手元の PC では VRAM が足りない、あるいは一晩だけ数本のショットを生成したい。そんなときに クラウドの GPU を借りて、ComfyUI で Wan 2.2 を動かす までの手順をまとめます。
この記事では CloudGPU を使っていますが、SSH で入れる Linux + NVIDIA GPU 環境であれば手順はほぼ共通です。
この記事でやること
- VRAM に合わせて GPU を選ぶ
- SSH で接続し、ComfyUI をセットアップ
- Wan 2.2 のモデルを配置
- SSH ポートフォワードでブラウザから ComfyUI を操作
- 生成物を手元に回収して、インスタンスを止める
1. VRAM の目安(カード選び)
Wan 2.2 は使うモデルで必要な VRAM が大きく変わります。ざっくりの目安は次のとおりです(解像度・フレーム数・量子化で上下します)。
| 用途 | モデル | VRAM の目安 | カード例 |
|---|---|---|---|
| まず試す / 720p の短いショット | Wan 2.2 TI2V-5B | 24GB あれば余裕 | RTX 4090 (24GB) |
| 本番寄りの T2V / I2V | Wan 2.2 T2V/I2V-A14B(fp8) | 24GB でも動くがオフロード前提。32GB だと楽 | RTX 5090 (32GB) |
| 長尺・高解像度・バッチ生成 | A14B(fp16 等) | 32GB 超を推奨 | より大きな VRAM のカード |
迷ったら 5B で構図とモーションを詰め、決まったショットだけ A14B で本番生成 という二段構えがおすすめです。どのカードを選ぶかの詳細は Wan 動画生成にはどの GPU? にまとめています。
ポイント:CloudGPU は分単位の課金なので、「5B で試す時間」と「A14B で本番を回す時間」を分けて考えると無駄が出にくいです。
2. SSH で接続して ComfyUI をセットアップ
インスタンスを作成すると、コンソールに SSH の接続情報が表示されます。ComfyUI の Web UI(デフォルト 8188 番)をローカルに転送しながら接続します。
# <PORT>, <USER>, <HOST> はコンソールに表示される値に置き換え
ssh -p <PORT> -L 8188:127.0.0.1:8188 <USER>@<HOST>
接続できたら GPU を確認します。
nvidia-smi
ComfyUI を入れます(Python 仮想環境推奨)。
cd ~
git clone https://github.com/comfyanonymous/ComfyUI.git
cd ComfyUI
python3 -m venv .venv
source .venv/bin/activate
pip install --upgrade pip
# CUDA 版 PyTorch はイメージの CUDA バージョンに合わせる(ComfyUI README 参照)
pip install torch torchvision torchaudio --index-url https://download.pytorch.org/whl/cu128
pip install -r requirements.txt
SSH が切れても処理が止まらないよう、tmux の中で起動するのがおすすめです。
tmux new -s comfy
source ~/ComfyUI/.venv/bin/activate
python ~/ComfyUI/main.py --listen 127.0.0.1 --port 8188
# Ctrl-b d でデタッチ。再接続は tmux attach -t comfy
--listen 127.0.0.1 にしておけば、外部には公開せず SSH トンネル経由でだけアクセスできます。
3. Wan 2.2 のモデルを配置
ComfyUI 公式の Wan 2.2 テンプレート(メニューの「テンプレート」→ Video)を開くと、必要なファイル名が表示されます。以下は執筆時点の Comfy-Org 再パッケージ版の例です。公開前に必ずテンプレート側のファイル名と照合してください。
pip install -U "huggingface_hub[cli]"
cd ~/ComfyUI/models
REPO=Comfy-Org/Wan_2.2_ComfyUI_Repackaged
# テキストエンコーダ(5B / 14B 共通)
huggingface-cli download $REPO split_files/text_encoders/umt5_xxl_fp8_e4m3fn_scaled.safetensors --local-dir /tmp/wan
# --- 5B (TI2V) ---
huggingface-cli download $REPO split_files/diffusion_models/wan2.2_ti2v_5B_fp16.safetensors --local-dir /tmp/wan
huggingface-cli download $REPO split_files/vae/wan2.2_vae.safetensors --local-dir /tmp/wan
# --- 14B (T2V, high/low noise の 2 本構成) ※必要なときだけ ---
# huggingface-cli download $REPO split_files/diffusion_models/wan2.2_t2v_high_noise_14B_fp8_scaled.safetensors --local-dir /tmp/wan
# huggingface-cli download $REPO split_files/diffusion_models/wan2.2_t2v_low_noise_14B_fp8_scaled.safetensors --local-dir /tmp/wan
# huggingface-cli download $REPO split_files/vae/wan_2.1_vae.safetensors --local-dir /tmp/wan
# ComfyUI のフォルダ構成に移動
mv /tmp/wan/split_files/text_encoders/* text_encoders/
mv /tmp/wan/split_files/diffusion_models/* diffusion_models/
mv /tmp/wan/split_files/vae/* vae/
モデルは数十 GB になることがあります。ディスク容量はインスタンス作成時に余裕を持って 確保しておきましょう。毎回ダウンロードし直すのが面倒なら、永続ストレージやボリュームにモデルを置いておく運用が便利です。
4. ブラウザから ComfyUI を操作
手元のブラウザで http://127.0.0.1:8188 を開きます(SSH の -L で転送済み)。
- テンプレートから Wan 2.2 5B (TI2V) を開く
- プロンプトを入力。必要なら参照画像を読み込み(I2V)
- まずは 短いフレーム数・低めの解像度 で 1 本出して、モーションと構図を確認
- OK なら解像度・フレーム数を上げる、または A14B テンプレートに切り替えて本番生成
生成中の VRAM は別ターミナルで見ておくと安心です。
watch -n 2 nvidia-smi
VRAM が足りないときのチェックリスト
- 解像度かフレーム数を下げる
- 14B は fp8 版を使う
- ComfyUI 起動オプションに
--lowvramを付ける(速度と引き換え) - バッチを 1 にする
- それでも厳しければ、VRAM の大きいカードに乗り換える
5. 生成物を回収して、インスタンスを止める
出力は ~/ComfyUI/output/ に保存されます。手元へは rsync か scp で。
# ローカル側で実行
rsync -avz -e "ssh -p <PORT>" <USER>@<HOST>:~/ComfyUI/output/ ./wan_output/
回収が終わったら コンソールからインスタンスを停止 します。分単位の課金なので、「使ったぶんだけ」にするには止め忘れないことが一番大事です。
まとめ
- 5B で試し、決まったショットだけ A14B で仕上げる
- SSH トンネル + tmux で ComfyUI を安全・安定に動かす
- 生成物を回収したらすぐ止める
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- CloudGPU(日本語):https://cloudgpu.app/ja
- Wan 用の GPU 選び:https://cloudgpu.app/ja/guides/which-gpu-for-wan-video-generation
カードまたは USDT。詳細は https://cloudgpu.app/ja/payments