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はじめに

PMBOK学習中。8つのパフォーマンス領域の「ステークホルダー」での手法の一つを紹介

セイリエンスモデル分析

まとめ

どういう場面で使うのか

  • プロジェクト完遂のために、抑えるべき人を洗い出すために使用する。

やり方

  1. ステークホルダーを洗い出す
  2. それぞれのステークホルダーを「権力」「正当性」「緊急性」の3軸で評価する
  3. 評価を元にカテゴリ分け、優先度をきめる

salience-model.png

詳細

背景

プロジェクトにおいて、ステークホルダーが多く存在する。そのステークホルダーそれぞれには「この人は抑えておかないとだめ!」とか「この人は定期的に相手にしてあげれば大丈夫」などの特性がある。
また、「この人が怒るとプロジェクト自体が破綻する」「優先度が一気に変わり、進める難易度が上がる」といったキーパーソンも存在している。

どのような人から抑えるべきかを分析する一つの手法が「セイリエンスモデル分析」。

分析方法

「権力」「正当性」「緊急性」の3つの指標で評価。〇×をつける。

  • 「権力」:プロジェクトへの直接の影響、裁量権を持っているかどうか。「権力」を持っている人の発言は意思決定に関わる
  • 「正当性」:その人のプロジェクトへの関与が妥当だと思われるかどうか。「正当性」を持っている人の発言は軽視することによって、周りからの信頼を失う
  • 「緊急性」:今すぐ対応しなければ問題が発生するかどうか。「緊急性」を持っている人の発言はその場の優先度を変える

○×のつき方でその人の優先度を設定する。優先度は以下の通り

  1. コア(「権力〇」「正当性〇」「緊急性〇」)
  2. 支配的(「権力〇」「正当性〇」「緊急性×」)
  3. 危険(「権力〇」「正当性×」「緊急性〇」)
  4. 依存(「権力×」「正当性〇」「緊急性〇」)
  5. 休眠(「権力〇」「正当性×」「緊急性×」)
  6. 厳しい(「権力×」「正当性×」「緊急性〇」)
  7. 裁量(「権力×」「正当性〇」「緊急性×」)

実践編

勤怠管理システムを導入することを考える。自分が勤怠管理システムを提供する側のPMの場合、以下のようにステークホルダーを抑える必要がある。

  1. コア(「権力〇」「正当性〇」「緊急性〇」)
    役員。「今期中にシステムを導入する」などの経営方針を設定した人。
    →予算の決定権や方針に対する意思決定権(権力)があり、意思決定した張本人(正当性)、決めた期日までに導入刺させるために周りが最優先に動く存在(緊急性)

  2. 支配的(「権力〇」「正当性〇」「緊急性×」)
    人事部長。導入する勤怠システムを運用する。
    導入後の使い方などの意見を出す可能性があり、正当性が高い。一方で導入までにやらないといけないわけではない要望も上がってくるため、緊急性は高くない。

  3. 危険(「権力〇」「正当性×」「緊急性〇」)
    情シス。今後のシステム運用面を担当する。
    導入後に何かシステムの問題が起こった場合には責任がかかるポジションのため、少しでも怪しいシステムを入れないようにする。もし何かあった場合には警笛を大きくならす。一方で、影響範囲が「システムが落ちないかどうか」というところに限られているため、正当性は低くなる。

  4. 依存(「権力×」「正当性〇」「緊急性〇」)
    経理部。勤怠を元に給与計算などを行う。
    普段の運用に問題が発生したときに、会社全体に関わる問題になりがち。そのため、緊急性、正当性がともに高くなる。

  5. 休眠(「権力〇」「正当性×」「緊急性×」)
    社長。細かいことには関わらない。
    最終的な決裁権を持っているものの、現場がよければよしという考えのため、正当性や緊急性は低くなる。

  6. 厳しい(「権力×」「正当性×」「緊急性〇」)
    現場スタッフ。実際に使う人。
    勤怠管理システムに何か問題が起きたときに一番被害を被る人。そのため、緊急度は高いものの、権力などがあるわけではないため、重要度としては低くなる。

  7. 裁量(「権力×」「正当性〇」「緊急性×」)
    労働組合。労働者代表として動く組織団体。
    仕組み自体に不利益はないのかのチェックを行う。団体自体が現場仕事をしているわけではないため、問題が発生しても直接は被害を被らない。

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