はじめに
2人が同じ画面に入る image-to-video を試すと、顔の混線、左右位置の入れ替わり、手の崩れ、被写体の切れなどが同時に起きやすくなります。画像と動きを一つのプロンプトで決めると、失敗の原因が初期構図なのか動画生成なのか判断しにくくなります。
そこで、生成処理を次の2段階に分けます。
- 静止画で人物・構図・照明を固定する
- 承認した静止画に対して動きだけを指定する
静止画フェーズで確認する項目
最初のプロンプトでは動きを書かず、次の要素に絞ります。
- 2人の左右位置
- 服装と輪郭の違い
- 背景と中央の小道具
- 顔、手、足の欠損や重複
- 動かすための余白
- 最終出力と同じアスペクト比
特に、腕が交差している構図や、2人が重なっている構図は動画化で崩れやすいため避けます。全身を動かす必要がなければ、まず腰上の固定カメラで検証したほうが原因を切り分けやすくなります。
動画フェーズでは変数を減らす
静止画を確定した後は、動画用プロンプトに外見や背景を繰り返し書かず、時間方向の変化だけを記述します。
固定カメラ。2人が交互に小さく手を動かす。
自然な呼吸と軽い頷き。急な回転や交差動作は入れない。
最初から大きなジェスチャー、カメラ移動、複雑な振付を同時に指定すると、どの要素が破綻を起こしたか分からなくなります。小さい動きで安定性を確認し、次の試行で一つずつ追加します。
実装例として試したワークフロー
Hotel Lobby AI は、オレンジ色のスタジオに2人を配置する参考画像を作り、その構図を動画モデルに渡す2段階の流れになっています。モデル、解像度、長さ、アスペクト比を選び、動きの指示を画像作成と分離できます。
ただし、元楽曲は含まれず、振付やリップシンク、人物同一性も保証されません。音声と最終編集は別工程として扱い、使用権のある写真と音源だけを使う必要があります。
検証ログに残すもの
各試行で次を記録すると、再現性が上がります。
model: seedance-mini
aspect_ratio: 9:16
duration: 8s
reference_image: duo-v03.png
motion_prompt: subtle gestures, fixed camera
main_issue: right hand drift
一度に変更する項目を一つに限定すると、改善と悪化の原因を比較できます。成功した参考画像を保存しておけば、背景や衣装を作り直さずに複数の動きだけを検証できます。
まとめ
複数人物の AI 動画では、静止画と動画を別のテストケースとして扱うとデバッグしやすくなります。人物、左右位置、構図、照明を静止画で固定し、その後に動きだけを追加することで、無駄な動画生成と原因不明の再試行を減らせます。