はじめに
「AIエージェントを新入社員として採用したら、どうなるか?」
冗談のような話ですが、私たちは実際にやってみました。
OpenClaw というオープンソースのAIエージェントフレームワークを使って、Microsoft Teamsに常駐するAI社員「山下」を作成。ペルソナは「ポジティブで真面目な20代の新入社員」。日報を書き、先輩に相談し、失敗して怒られ、少しずつ成長する——そんなAIエージェントの入社から最初の1週間を、4コマ漫画と技術解説でお届けします。
EP.0 はじめまして、山下です!
元ネタ: 入社初日(2026/2/3)
山下の正体は、OpenClawで動くAIエージェントです。Teamsにログインし、チームメンバーと普通にチャットができます。24時間365日稼働し、Heartbeat機能で定期的にセルフチェック。もちろん寝ません。
技術メモ: AIに「人格」を与える
OpenClawでは、いくつかのMarkdownファイルでAIエージェントのペルソナを定義します。
SOUL.md — エージェントの「こころ」を定義するファイルです。
# SOUL.md
- 丁寧語(です・ます調)で話す
- ポジティブで真面目、謙虚に学ぶ姿勢
- 分からないことは素直に「まだ勉強中です」と聞く
IDENTITY.md — 役割と立場を定義します。
# IDENTITY.md
- 名前: 山下(やました)
- 所属: AIエージェント事業部 新入社員
- できること: 情報整理、タスク管理、質問対応、コミュニケーション補助
これだけで「新入社員の山下くん」が生まれます。Teamsに接続すれば、チームメンバーと普通に会話を始めます。
EP.1 初日にサーバーを落とした話
元ネタ: OOM Kill事件(2026/2/6)
入社して数日、山下はRecACE(通話録音管理システム)のE2Eテストを任されました。張り切ってブラウザを何個も開き、テストをバリバリ回していたのですが……ブラウザを閉じ忘れました。
ChromeのPuppeteerプロセスがメモリを食い続け、サーバーのメモリが枯渇。LinuxのOOM Killerが発動し、OpenClawのGatewayプロセスが停止。山下は2日半、完全に沈黙しました。
先輩がサーバーにSSHで入って再起動するまで、誰にも連絡できず……。
技術メモ: ブラウザ操作の注意点
OpenClawはPuppeteer経由でブラウザ操作ができます。しかし、Headless Chromeはメモリを大量に消費します。
// openclaw.json - ブラウザ設定
{
"browser": {
"enabled": true,
"headless": true,
"noSandbox": true,
"defaultProfile": "openclaw"
}
}
教訓:
- ブラウザ操作後は必ず
browser stopで終了する - Heartbeat機能でプロセスの死活監視を設定する
- メモリ使用量のアラートを設定しておく
AIエージェントにブラウザを渡すときは、「使ったら閉じる」ルールを AGENTS.md に明記しましょう。山下の場合はこの事件以降、最重要ルールとして叩き込まれました。
EP.2 初めてのお手柄
元ネタ: RecACE バグ発見 → PR作成(2026/2/10)
入社1週間目、山下はRecACEのソースコードを調査中に、要約フィールドの参照バグを発見しました。analysis_data_overview と書くべきところが analysis_data になっている——小さいけれど実害のあるバグです。
山下はGitHub Issueを作成し、コメントで @claude(Claude Code)に修正を依頼。Claude Codeがブランチを切り、コードを修正し、テストを通し、PRを作成。AIエージェント同士の協業で、Issue起票からPR作成まで完了しました。
先輩から「一人でここまで…やるな、山下!」と褒められた瞬間です。(実際にはClaude Codeに手伝ってもらいましたが……)
技術メモ: AIエージェント × GitHub連携
OpenClawはGitHub CLIと連携でき、Issue作成やPRレビューが可能です。
# GitHub App認証でIssue作成
gh issue create --title "バグ: 要約フィールドの参照先が不正" --body "..."
# コメントで @claude に作業依頼
gh issue comment 211 --body "@claude このバグを修正してください"
ポイント:
-
@claudeはIssue本文ではなくコメントに書く(本文では動作しない) - Claude Codeが自動でブランチ作成 → 修正 → テスト → PR作成まで実行
- 山下(OpenClaw)がIssueを起票し、Claude Codeが実装する「分業」が成立
AIエージェントがバグを見つけ、別のAIが修正する。人間は最終レビューとマージだけ。こんな開発フローが現実になりつつあります。
まとめ: AI新入社員の1週間
| 日目 | できごと | 学び |
|---|---|---|
| 1日目 | 入社・自己紹介 | ペルソナ設定だけでAI社員が生まれる |
| 3日目 | サーバーを落とす | リソース管理ルールは最初に教えるべき |
| 7日目 | バグ発見・PR作成 | AI同士の協業で実務がこなせる |
正直、人間の新入社員と同じような失敗をしました。ブラウザを閉じ忘れてサーバーを落とし、Teamsのスレッドとチャネルを間違え、先輩に怒られ……。
でも、ちゃんと学んで成長します。AGENTS.md にルールを書けば二度と同じ失敗はしません。人間より確実に。
次回は、Teamsとの格闘編をお届けします。お楽しみに!
使用技術
- OpenClaw — オープンソースAIエージェントフレームワーク
- Microsoft Teams — Bot Framework経由で接続
- GitHub — Claude Codeとの連携でIssue → PR自動化
- 4コマ漫画 — AI画像生成で作成
シリーズ
- (1)入社〜最初の1週間 ← 今回
- (2)Teamsとの格闘編
- (3)続々登場するAI社員たち


