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「ネットワーク図の描き方入門」書籍紹介

Last updated at Posted at 2025-12-17

本が出ます(書きました)

突然ですが、今年の個人プロジェクトとして下記の技術書を書いていました! 12/22発売予定です。(宣伝ですw)

書籍の目次+はじめに部分を下のサイトで読むことができます。

IMG_3482_a.jpg

そして、これはQiitaで紹介することが重要なんです。なぜかというと、この本を作ることになるきっかけが、良いNW構成図の「理由」について考えてみるというQiita記事を書いたことだからです。

このへんの経緯については後述します。まず内容を紹介しましょう。

書籍紹介

どんな人向け?

以下のいずれかに引っかかる人にオススメしたいです。

  • サンプルや前任者のお手本がない状況でNW図を描けって言われると悩む
  • いま使っているNW図は正直読みにくい・見づらいと思っているけど、何を直せばいいのかをうまく言語化できない
  • いつもなんとなくでNW図を描いてしまっていて、本当にこれでいいのか自信がない
  • 若手にNW図描いてほしいけど、自分もカンで描いているからレビュー~具体的な改善案の提示や指導が難しいと感じている

どんなことがわかる?

私もそうでしたし、おそらくNW図にかかわる多くの人もそうだと思っているのですが、NW構成図ってこう描くべし…みたいな話を体系立てて教わった経験ってないんですよね。口伝・見よう見まね・自分なりの試行錯誤を重ねて描いてきた人が多いんじゃないかと思います。なので、構成図を描く作業って割と属人化しがちな印象があります。

この本では、ネットワークの構造を図として表現しようとしたときに、こういうステップで段階的に考えていけばよいよとか、わかりやすい(仕事で使える)図にするにはこういうところに気をつけてねとか、いろんなポイントについて解説しています。

そんなこと言っても、NW構成図って一概にこう書けばOKみたいなのなくて結局ケースバイケースじゃん、と思う方もいるでしょう。確かにそうです。そういう時はやっぱり、図を描く上での基礎知識、わかりやすく図解表現するための原理原則というものが必要になるわけです。本書の最後の章ではそうした話を加えています。

……書いた側としては、こういう口伝ベースで伝わるような状況変えたいなという想いがあります。私の周りもクラウド案件が主流になって、オンプレNWの設計や運用やってる・その中で構成図描いてるって人とか今後そう増える気配がないんですよね。でもNWって消えるってことはないんですよ(範囲やボリュームは変わっても)。なかなかアドバイスをもらう人がいないよって人の導入を助ける・ベースラインを底上げするようところに貢献できると嬉しいです。

本作る上で大変だったこと

とにかく図を描くのが大変でした…。一般的な図の場合、ラフを描いたものを編集さん~デザイナーさん経由で描き起こしてもらう形ですすめてましたが、NW構成図についてはそうもいかず。私が用意した図に説明用のテキスト等を別途足してもらう形になっています。元になる構成図をつくって、そこから説明用に一部切り出した図を作って…とかをやるんですけど、draw.ioで図を描いてて、タブの数は60ちょっととかになっていたはず(作業用のも含めて)。

そして当然、本文の編集~修正に合わせて図も見直しになったりしますし、連動して複数の図を直すような状況もあるわけです。あと図のチェックがしんどい…。NW機器インタフェース名の記載ミスとか変更漏れとか。わかりやすい単語なら検索で探せるんですけど、インタフェース名だと同じものが多数あるので目視で当該箇所を探さないといけないんですよね。そして、アレコレ編集してたらdraw.ioアプリが落ちて数時間分の作業が飛ぶ…というのもありました(1回だけ)。

……ということであれこれ苦労して図を作りました。カラーページ用にカラー版とかも作ってるんですよ。書籍(紙面)だとどうしても図全体を載せる/詳しく見るのが難しいので、drawioでひらける元図データや、図に使っているアイコンのデータを書籍Webサイトからダウンロードできるようになる予定です。実際どうやって描いてるんだ? というのが気になる方はそちらもご覧ください。

本を書くことになった経緯

さて、冒頭でも書きましたが、この本を書くことになったきっかけについてお話ししましょう。ざっくり書くと以下のような流れです

Qiitaに記事を書く

良いNW構成図の「理由」について考えてみる(1)-(4) という記事を書きました。2020年ですからちょっと前ですね。

私は業務の中でR&D的な話をやっていまして、NWの運用って複数のノードとの関係性(トポロジ等)に基づいて決まってくるんだから、NW運用の自動化とかを広げようとするならNWの構造・構成に関する情報を機械で扱える形にする必要があるよね、という話を考えていました(今もその延長上の話をしています)。

で、データを作ると、生データ読んでても何が何だかさっぱりわからんので可視化したくなるわけですよ。可視化するならわかりやすく出したい。でも「わかりやすいNW図」の条件ってこうだって理屈がわからないとどうしようもないんですよね。そうした中で調査したことや考えたことをまとめた記事でした。

雑誌にひろってもらう

飛んで2024年です。日経NETWORK 2024年8月号の特集で「わかりやすいネットワーク図の描き方」という特集記事が出てたんですがご存じでしょうか? 前述のQiita記事はネットワーク構成図について検索すると割と上位に出てくることもあり、またそれなりに具体的な書き方について解説していたため、ここで取材を受けることになりました。

特集記事の中ではいろんな会社の人が、どういうことを考えて、実際どんな感じの図を作っているかみたいなのが紹介されています。なかなかよその会社の構成図見るとかできないですから、面白い内容になってると思います。

書籍企画が来る

で、この記事、反響が結構大きかったそうなんですよ。それで本を書きませんかという話をいただきました。

企画検討の中であったんですが、NW技術あるいはNW運用に関する本はあるものの、「構成図をどう描くか」を細かく説明しているものは確かに見たことがないんですよね。正直こんなニッチな内容のもの作って売れるんかな…という疑問はあったんですが、面白そうだしやってみましょうということになりました。

おわり

NWというややこしいものをどうやって図に起こせばいいんだ…と途方に暮れている人がきっとどこかにいると思います。本書を通して、そういう人の最初の一歩、NW構成図作成の入り口を整備する手助けができたらいいなと思っています。

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