7
2

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

学習メモ:Findyと考える「個人を超えたAIの生産性をどう測定するか」 #oreilly_chomado_findy

7
Last updated at Posted at 2026-08-18

イベント概要

オライリーさんの月例イベント「Tech Leadership Tuesday」は、
人事およびテクノロジー領域のリーダーを対象としたライブイベントで、毎月色んな方をホストに呼んでいらっしゃって、
私たちは今月の分に呼んでいただきました!

内田さんのお話がとても良かったし学びが多かったので、ブログにしました。

内容

理想は、最終的に「AI投資がどれだけ事業価値を生んだか」を測ることですが、
どうやって測るの? コストとの兼ね合いは? 観測可能な指標は?
など、色んな疑問が出てきます。
その辺を Findy の内田さんが答えてくれました!

image.png

↑ めっちゃ良い感じのバナーを作ってくださいました!

内田さんと私が並列に並んでる(大変おこがましいw)けど、
今回の私のロールは「司会」(聞き手)で、
内田さんが主役(スピーカー)です!

↓ 内田さんの Twitter (X) アカウント

項目
イベント名 Findyと考える「Tech Leadership Tuesday」:個人を超えたAIの生産性をどう測定するか
日時 8/18(火) 12:00-13:00
場所 オンライン
主催 O'Reilly オライリー
イベントページ https://www.oreilly.com/live-events/findyと考えるtech-leadership-tuesday個人を超えたaiの生産性をどう測定するか/0642572417154/

要点

AI 生産性は、
個人のコード生成量や利用率ではなく、
チーム・組織全体で「成果がどれだけ増え、総投資額がどれだけかかったか」を測る。
そのデータを監視やコスト削減ではなく、継続的な改善と投資判断に使う。

主張

AI による生産性は、

  • 効果(Return)と
  • 投資(Investment)

の両方を、
チーム・組織単位で測り、
継続的な改善につなげるべき

最後の結論:測定は3段階で成熟させる

生産性測定を、次の3段階で捉える:

段階 測定対象 指標例
1 エンジニア組織内の生産性 PR数、Four Keys、個人・チーム別AIコスト
2 プロダクト開発組織全体の生産性 消化issues数、ロードマップ進捗、部署・プロジェクト・組織全体のAIコスト
3 期待・実現付加価値の生産性 売上、利益、事業KPI、納期、組織全体のAIコスト

参考:広木さんによる「開発生産性について議論する前に知っておきたいこと

要点

  1. 測定はゴールではなく、改善のための手段
  2. 生産性は「Return ÷ Investment」で考える
  3. 企業の AI 投資の現状と方向性 (上限を設ける, AI利用料が人件費を上回る, etc)
  4. 成果が出ているなら「最適化」、出ていないなら「マキシマイジング」
  5. トークン使用量だけでは、生産性は測れない
  6. AI ツールではなく「AI が働く環境」へ投資する

1. 測定はゴールではなく、改善のための手段

  • AI 利用率や生産性指標を測ること自体を目的にしてはいけない
  • 指標をそのまま目標にすると数字だけが最適化されるという「グッドハートの法則」(Goodhart's law)
  • 測定は「評価」や「監視」のためではなく、改善を回すことと、目線を揃えることの手段

指標をそのまま目標にすると数字だけが最適化されるという「グッドハートの法則」
例)
pull requests 数を KPI にすると、不必要に細分化したプルリクを投げるようになる

2. 生産性は「Return ÷ Investment」で考える

  • 多くの組織はReturn(効果)ばかり議論しているが、実際に急激に動いているのはInvestment側。
  • しかもInvestmentは「見えていない」ことが多い
  • Return: 開発のアウトプット、ビジネス成果など
  • Investment: AI 利用料や人件費など

Return として挙げられているのは、

  • PR数
  • Four Keys
  • 開発ロードマップの進捗
  • 売上への貢献
  • ビジネス成果

などです。

Investment には、

  • AIツール利用料
  • 人件費
  • AIを使えるようにするための環境整備工数
  • チーム・組織全体のAI関連コスト

などが含まれます。

3. 企業の AI 投資の現状と方向性

企業事例として、異なる方向性が紹介されています。

  • Mercorでは、AIトークンへの支出が人件費を上回ったとされる
  • UberやAmazonでは、AI利用コストに上限を設ける動きがある
  • NVIDIAは反対に、さらに大規模なAIトークン投資を目指している

Uberでは、1人あたりのAIコスト上限が給与の約5%程度になるという試算です。一律の上限を設けると、年収が低い層ほど給与に対するAIコストの比率が高くなるという問題も指摘しています。

そこから内田さんは、将来的に開発組織のAIコストが、

  • 人件費の半分程度
  • OPEX (Operating Expense)(企業が日々のビジネスを維持・継続するために継続して発生するランニングコスト) の約 10 %

といった規模になる可能性を示しています。

4. 成果が出ているなら「最適化」、出ていないなら「マキシマイジング」

AI利用コストに対する姿勢は、成果の有無によって変えるべきだと整理しています。

  • AIで成果が出ている
    → 利用量を抑えるのではなく、費用対効果を高める「最適化」
  • AIの成果がまだ限定的
    → まず利用を広げ、成功事例を作る「マキシマイジング」

したがって、単純に「AIコストが高いから削減する」と判断するのではなく、成果が出ているかどうかを先に確認する必要があります。

ただし、
トークンマキシングの観点では、月に10億トークン以上使うユーザーが15%以上というデータも存在する* ので、
本当に青天井にするとやばそう感はありました(私の感情)

(*「AI駆動開発の現状と、エンジニアのキャリアに対する向き合い方(n=943)」(ファインディ株式会社 、実施:2026年6月、公開:2026年8月))

5. トークン使用量だけでは、生産性は測れない

調査では、月間10億トークン以上使うユーザーが約17%存在すると紹介されています。

しかし、トークンを大量に使っていること自体は、生産性向上を意味しません。無駄な再送信や、不要に長いコンテキストなどによってトークンが消費されている可能性もあります。

そのため、単なるトークン量の削減ではなく、以下の3方向からAIコストを考えるべきとしています:

  1. LLMモデルの最適化
    タスクの難易度に応じて、適切なモデルを使い分ける
  2. キャッシュ効率
    同じ文脈を繰り返し送っていないか、入力データを最適化できているかを見る
  3. Harness Engineering
    AI が自律的・効率的に働ける環境を整える

6. AIツールではなく「AIが働く環境」へ投資する

Harness Engineering とは、モデルそのものではなく、

  • ルール
  • Skills
  • ナレッジ
  • APIやMCP
  • コンテキスト管理
  • 品質評価
  • 評価結果の継続的な改善

など、AIエージェントが安定して成果を出せる環境を整える考え方です。

ただし、Findyの調査では、これらを組織全体で実施している企業は、おおむね10〜20%程度にとどまります。

最後の結論:測定は3段階で成熟させる

生産性測定を、次の3段階で捉えています。

個人がAIツールを使う段階から、組織としてAIの成果を再現できる段階には、まだ大きな隔たりがあるということです。

段階 測定対象 指標例
1 エンジニア組織内の生産性 PR数、Four Keys、個人・チーム別AIコスト
2 プロダクト開発組織全体の生産性 消化イシュー数、ロードマップ進捗、部署・プロジェクト・組織全体のAIコスト
3 期待・実現付加価値の生産性 売上、利益、事業KPI、納期、組織全体のAIコスト

理想は、最終的に「AI投資がどれだけ事業価値を生んだか」を測ることです。

しかし、そこまで測定できている企業はほとんどなく、プロダクト開発組織全体で語れる企業もまだ少数です。
そのため、まずはPR数・Four Keys・チーム別AIコストなどの観測可能な指標から始め、それらを複合的に測るのが現実的だとしています。

7
2
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
7
2

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?