はじめに
PowerVC のGUI から実行するボリュームへの操作は、PowerVC が介在して構成されているSVC(SAN Volume Controller/ストレージ)に対してコマンドが実行されています。
ボリューム作成、複製の際にどのようなコマンドがストレージ側に渡されているのかを確認したログです。
環境
ハードウェア:
・IBM Power S1012
・FlashSystem 5015 (Firmware 8.4.0.8)
ソフトウェア:
・PowerVC 2.2.0
PowerVC操作で発生した SVC コマンド確認
① ボリューム作成
PowerVC GUI での指定です。
"test0806" という名前で 200GB のボリューム作成を指定します。
ストレージテンプレートの"test0806"は、Thin Provisioning タイプでデフォルト値の設定を利用しています。
> svctask mkvdisk -name volume-test0806-1-29e33012-de8e -mdiskgrp power
-iogrp 0 -size 1 -unit gb -rsize 2% -autoexpand -warning 0% -grainsize 256
-easytier on
"test0806" というボリューム名を指定しました。
"power" というストレージ・プールを使用しています。
ボリューム作成の際にストレージ・テンプレートのデフォルトの以下の値が反映されています。
- rsize (実容量) 2 %
- autoexpand 有効
- warning 0%
- grainsize 256
- easytier on
② ボリューム複製
PowerVC で対象ボリュームを複製します。
対象ボリュームを選択し、"複製" を押します。(下記図の赤丸部分)
ボリュームの複製で、共通サフィックス名、ストレージ・テンプレートを設定し、"複製"を押します。
SVC 側では、以下のようなコマンドが実行されていました。
- 複製ボリュームの作成
> svctask mkvdisk -name volume-clone-test0806-bff66753-bfb2 -mdiskgrp power
-iogrp 0 -size 214748364800 -unit b -rsize 2% -autoexpand -warning 0%
-grainsize 256 -easytier on
- マッピングの作成
> svctask mkfcmap -source volume-test0806-1-29e33012-de8e -target volume-clone-test0806-bff66753-bfb2 -copyrate 50 -autodelete -cleanrate 50
svctask prestartfcmap 2
- Flash Copy の実行
> svctask startfcmap 2
SVC側での操作
PowerVC GUI 上では、複製を停止したり、複製中に速度を変更するオプションは存在していません。
PowerVC で複製を実行した対象のコピーをSVC側で操作ができるかどうかを確認しました。
Flash Copy rate の修正
(左レーン)コピー・サービス -> 対象のFlash Copy Mappingを選択 -> 右クリック -> プロパティーの編集を選択
バックグラウンド・コピー率を 2 GB/秒に変更した場合、以下のコマンドが流れました。
copyrate 150 で 2 GB/秒が指定されます。クリーンレートはGUI上は変更せず 2 MB/秒のままです。
> svctask chfcmap -cleanrate 50 -copyrate 150 2
(左レーン)コピー・サービス -> 対象のFlash Copy Mappingを選択 -> 右クリック -> 停止を選択
SVC からコピーを停止した場合、以下のコマンドが流れました。
> svctask stopfcmap -gui 2
停止済み状態が表示されています。
おわりに
PowerVC は基本的に管理下以外の操作を行うことは非推奨ですが、
PowerVC 上で実装されていない機能を使用したい場合は、オリジナル側の管理コンポーネントを操作することが有効な場合もあります。
ボリューム複製停止や、バックグラウンド・コピー率(コピー・レート)変更はその例として、今回記載させていただきました。
以上です。






