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【超入門】Producer(旧Riffusion)で“それっぽい曲”を作る: Sound/Lyricsのプロンプト設計と日本語ローカライズ実践ガイド

Last updated at Posted at 2025-10-07

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はじめに

AI音楽生成ツールの Producer(旧:Riffusion) は、テキストだけで曲づくりができる“楽器”です。Sound(音像・編成・質感)とLyrics(歌詞)を分けて書けるため、初心者でも思考をそのまま指示に落とし込めます。

本記事では、はじめての方向けに 最短で1曲完成 を目指し、Soundの書き方Lyricsの書き方、そして 日本語歌詞はローマ字で入力すると誤読が減る といった日本語ローカライズのコツまで、コピペで使える雛形つきでやさしく解説します。


1. Producerの基本と準備

1.1 画面の全体像

  • Sound: 曲調・ジャンル・テンポ感・編成・ミックスの質感を書く欄
  • Lyrics: 歌詞(またはボーカルの指示)を書く欄
  • 操作の流れ: Sound → Lyrics → 生成 → 必要に応じて延長/差し替え の順が理解しやすい

まずは既定の雛形で1曲出して、そこから徐々に修正していくのが成功の近道です。

1.2 最初の“成功体験”をつくる雛形

  • 目的: しっとりしたエモーショナルなバラード(女性ボーカル)
  • 所要: 数十秒〜数分
  • 注意: 商用可否やクレジット等の条件はサービス規約を必ず確認

2. Sound(音像)のコツ: 具体→抽象→具体でブレを減らす

2.1 書き方フレーム

〔用途〕 + 〔ジャンル/時代〕 + 〔テンポ感〕 + 〔編成〕 + 〔音響形容詞〕 + 〔参考の文脈ワード〕

  • 例で使える語彙: emotional/cinematic/warm/analog/intimate/lush/wide stereo/tape-saturated/airy/clean/bright/clear

2.2 コピペ雛形(Sound)

Emotional Japanese ballad, 70-80 BPM feel, intimate piano and strings,
female lead vocal, soft brush drums, warm analog texture, wide stereo,
subtle reverb, gentle crescendo in chorus, modern film soundtrack vibe.

ポイント

  • テンポ感は “BPM feel” のような目安で十分
  • 編成は主役1つ+脇役2〜3つに絞る
  • 質感語(warm/analog/airy など)でミックス方向を指定
  • 用途(例: ending theme, lofi study)を入れると構図が安定

2.3 NG例と改善

  • NG: good music, nice melody, ballad, strings, piano, emotions
    改善: 用途・テンポ・質感を具体化し、曖昧語を削る
  • NG: 要素を盛りすぎる(オーケストラ+トラップ+メタル...)
    改善: 主役1つ+脇役2つ 程度に削る

3. Lyrics(歌詞)と日本語ローカライズ: ローマ字で誤読を減らす

3.1 なぜローマ字入力が有利か

多くの生成系は英語系の音素モデル比重が高く、かな漢字混じり日本語をそのまま歌わせると発音が不安定 になりがちです。日本語歌詞をローマ字で入力 すると音素列が安定し、聞き取りやすさが向上 しやすくなります。

3.2 具体手順(ChatGPTを併用)

  1. 日本語で歌詞ドラフト を作成(短くてOK。Aメロ8行+サビ4行など)

  2. ChatGPTでローマ字化 を依頼

    • 指示例:

      次の歌詞をヘボン式ローマ字に変換。句読点は維持。
      [Intro]/[Verse]/[Chorus] のタグはそのまま残す。
      長音は母音二重化で統一(お→ou、う→uu 等)。
      
  3. ProducerのLyrics欄に貼り付け て生成

  4. 子音が潰れる箇所 は、母音を増やす/語の境目にスペースを入れるなどで微調整(例: kibouki bou)

3.3 コピペ雛形(Lyrics: 日本語→ローマ字)

日本語下書き(例)

[Verse]
忘れかけた空に きみの笑顔が浮かぶ
静かな風は ぬくもりを運ぶ

[Chorus]
涙の記憶が こころに灯る

ChatGPTに渡す指示(例)

次の歌詞をローマ字に変換してください。
ヘボン式、句読点維持、[Verse]/[Chorus] 等のタグは変更せず保持。
長音は母音二重化(お→ou、う→uu 等)で統一。

Producerに貼る最終形(例)

[Verse]
wasurekaketa sora ni kimi no egao ga ukabu
shizuka na kaze wa nukumori o hakobu

[Chorus]
namida no kioku ga kokoro ni tomoru

補足テク

  • ブレス/ハミング: "ah..." "oh..." "la la la" を挿入
  • デュエット感: [Chorus: Female and Male] のように役割を補足(無視される場合もあるが下書き整理に有効)

付録A: 最短ワークフロー(チェックリスト)

  1. Sound を雛形で作成(用途/テンポ感/編成/質感)
  2. Lyrics は日本語→ローマ字化して貼付
  3. 生成 → 気になる箇所を スペース挿入や母音追加 で微調整
  4. 良テイクが出たら 延長(extend)ステム差し替え(swap stems) で発展

付録B: よくある失敗と対策

  • 歌詞が聞き取りにくい
    → 子音連結を分割、長音を明示(ou/aa/ii 等)
  • ミックスがこもる
    → Soundの質感から warm/analog を一旦外し、clean/bright/clear を追加
  • ジャンル感が迷子
    → 参考文脈ワード(例: modern film, city pop, lofi study)を1つだけ残す
  • 権利が不安
    → 利用規約/ポリシーを必ず確認し、公開時のルールをチームで共有

仮説→根拠/データ→再検証→示唆・次アクション

  • 仮説: 初心者でも Soundを具体化 し、Lyricsをローマ字 にすれば“それっぽい曲”を安定して得られる
  • 根拠/データ:
    • Producerの設計は Sound/Lyricsの分離 を前提としており、編集の自由度が高い
    • 実務上、日本語→ローマ字 で明瞭度が改善するケースが多い
  • 再検証: バラード/ロック/ローファイで かな漢字 vs ローマ字 のAB比較を行い、明瞭度をスコア化
  • 示唆・次アクション:
    1. 共通のSound語彙表 をチームで整備
    2. ローマ字化プロンプト をテンプレ化し、歌詞作成の標準手順にする
    3. バージョン/プロンプト/出力ログ を保存して再現性を高める

5つの「なぜ?」(5 Whys)

  1. なぜ 日本語歌詞が誤読されやすい?
     → 英語系音素モデル比重が高く、かな漢字の音価が安定しづらいから
  2. なぜ 表記と発音がズレると崩れる?
     → 文字列→音素への写像が不安定になり、推論が迷子になるから
  3. なぜ ローマ字にすると改善する?
     → 音素に近い綴りで入力でき、発音推定が安定するから
  4. なぜ それでも崩れる箇所が残る?
     → 子音連結/長音/語境界の扱いが難しく、確率的揺らぎが残るから
  5. なぜ 最後は耳で微修正が要る?
     → 望む韻律/強弱/アクセントはテキストだけでは伝わり切らないから

おわりに

本記事では Producer(旧:Riffusion)Sound/Lyricsの二段構え で使い、日本語歌詞はローマ字 で安定化させる手順を解説しました。まずは雛形をそのままコピペして 1曲完成。同じサウンドで細かい調整を行いたい場合は、SEEDをそのままにしてそのほかのパラメータを変更するなどカスタマイズも研究してみると面白いですね。
そこから語彙/歌詞/微調整を積み上げて、自分だけの音を磨いていきましょう。

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