はじめに

Ruby on Rails（以下Rails）に慣れ親しんだ開発者にとって、Laravelは新しい挑戦のように感じるかもしれません。しかし、RailsとLaravelはどちらも「開発者体験を重視したフレームワーク」という共通点を持っており、基礎を押さえれば違いを楽しみながら学べるはずです。この記事では、Laravelの概要をRailsと比較しながら解説します。

1. Laravelとは？

Laravelは、PHPで構築されたモダンなフレームワークです。
Railsと同じく「使いやすさ」と「効率的な開発」を追求しています。
特に以下のような特徴があります。

MVCアーキテクチャ：Railsと同様に、モデル、ビュー、コントローラを分離した設計
Eloquent ORM：RailsのActive Recordに似た、データベースとやり取りするための強力なORM
豊富な公式ドキュメント：Railsと同じく、Laravelも公式ドキュメントが充実しています。

公式ドキュメントはこちら

2. LaravelとRailsの共通点

Railsを使ったことがある方にとって、Laravelの次のポイントは馴染みやすいでしょう。

(1) フォルダ構成

Laravelのフォルダ構成はRailsと似たような構造を持っています。

app/：アプリケーションのメインコード（MVCの主要ファイルが含まれる）。
routes/：Railsのconfig/routes.rbに相当するファイル。
resources/views：Railsのapp/viewsに相当。

(2) Artisanコマンド

Railsのrailsコマンドに相当するのが、Laravelのartisanコマンドです。たとえば、新しいコントローラを作成する際は以下のように実行します：

bash

php artisan make:controller ExampleController

3. Laravelの特有の特徴

LaravelにはRailsにない独自の便利機能も多数存在します。
いくつか代表的なものを紹介します。

(1) Bladeテンプレートエンジン

Laravelには、Bladeという軽量なテンプレートエンジンが標準で組み込まれています。
たとえば、条件分岐やループを簡潔に記述できます。

blade

@if ($user)
    <p>こんにちは,{{ $user->name }}さん！</p>
@endif

(2) マイグレーションの簡易性

Laravelでは、マイグレーションファイルに簡単に変更を記述できます。
以下はusersテーブルを作成する例です。

migration

Schema::create('users', function (Blueprint $table) {
    $table->id();
    $table->string('name');
    $table->string('email')->unique();
    $table->timestamps();
});

4. Rails開発者向けの学習ポイント

(1) PHPの基礎を押さえる

LaravelはPHPベースのフレームワークであるため、PHPの基本文法を知っておくとスムーズに学べます。

(2) Composerの利用

Laravelでは、ComposerというPHPのパッケージ管理ツールを使用します。
RailsのBundlerに相当します。

bash

composer require laravel/ui

5. Laravelを学ぶためのリソース

公式ドキュメント：Laravel Documentation
API：Laravel API
PHP公式ドキュメント：PHP Documentation

まとめ

Rails開発者にとって、Laravelは新しい視点で学びを深める絶好のチャンスです。この記事で紹介した基礎知識をもとに、公式ドキュメントを参照しながら実際に手を動かしてみてください。Railsの経験がある方なら、Laravelもすぐに習得できるはずです。

Laravelの世界に飛び込んで、新たな開発体験を楽しみましょう！