらを組み合わせることで、より効果的なLINE公式アカウント運用が可能になります。
リッチメニューの使用
個人的に、LINE公式アカウントの最大の特徴だと考えているのが、このリッチメニューです。
以下はLINE DevelopersのLINE公式アカウントがもつリッチメニューの例です。
リッチメニューを使うと、画像に対してタップ可能な領域を設定し、別のURLへ飛ばしたり、メッセージを送信させたり、何らかのアクションを実行することができます。
上記の例では6つの領域に分かれていますが、これは自由にカスタマイズすることが可能です。
ユーザープロフィールの取得
ユーザーの表示名や、プロフィール画像、ステータスメッセージや言語といった情報を取得することができます。
アカウント連携
ユーザーのLINEアカウントと、自分たちが提供するサービスのアカウントを連携させることができます。
ビーコンの使用
ビーコンと呼ばれる機器と連携することで、ユーザーがビーコンの電波の受信圏内に入ったことを検知することができます。
それにより、ユーザーに対してより身近な対応を実施することが可能になります。
利用料
基本的にMessaging APIの利用自体は無料です。
ただし、無料でメッセージを送信することができる件数は、LINE公式アカウントのプランによって決まっています。
アカウントのプランによっては無料の上限数を超えて、追加メッセージを有料で送ることもできます。
このあたりはLINE公式アカウントのプランをご確認ください。
Messaging APIの利用に必要なもの
LINE公式アカウント
言わずもがな、ですがLINE公式アカウントのためのAPIなので、アカウントを持っている必要があります。
LINE公式アカウントは企業や団体のものであるイメージがあるかもしれませんが、誰でも無料で作成することができます。
チャネル
Messaging APIやLINEログインなどのLINEプラットフォームの機能を使うための通信に必要な通り道のようなものです。
LINE Official Account ManagerからMessaging APIの機能を有効化することで作成されます。
サーバー
Messaging APIの処理を呼ぶためのサーバーです。
本シリーズではNode.jsを使ってAPIのための処理を記述していきます。
そして、そのためのサーバーをRenderというサービスを使って用意します。
まとめ
今回は初回として、Messaging APIの概要についてまとめました。
次回以降、実際に手を動かしてMessaging APIでできることを確認していきます。