iBook G4 Late 2003 で Ubuntu 入らないなんてことを言われて、どれどれ?なんて軽く見ていたら甘かったですね。まず、このモデル DVD-R を読まない。そして USB ブートしないので、Firewire じゃないと外付けドライブから起動できない。そんなわけで、mini.iso を使ってセットアップです。
環境など
概要 | |
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マシン | iBook G4 (A1055, M9165J/A) |
CPU | PowerPC 7455 (G4) |
メモリ | 128 MB (OnBoard) + 512 MB (PC-2100) |
内臓ディスク | PATA/IDE 2.5" HDD (4200 rpm) |
内臓 DVD | DVD-ROM/CD-RW Combo Drive |
グラフィック | AGP 4x ATI Radeon 9200 with 32 MB of SDRAM |
要件 |
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1. iBook の内臓 Ethernet でインターネットにつながること。 |
2. NetBoot CD ディスクはあらかじめ焼いておくこと。(mini.iso) *1 |
*1 →Ubuntu 16.04 LTS (Xenial Xerus) Netboot (powerpc 32bit) |
1. ブートディスクを起動
- [option] を押しながら電源入れてブート選択が出てからディスク入れて起動するか、手早くディスクをセットして [c] キー押しながら起動。
- 真っ黒コンソールで boot: が出てきたら、install と入力して起動を続けます。
2. インストール
- 言語の選択で日本語を選択。
- 場所の選択で日本を選択。
- キーボードの検出は<いいえ>。手動で Japanese - Japanese を選択。
- ネットワークは無線LANを認識していても有線のほうを選択。
- ホスト名は任意。ただし、LANに接続しているほかのマシンの名前は使わない。
- ミラーはつながるならどこでもいいかと。
- プロキシ情報を入れる。ないなら空のまま続けます。
- 新しいユーザの本名は表示名なので後から変えることができます。
- 使用するユーザ名とパスワードを入力。
- ホームディレクトリを暗号化するかどうかを選択。
- 時間の設定は Asia/Tokyo と表示されているのを確認して<はい>
- ディスクのパーティショニングでは ガイド - ディスク全体を使う を選んで、ディスク丸ごとフォーマットしてしまうのがいいかと。
- (コアのインストールの終わりごろ) console-setup を設定しています で、自動的にアップデートしない を選んでおくのがいいかと。後から変えられるので。
- インストールの後半、ソフトウェアの選択で Ubuntu MATE desktop を追加してインストール
- 最後のほうで システム時間を UTC に設定していますか? はお好みでいいかと。
3. インストール後の初回再起動 (PPC Mac で Radeon に特有な話)
- 真っ黒なコンソールが出たら、[l] を押して進み、boot: ですかさず、boot:
Linux radeon.agpmode=-1
を入れて起動します。 - yaboot.conf を書き換える。
sudo nano /etc/yaboot.conf
。imaage=/boot/vmlinux の下にある append に radeon.agpmode=-1 を加えます。append="quiet splash radeon.agpmode=-1"
-
sudo ybin -v
を実行して、yaboot に反映したら即再起動。reboot
4. その後のいろいろな設定
4-0. まず、最新にしておく
sudo apt update
sudo apt upgrade
sudo snap refresh
たぶん更新されるものはほぼないでしょう。
4-1. AirMac Extreme で Wifi 接続可能にする
このモデルでは AirMac Extreme カードはオプションで購入です。入っていればこれを動くようにして Ethernet ケーブル接続からおさらばしちゃいましょう。
sudo apt install firmware-b43-installer
その後、再起動すると使えるかもしれないです。2003 - 2004 年あたりは AirMac Extreme カードは 2 種類あるらしく、古いほうのカードであれば認識しないので、つぎのようにします。
sudo apt install firmware-b43legacy-installer
そして再起動します。
4-2. エラー報告ダイアログを無効にする
まず、サービスを止めます。
sudo service apport stop
続いて無効にします。
sudo vi /etc/default/apport
enabled=0
にして保存したら再起動します。
4-3. Mozc が見つからないのであきらめて Anthy 入れる
Ubuntu 16.04 LTS の場合は、日本語入力で Fcitx + Mozc がデフォルトということなんだけど、PowerPC だとどう見ても Mozc が入ってない。定番の sudo apt install ibus-mozc
やってもダメ。仕方がないので ibus + anthy を入れます。
sudo apt install ibus-anthy
メモリが 640 MB では、ibus が立ち上がりません。日本語入力はあきらめましょう。
4-4. iBook G4 本体の内臓スピーカーから音を出す
/etc/modules を開き、つぎのものを追加します。また、snd-powermac を無効にします。
#snd-powermac
snd-aoa
snd-aoa-fabric-layout
snd-aoa-soundbus
snd-aoa-i2sbus
snd-aoa-codec-tas
再起動して音が出てないときは alsamixer
を起動します。
見ると、一番右の PCM が 0 になってるので値を大きくします。これで音が出るでしょう。
4-5. mouseemu を入れる
mini.iso からインストールした場合はすでに mouseemu が入っていると思われますが、デスクトップ上で [F12] を押して右クリックメニューが出なかった場合、mouseemu をインストールします。
sudo apt install mouseemu
その後、再起動します。
5. 最後に
DVD-R を読まないというのが時代を感じますね。mini.iso だとほぼすべてのものをダウンロードするので、時間がかかってイライラしますね。いやはや。