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Power Virtual Server の仮想マシンで Processor Compatibility Mode を変更

Last updated at Posted at 2025-10-11

はじめに

これまで PowerVS の仮想マシンの プロセッサの互換性モード はそのOSが対応可能な一番上位のプロセッサー・モードで稼働していましたが、ユーザーの方で選択可能になりました。

マニュアル:https://cloud.ibm.com/docs/power-iaas?topic=power-iaas-modifying-instance#change-cpu-compatibility

以下、確認内容です。
現時点ではVM作成時には指定項目はなくVM 作成後に修正しています。


IBM Power Processor compatibility mode とは?

IBM Powerサーバーは世代ごとにCPUアーキテクチャが進化しています。

たとえば、POWER8 → POWER9 → POWER10と進化につれて、命令セットやマイクロアーキテクチャも変わります。
Processor Compatibility Mode は、CPUを古い世代の命令セットに合わせた「互換モード」で動作させることが可能となります。

例えば、POWER11上でLPARをPOWER9互換モードに設定すると、その仮想マシンはPOWER9の命令セットを使用して動作します。

筐体移行の際に、古いProcessor Compatibility Modeの稼働が必要な場合などで有効な機構です。
ただし一般的には、新しい命令セット、アーキテクチャーでより高パフォーマンスとなると考えられます。

Operating System の方にも、対応可能な Processor Compatibility Mode が存在しており、例えば、AIX 7.2 は Power10 上で動かす場合でも、POWER9 モード以下での稼働となります。(POWER10 モードで AIX 7.2 は稼働できない)


マニュアルに記載があった、優先、有効プロセッサーモードの説明です。

優先プロセッサー互換モード :
VSIを動作させたいプロセッサモード。
デフォルトでは、Power Virtual Server は推奨するプロセッサ互換性モードをサポートされている最高モードで設定する。

有効プロセッサー互換性モード:
現在VSIで使用されているプロセッサモード。
VSIが動作している物理ホストが、効果的なプロセッサ互換性モードを決定。


参考:


確認した環境

IBM Cloud Power Virtual Server
HW: S1122
VM OS : RedHat 9.6


プロセッサー・モードの変更

対象サーバーの詳細です。

仮想マシンの停止・起動が必要のため、事前にOSシャット・ダウンをしています。

現在は、「優先」「有効」ともに Power11 が選択されている状態です。

図1.png

右上の鉛筆マーク ✏️ で 仮想サーバー・インスタンスの詳細 を編集します。


S1122 では POWER11, POWER10, POWER9, POWER9_Base の選択肢があります。

proc_mode2.png

POWER9_Base に変更してみます。

proc_mode3.png

保存 を押して変更します。

サイズ変更 の待ち時間が少しありましたが、

proc_mode4.png

画面をリフレッシュすると、 POWER9_Base に変更されていました。
最初に優先モードが先に変更が反映されていました。

proc_mode6.png

GUIでの変更は反映まで時間はかかりましたが、確実に変更するためにはGUI画面上の反映を待つ必要があります。

(おそらく、IBM Cloud Console -> PowerVC -> PowerVM NovaLink という何重の命令で変更が実行されているのではないかと。)

そして、VM起動後に優先プロセッサー互換モードの変更が反映されているようでした。

proc_mode8.png


確認

仮想マシンを起動してOS上での設定を確認します。

OS上の Processor Compatibility Mode の確認は下記で確認しており、同じ方法を実施します。

[root@aap26 ~]# LD_SHOW_AUXV=1 /bin/true | grep _PLATFORM
AT_PLATFORM:          power9
AT_BASE_PLATFORM:     power11
[root@aap26 ~]#

AT_PLATFORM = 優先プロセッサー互換モードは power9 で稼働しています。

"AT_BASE_PLATFORM" が "Actual processor type" で、筐体のデフォルトのプロセッサーモード、"AT_PLATFORM" が "Processor compatibility mode" で実稼働している プロセッサーモード

POWER9_Base を選択しましたが、power9 モードとして出てくるのは、RHEL(Linux) であるため、POWER9_Base の出力が用意されていないのかもしれません (推測です)。


おわりに

IBM Power Virtual Server で Processor Compatibility mode がユーザーで選択できる変更が加わったことを確認しました。

以上です。

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