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AWSとGCPの最近の動向(2025年10月)

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AWSとGCPの最近の動向(2025年10月)

クラウド市場は2025年に入っても引き続き高成長を続けており、特にAI/ML領域における各社の競争が激化しています。2025年10月時点での、AWSとGoogle Cloud Platform (GCP)の主要な動向と変化をまとめます。

1. Amazon Web Services (AWS)の動向

AWSは依然としてクラウド市場のシェア首位を維持していますが、そのシェアはわずかに低下傾向にあります。市場の要求に応えるため、特に生成AIモデルの多様性と柔軟性を高める施策を打ち出しています。

大きな変化(戦略・市場)

  • シェアの僅かな低下とAIへの注力:
    • 2025年第1四半期時点で約29~30%のシェアを維持するものの、かつてのような圧倒的な差は縮まりつつあります。
    • この状況に対し、生成AIサービスであるAmazon Bedrockへのリソース投入をさらに強化し、サードパーティモデルとの連携を加速させています。
  • フルマネージドAIサービスの拡充:
    • 生成AIアプリケーションを開発・デプロイするためのサービス群がよりフルマネージド化し、企業利用におけるセキュリティと運用負荷の軽減に注力しています。

小さな変化(具体的なサービスアップデート)

  • Amazon BedrockにおけるCohere Embed v4の利用可能化:
    • 2025年10月2日、Bedrockでより高性能な埋め込み(Embedding)モデルであるCohere Embed v4が利用可能になりました。これにより、検索拡張生成(RAG)などの精度向上に直結します。
  • Batch inferenceの対応モデル拡充:
    • 2025年10月3日、大規模言語モデル(LLM)のバッチ推論(Batch inference)が、DeepSeek V3などの新しいモデルに対応しました。これにより、オフラインでの大量データ処理の選択肢が広がりました。

2. Google Cloud Platform (GCP)の動向

GCPは市場シェア12~13%と3位ながら、その強みであるAI・データ分析分野での技術力を武器に堅調に成長を続けています。

大きな変化(戦略・市場)

  • AI・データ分析のさらなる強化:
    • GCPは、Google本体の強力なAI研究開発力と、BigQueryを中心とするデータ分析基盤との密接な連携を最大の差別化要因としています。
    • 企業が持つデータを活用したカスタマイズされたAIモデルの提供に特に注力しており、競合との優位性を確立しようとしています。
  • マルチクラウド戦略の継続(Anthos):
    • GCPのコンテナ管理プラットフォームであるAnthosを通じて、**オンプレミスや他社クラウド(特にAWS)**でのGCPサービス利用を積極的に推進しており、マルチクラウド環境におけるプレゼンスを高めています。

小さな変化(具体的なサービスアップデート)

  • (市場動向による推定)Vertex AIの機能拡張:
    • AI分野での強みから、GCPはVertex AIプラットフォームにおいて、モデルチューニング、デプロイ、監視の各プロセスにおけるガバナンスと効率性を高めるための機能アップデートを継続的に行っていると見られます。
  • データ基盤とAIの統合深化:
    • BigQueryやDataprocなどのデータサービスと、Vertex AIとのデータ連携レイヤーの統合がさらに進み、データエンジニアリングからAI活用までのパイプライン構築がより容易になっています。

3. AWSとGCPでの相互運用性についての変化

大手クラウドプロバイダー間における直接的な相互運用性の標準化は依然として難しい状況ですが、間接的・技術的な面での連携は進化しています。

  • オープンソースと標準化の活用:
    • Kubernetes、Terraformなどのオープンソース技術が、両クラウド間でのアプリケーションデプロイやインフラ管理の共通言語としての役割をさらに強化しています。
    • 特にKubernetesに関しては、AWSのEKSとGCPのGKEがそれぞれの強みを持ちつつ、コンテナワークロードのポータビリティ(可搬性)を担保しています。
  • データ連携の進化(クロスリージョン・クロスサービス):
    • AWS S3やGCP Cloud Storage間でデータを効率的に転送するためのサードパーティツールやマネージドサービスの連携機能が進化しています。これは、マルチクラウド環境でデータを移動・複製する際のコストとレイテンシ(遅延)削減を目指したものです。
  • ハイブリッド・マルチクラウドの共通基盤としてのAnthos:
    • GCPのAnthosが、AWS上にデプロイされたKubernetes環境(EKSなど)を一元管理する機能を提供し続けており、GCP側からのAWSリソース管理の相互運用性を高める主要な手段となっています。

まとめ

2025年10月現在、AWSとGCPはそれぞれの強みを生かしながら、特に生成AIとその基盤となるデータ分析の領域で激しい競争を繰り広げています。フリーランスエンジニアとしては、単一クラウドの深い専門性に加え、この**マルチクラウド環境での相互運用性(オープンソース技術)**への理解が、今後の案件獲得においてますます重要になると言えるでしょう。

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