はじめに
応用情報技術者試験は、求人の応募要件に含まれる事もある、エンジニアにとって免許証のような資格です。
そのため受験者数が非常に多く、その中には当然
追い込まれるまで頑張れない人
2021年春試験で追い込まれつつも何とか合格し、試験を受けた上で改善すべき点も整理できたので、
後世の追い込まれた方(&計画的に学習できるが、効率化したい方)向けに、情報共有したいと思います。
応用情報技術者試験とは?
4段階の難易度を持つ情報処理技術者試験のうち、2番目に難しいランクの試験です。
試験を主催するIPAのホームページには、
「高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者」
と書いてあります。
試験内容は下記となります
午前試験 | 午後試験 | |
---|---|---|
試験時間 | 150分 | 150分 |
試験方式 | マークシート式 | 記述式 |
問題数 | 80問 | 11問中から5問選択 |
合格ライン | 60% | 60% |
午後問題は特にIPAの記載と試験内容がリンクしており
「応用的」 → 実際の業務を想定した出題が多い
「方向性を確立」→ 11問中5問を選択(6問は解かなくとも良い)
の部分がキモだと感じました。
詳細は後述しますが、効率よい合格のためには戦略が重要な試験だと、経験を通じて実感しています。
あんた誰?
製造業でデータ分析をしています。職種的には「データサイエンティスト」や「機械学習エンジニア」にあたるかと思います。
IT本流のエンジニアではないので、試験分野に関しては未経験者とITを本業とするエンジニアとの中間くらい、といった感じのキャリアかと思います。
基本情報技術者は2016年に取得済です。
私が合格したときの状況
選択した科目と点数
学習時間
諸事情により、直前10日間が休みだったので(これが油断を生み勉強開始が遅れましたが‥)
この期間に突貫で勉強しました。
1日8時間 × 9日+前日のみ13時間 = 85時間くらいの学習時間かと思います。
なお、本記事は短期間で合格したことのアピールが目的ではなく、
「問4、10、11が自分に向いてる」と気付いて午後問題を戦略的に選択できたことが、
追い込まれた状況からの合格に繋がったと実感しているので、
この戦略を整理して共有したいと思います。
テキスト
テキストには書店でたまたま見つけた
情報処理教科書 応用情報技術者 テキスト&問題集
を使用しました。
前半に試験範囲内の内容解説、後半に過去問という、資格テキストとしてはオーソドックスな一冊です。
内容自体は丁寧にカテゴリ分けして整理されており、オールインワンの参考書として十分な内容だと感じました。
一般的には、応用情報技術者 合格教本が定番とのことなので、
こちらを購入しても良いかと思います。
また、反省点として
・時間不足で過去問を3回分しか解けなかったこと(正直これで合格を狙うのは運任せ要素が強すぎました‥)
・午後問題向けのテキストを買わなかったこと(午後は応用性が高く暗記だけでは解けません)
があるので、
・最低5年分の過去問解説(テキストについていることが多い)
・午後対策テキスト
も購入をお勧めします。
午後対策テキストはこちらが定番のようです。
本記事が想定している状況
一般的な社会人の方は業務や家事をしながらの勉強となり、勉強時間が分散することによる効率低下もあるので、
休日8時間 × 8日+平日2時間 × 28日 ≒ 120時間
(休日の1/3は勉強なしでカウント)
で、1か月半前くらいに慌てて学習開始した
という状況を想定します。
この期間は資格に捧げるようなスケジュールですが、追い込まれた状況なので覚悟を決める必要があるかと思います(笑)
なお、この学習時間はIT業界従事者、あるいは基本情報合格者を想定しております。
後述しますが業界経験者が非常に有利な試験なので、他業界から受験される場合は余裕を見たスケジューリングでの学習をお勧めします。
試験としての特徴
前述のように、「応用」情報と名前がつくだけあって、実務を想定した内容の出題が多いです(特に午後試験)
出題分野としては、下記に大別されます(IPAの試験要綱参照)
分野 | 分類 | 対応する高度試験 | 午後問題での問題数 |
---|---|---|---|
テクノロジ | 1. 基礎理論 | なし | 1 |
テクノロジ | 2. コンピュータシステム | エンベデッドシステムスペシャリスト | 1.5 |
テクノロジ | 3. 技術要素(データベース) | データベーススペシャリスト | 1 |
テクノロジ | 3. 技術要素(ネットワーク) | ネットワークスペシャリスト | 1 |
テクノロジ | 3. 技術要素(セキュリティ) | 情報処理安全確保支援士 | 1(必須) |
テクノロジ | 4. 開発技術 | システムアーキテクト | 1.5 |
マネジメント | 5. プロジェクトマネジメント | プロジェクトマネージャ | 1 |
マネジメント | 6. サービスマネジメント | ITサービスマネージャ | 1 |
ストラテジ | 7. システム戦略 | ITストラテジスト | 0.5 |
ストラテジ | 8. 経営戦略 | ITストラテジスト | 0.5 |
ストラテジ | 9. 企業と法務 | システム監査技術者 | 1 |
実際に受験した感想として、以下が重要だと感じました
- とにかく出題範囲が広い
- 午後問題は選択式だが、セキュリティのみ必須
- 合格ラインは午前、午後共に60%
- 午前問題は過去問の流用が多い
- 150分という長丁場で、集中力の維持が課題
1. とにかく出題範囲が広い
私は今まで製造業系(危険物取扱者やエネルギー管理士等)を中心に10種類以上の資格を取得して来ましたが、
応用情報はその中でも断トツで出題範囲が広いです(基本情報の時点で「広っ!!」と思いました)
そのため効率的な合格には、苦手分野の取捨選択が大事だと感じました。
詳しくは後述しますが、得意分野や、将来的に受けたいと思っている高度試験に基づいて、
午後問題対策の分野は取捨選択するのが効率的だと思います。
2. 午後問題は選択式だが、セキュリティのみ必須
午後問題は11問中5問のみ選択して回答すればよい(残りの6問は解かなくともよい)ですが、
セキュリティ分野のみ選択必須となっています。
セキュリティのみ他の分野より比重を上げて勉強すると良いかと思います。
3. 合格ラインが60%
多くの試験と同じく、各科目60%を取れば合格です。
応用情報においては午後試験の方が難しいと言われているので、
基本的には午後で60%を取ることを目指すのが最短合格へのキモだと思います。
4. 午前問題は過去問の流用が多い
(私の使った)テキストでは範囲を網羅し切れていないと感じたので、過去問演習が重要だと感じました
5. 150分という長丁場で、集中力の維持が課題
午前試験、午後試験共に150分ぶっ続けと、あらゆる資格試験の中でも最長クラスの長さです。
過去問は時間を計って解き、この長丁場に慣れておきましょう。
トイレの場所確認や、時計を忘れず持っていく等の事前準備も重要です。
勉強スケジュール例
実際の試験内容を踏まえ、私がもう一度受けるならこのスケジュールで勉強するという計画です。
このスケジュールとした根拠も各項目に示しますが、あくまで私見なので、皆さんの勉強スタイルに合わせてアレンジしてください!
各項目の詳細、およびこのスケジュールとした理由は、各リンクから飛んでください。
個人的には⑤での午後問題の取捨選択が最重要だと思っているので、
**お忙しい方はこの部分の内容だけでも見て頂ければ**と思います。
No. | 学習開始からの経過時間 | 内容 |
---|---|---|
① | 0時間 | 準備&環境構築 |
② | 0~30時間 | テキスト1周目 |
③ | 30~45時間 | テキスト2周目 |
④ | 45~49時間 | 過去問午前1回目 |
⑤ | 49~55時間 | 過去問午後1回目&午後問題取捨選択(重要) |
⑥ | 55~75時間 | 午後問題テキスト |
⑦ | 75~83時間 | 過去問午後2~3回目 |
⑧ | 83~103時間 | 過去問午前2~8回目 |
⑨ | 103~110時間 | 過去問午後4~5回目 |
⑩ | 110~120時間 | テキスト復習(とにかく暗記) |
⑪ | 試験本番 | 試験本番の心得] |
①準備&環境構築
参考書の購入や
参考書の購入
- 全体テキスト
- 午後問題対策テキスト
(3. 過去問)
の購入をお勧めします
学習環境の整備
それなりの長丁場となるので、最初に学習環境を整備することをお勧めします。
学習しやすい場所は人によって異なると思いますが、
自宅、カフェ、図書館など、集中できる場所を数ヵ所確保できると、
場所を変えて気分転換もできるので、長く学習が続きやすいかと思います。
②テキスト1周目
応用情報は「過去問演習だけで十分」と言う方も多いですが、
午前はともかく午後問題は体系的な理解が求められる設問も多いため、
個人的にはテキストで最低2周は学習し、内容暗記および各項目間のつながりを理解しておいた方が良いと思います。
また一つのテクニックとして、繋がりや実用上の使い方が分からない部分があったら、意味が理解できるまでネットで検索するのがオススメです。
ネット等で自発的に調べた記憶は、頭に定着しやすいように感じます
③テキスト2周目
1周目の内容を記憶に定着させます
④過去問午前1回目
まずは午前問題の過去問を解き、イメージを掴みます。
ここで解く過去問は、直近の試験のもので良いかと思います。
テキストに載っていない内容の出題が多くて少し焦るかもしれませんが、そういう問題はだいたい2~6年前の過去問で登場しており、⑧のフェーズで覚えられるので安心して下さい
⑤午後問題取捨選択 ※個人的最重要フェーズ
時間は厳密に計らずとも良いので、まずは午後問題を全問題解いてみて、問題のイメージをつかみます。
午前問題とは、マークシート式と記述式の差以上に大きな差を感じて、最初は面食らうかと思いますが、何となく自分の得意分野、苦手分野のイメージがつかめるかと思います。
このイメージを持って、問2~問11の選択問題のうち、6~7個を取捨選択します(3~4個を捨てる)
実際の試験では4問解ければいいので、難題が紛れていたときの保険として2~3問余裕があれば十分かと思います。
午後問題の構成
ここ数年は全て以下の問題構成となっているので、選択の参考としてください
番号 | 内容 | 分野 | ※対応する分類 | 対応する高度試験 | 有利になる業務経験 |
---|---|---|---|---|---|
問1 | 情報セキュリティ | テクノロジ | 3 | 情報処理安全確保支援士 | (全員必修) |
問2 | 経営戦略 | ストラテジ | 7,8 | ITストラテジスト | 企画、経理、コンサル |
問3 | プログラミング | テクノロジ | 1 | なし | アルゴリズム開発・データサイエンス |
問4 | システムアーキテクチャ | テクノロジ | 2,4 | システムアーキテクト | 上流工程開発、ユーザ企業開発 |
問5 | ネットワーク | テクノロジ | 3 | ネットワークスペシャリスト | インフラ |
問6 | データベース | テクノロジ | 3 | データベーススペシャリスト | バックエンド開発、DB関係 |
問7 | 組込みシステム開発 | テクノロジ | 2 | エンベデッドシステムスペシャリスト | プログラミング、組込み開発 |
問8 | 情報システム開発 | テクノロジ | 4 | システムアーキテクト | 外部設計、詳細設計、単体テスト |
問9 | プロジェクトマネジメント | マネジメント | 5 | プロジェクトマネージャ | 上流工程開発、ユーザ企業開発 |
問10 | サービスマネジメント | マネジメント | 6 | ITサービスマネージャ | 要件定義、システム運用 |
問11 | システム監査 | ストラテジ | 9 | システム監査技術者 | システム監査、システム運用 |
※対応する分類は、「試験としての特徴」で述べた要綱の番号と対応しています |
各問題の必要スキル
主観評価ですが、午後問題は主に「知識」「計算力」「国語力」が重要だと感じたので、
それぞれの設問で必要とされると感じたスキルをまとめてみました
|番号|内容|知識|計算力|国語力|
|---|---|---|---|---|---|
|問1|情報セキュリティ|○|×|○|
|問2|経営戦略|○|×|◎|
|問3|プログラミング|△|◎|△|
|問4|システムアーキテクチャ|○|○|△|
|問5|ネットワーク|◎|△|△|
|問6|データベース|◎|○|△|
|問7|組込みシステム開発|△|○|△|
|問8|情報システム開発|○|○|○|
|問9|プロジェクトマネジメント|○|○|○|
|問10|サービスマネジメント|○|×|◎|
|問11|システム監査|△|×|◎|
問6、8、9は必要スキルの合計量が大きいと感じたので、該当業務従事者以外はあまりオススメできない分野だと個人的には思います(後述の正答率も低いです)
過去のデータでの正答率
IPAのホームページの講評に、各年度の正答率の高低が記載されています。
過去8回分を、下の表にまとめました
(正答率が高い回をプラス、低い回をマイナスで集計しています)
番号 | 内容 | 令2秋 | 平31春 | 平30秋 | 平30春 | 平29秋 | 平29春 | 平28秋 | 平28春 | 8回分計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
問2 | 経営戦略 | - | - | 高 | - | - | 低 | 高 | 低 | ±0 |
問3 | プログラミング | - | 高 | - | 高 | 高 | 高 | 高 | 高 | +6 |
問4 | システムアーキテクチャ | - | 低 | - | 高 | - | 低 | - | - | -1 |
問5 | ネットワーク | - | - | - | - | - | 高 | - | 高 | +2 |
問6 | データベース | - | 低 | 低 | - | 低 | - | 高 | - | -3 |
問7 | 組込みシステム開発 | - | - | 高 | - | 高 | - | 高 | - | +3 |
問8 | 情報システム開発 | 低 | 高 | 高 | 高 | 低 | 低 | 低 | - | -1 |
問9 | プロジェクトマネジメント | - | 低 | - | 低 | 高 | 低 | - | 低 | -3 |
問10 | サービスマネジメント | - | 低 | - | 低 | 低 | - | 低 | 低 | -5 |
問11 | システム監査 | - | 高 | - | 高 | 高 | 低 | - | - | +2 |
正答率が高いのは、「3.プログラミング」「5.ネットワーク」「7.組込みシステム開発」「11.システム監査」です。
「3.プログラミング」は得意な人しか解かないからという側面が強そうですが、残りの3つは好き嫌いが分かれる分野でもなさそうなので、おすすめできるかと思います。
正答率が低いのは、「6.データベース」「9.プロジェクトマネジメント」「10.サービスマネジメント」です。
計算問題を避けて解いたら撃沈、というパターンが多そうなので、過去問から得意だという自信が得られていない限りは、安易な選択は避けた方が賢明かと思います。
個人的なおすすめ
シチュエーションに合わせて、独断と偏見でおすすめ科目を選んでみました。
文系・理系は、卒業学科ではなく、計算力と国語力どちらに自信があるかで解釈してください
番号 | 内容 | 追い込まれた理系 | 追い込まれた文系 | 時間に余裕のある理系 | 時間に余裕のある文系 |
---|---|---|---|---|---|
問2 | 経営戦略 | ○ | ◎ | △ | ◎ |
問3 | プログラミング | ○(得意なら積極選択) | × | ○ | × |
問4 | システムアーキテクチャ | ◎ | ○ | ◎ | △ |
問5 | ネットワーク | ○ | ○ | ◎ | ◎ |
問6 | データベース | △(SQL習熟者向き) | × | ○ | △ |
問7 | 組込みシステム開発 | ◎ | △ | ◎ | × |
問8 | 情報システム開発 | △(設計経験者向き) | × | △(設計経験者向き) | × |
問9 | プロジェクトマネジメント | × | × | × | × |
問10 | サービスマネジメント | △(IT業界経験者向き) | △(業界経験者向き) | △(業界経験者向き) | △(業界経験者向き) |
問11 | システム監査 | ○(社会人向き) | ◎(社会人向き) | ○(社会人向き) | ◎(社会人向き) |
選んだ理由を、各問題の内容に触れながら詳説します
問1 情報セキュリティ
必須問題なので、重点的に学習する必要があります。
知識を問う問題が多く、出題パターンも比較的少ない(近年はファイアウォール関係が続いている)ので、過去問学習が活きると思います。
・セキュリティのみ、午後問題の過去問を多めに解く
ことが有効だと感じました。
問2 経営戦略
他の問題とかなり毛色が異なり、技術色が薄いです。
架空の会社が置かれた環境と、これからとるべき戦略の選択肢が与えられ
・環境や戦略を説明する用語等の知識を問う問題
・戦略遂行のための具体的なアクションとその理由を記述する問題
が典型的なパターンです。
財務諸表の問題が出ることもありますが、テキストの範囲内さえ覚えればある程度は答えられるかと思います。
知識問題は、企画やコンサルティングを生業にしている人にはお馴染みの内容が多そうですが、覚えるべき知識の範囲自体は広めです。
記述問題は、丁寧に問題文を読み込めば答えが隠れていることが多い(通称**「国語力」**問題)です。
満点を取りずらい科目ではありますが、丁寧に解けば合格レベルの6割に達しやすい科目でもあるので、
候補に残しておき、他の問題が難しかった場合に解く
という選び方が良いのではと感じました。
対象者 | おすすめ度 |
---|---|
理系 | ○(候補には残して後回し) |
文系 | ◎ |
問3 プログラミング
アルゴリズムの仕様と、そのアルゴリズムを実現するためのソースコード(一部空欄)を併記し、空欄を埋める
という回答方式で、題名の通り理系チックな問題です。
注意すべきは、「forループを回してインデックス指定して配列操作する」という昔ながらのスクラッチな手法でのプログラミングを前提とした出題のため、
foreach文、map処理等の現代的な構文に慣れた人には頭が痛い問題が多く、配列の最後がNかN-1かのようなケアレスミスも発生しやすいです。
プログラミングを生業としている人でも、
過去問を数問解いてから慎重に取捨選択することをお勧めします。
一方で解法が思い付けば満点を狙いやすい科目なので、得意であれば積極的に選択してください。
得意な人しか選択していないからかもしれませんが、過去のデータでの正答率も高いです。
また時世を反映してか、最近は機械学習分野の出題が多いので、この分野の知識があると有利です。
(私も最初は捨てるつもりでしたが、本番でK-Meansが出ているのを見て急遽回答しました)
対象者 | おすすめ度 |
---|---|
理系 | ○(過去問を解いて判断) |
文系 | × |
問4 システムアーキテクチャ
解決すべき課題・要件と、課題解決のためのシステム候補が数種類与えられ
・知識問題(近年はクラウドやIoT関係が大半)
・候補から要件を満たすシステムを選定するための、数値的根拠を示すための計算問題
に回答するパターンが多いです。
計算問題は国語力と数学力どちらも必要だが、どちらも高いレベルは求められず、素直な問題が多いこと
から、
よっぽど計算が苦手でない限りはオススメの問題だと思います。
他の記事を見てもお薦めされていることが多いです。
なお、計算問題は桁数や単位変換が多いため、計算ミスに注意してください。
途中式に単位を書くことや、筆算に慣れておきましょう。
選択する場合は、クラウドやIoTの知識を問われる事が多いので、この部分を入念に学習してください。
Qiitaでも頻繁に登場するタイムリーかつメジャーな内容が多いので、最新技術にアンテナを張っている人が有利です。
対象者 | おすすめ度 |
---|---|
理系 | ◎ |
文系 | ○ |
学習時間に余裕がある人 | ◎(IoT・クラウド関係を重点学習) |
問5 ネットワーク
IP/TCP関係の出題が多く、接続を確立するための手順やルートを答える問題が典型的です。
問6と並んで知識が問われる問題ですが、SQLがないだけ問6より覚えるべき量は少ないと思います。
過去問を見た限りは難易度差が大きく、かつ難しいかどうかが短時間で分かる問題が多いため、
ひとまず解いてみて、難しかったら飛ばすというスタンスが良いと感じました。
選択する場合、知識が大事なので過去問を解きまくることが有効だと思います。
対象者 | おすすめ度 |
---|---|
インフラエンジニア | ◎ |
その他 | ○(まず解いてみて、難しかったら飛ばす) |
問6 データベース
SQL文とER図が高頻度で出題されます。基本情報よりもマイナーな処理が出てくる印象です。
恐らく全出題の中で、最も知識と専門性が問われる問題だと思います。
普段からSQLやスキーマ設計に携わっている人であれば簡単に解けるかと思いますが、
そうでない人にとっては覚えるべきことが多く、過去のデータでの正答率も低いので、潔く捨てることをお勧めします
対象者 | おすすめ度 |
---|---|
SQLやスキーマを日常的に使う人 | ◎ |
その他 | × |
問7 組込みシステム開発
ある製品の動作フローが文章で与えられ、その動作を実現するためのプログラムを穴埋め形式で回答、というパターンが多いです。
問3と似ていますが、こちらの方が処理の流れをイメージしやすく、問3より簡単なことが多いです。
過去のデータでの正答率も高いので、理系には非常にオススメの問題です。
文系の方も、プログラムに興味がある人ならチャレンジしても良いかと思います(それほど難しくなく、かつ実践的な考え方が身に付くように感じます)
対象者 | おすすめ度 |
---|---|
理系 | ◎ |
文系 | △(プログラムに興味があれば) |
問8 情報システム開発
あるアプリケーションの動作フローが文章で与えられ、このフローを実現するための設計資料を穴埋めする形式の出題が多いです。
問7と似ていますが、問7がプログラムやフローチャート等の細かい処理を答える出題であるのに対し、問8はより抽象的な設計内容を回答するものが多く、国語力が求められます。
何かしらのアプリ開発の経験、特に設計の経験がある人が有利だと思いますが、
状態遷移、画面設計、アジャイル開発など、出題のバリエーションが広く対策を絞りにくく、
過去のデータで正答率が低い設問でもあるので、
開発未経験者にはおすすめできない分野だと思います。
対象者 | おすすめ度 |
---|---|
アプリ開発経験あり | ○(設計経験者が有利) |
アプリ開発経験なし | × |
問9 プロジェクトマネジメント
ある開発プロジェクトの置かれた状況とチーム構成が文章で与えられ、
・前半:リスク回避やインシンデント対応の施策を回答する記述問題
・後半:コストや工数の見積もりを算出する計算問題
が典型的なパターンです。
問4と似ていますが、こちらの方が情報量が多く難しいと個人的には感じました。
理由は、問題文が長いことや、前半と後半の関連性が薄く頭を切り替えないといけないので、とにかく時間が掛かることです。
巷では「国語問題」と良く言われていますが、計算もそれほど簡単ではないです。
過去問を解いた感触では回に難易度差も大きく、かつ難しいかどうかを判断するのにも時間が掛かるので、
追い込まれた人がこの問題を解くのはリスキーでお薦めできません
ネットでも捨てることを推奨している記事が多かったです。
対象者 | おすすめ度 |
---|---|
すべての人※ | × |
※ネットを見ると「プロマネ問題が得意」という人も一定数いるので、一度過去問を解いてから判断してください |
問10 サービスマネジメント
システムの開発・運用・顧客の連携体制が文章として与えられ、インシデント発生時の対応者・対応策を回答する、というパターンが多いです。
IT業界で働く人には身近かつ重要な話題ですが、そうでない人にはちんぷんかんぷんな用語も多く、
全設問で最も業界経験がモノを言う分野だと思います。
過去のデータでの正答率はかなり低いので、非計算問題だからと安易に選択しない方が良いかと思います。
選択する場合は、ITILとSLAの知識を問われる事が多いので、この部分を入念に学習してください
対象者 | おすすめ度 |
---|---|
IT業界経験が長い人 | ○ |
その他 | × |
問11 システム監査
システムの運用オペレーションに関して、監査の予備調査、手続、結果が文章として与えられ、要改善部分を指摘する、という問題形式が多いです。
文章をよく読むと、会社組織の業務フローに慣れた人なら「ん?」と思うような記述が散見され、この部分がそのまま要改善事項として回答となることが多いです。
(「ダブルチェックが機能していない」「手入力による抜け道」等が典型例)
**「国語力」と「社会人経験」**が問われる設問だと思います。
対象者 | おすすめ度 |
---|---|
社会人経験が長い文系 | ◎ |
社会人経験が長い理系 | ○ |
その他 | × |
※経験業務による有利不利について
「数学・プログラミングが得意か」「ストラテジが得意か」の観点で語られることが多いですが、
上の表を見て頂ければわかる通り、前者は問3,7、後者は問2のみと、出題数としては少ないです。
実際はチームでのシステム開発に携わった経験が活きる出題(問4,8,9,10,11)が大きなウェイトを占めており、文系理系の差よりも、IT分野での業務経験が大きいと感じました。
また、「応用」情報と銘打っているだけあって、資格試験の中でも単語の暗記よりも実践的な知識が求められる傾向が強い試験だと感じました。
(同じくらいの難易度と言われている「エネルギー管理士(熱)」は、テキストの内容や計算式を覚えていれば回答できる問題が多かったです)
「業界未経験でもいける!」と書かれている記事もありますが、**「IT業界経験がないと不利になる」**ことは間違いないので、学習時間を考える際の参考にしてください。
⑥午後問題テキスト
テキストで午後問題対策します。
私は午後向けテキストは読んでいませんが、本記事の参考サイトを始め、多くの記事で午後向けテキストの活用が薦められているので、みっちり読んで対策するのが良いかと思います。
⑦過去問午後2~3回目
時間を計って過去問を解きます。
時間が終了して採点したら、⑤で候補にしていたが解かなかった問題も、一通り解いてみます。
⑤で選んだ候補問題がしっくり来ない場合は、このタイミングで入れ替えても良いかと思います。
⑧過去問午前2~8回目
午後問題ばかりやっていると集中の維持が難しくなっているので、
いったん午前問題の過去問に移ります。
**直近2回の問題は出ない事が多い**そうなので、3~9回前の問題を解くのが良いかと思います。
間違えた問題のうちテキストに載っていないものは、このタイミングで覚えてしまった方が良いので、解説までしっかり読むのが良いかと思います。
⑨過去問午後4~5回目
時間を計って本番のつもりで解きます。
このタイミングで時間に余裕があれば、6回目以降の過去問を解いたり、重点的に学習したい設問(特にセキュリティ)の過去問をさらに遡って解くと良いかと思います。
⑩テキスト復習
試験前日は短期記憶をフル活用できるので、テキストの復習や重視したい分野の過去問などを解き、とにかく暗記しまくります。
暗記することで自信も身に付き、落ち着いて本番を迎えられるかと思います。
⑪試験に向けた心得
ここまでで学習に関しては準備万端かと思いますので、当日実力を発揮するために大事だと感じた心得を記載します
前日まで
・受験票に貼る写真を準備
→ 貼り忘れると受けられません
・筆箱準備
→ シャーペンや鉛筆は折れるので、複数本準備しましょう。消しゴムも忘れぬよう
・アナログ腕時計準備
→ 会場に時計がないことも多いです
・会場までの交通手段調査
→ ギリギリに調べると予期せぬ事態が起きた時に対処できません
試験本番での心得(午前)
・途中でトイレに行けるか&トイレの場所確認
→150分の長丁場なので、行きたくなる可能性があります。
・わからないときは英語の意味から推測する
→英単語そのままの意味であることが多いです。("D"はデータ、"S"はセキュリティorサービスの略が多い)
・合格を確信したら、迷わず途中退出
→午後の方が難しいので、午後に向けて準備
・終了前に受験者番号とマークミス確認
→ここでミスしたら全てがパーです
試験本番での心得(午後)
・難易度の高低が判断しやすい問題から解く
→ 問5、4、7、6あたりが該当。問9~11は問題文の読解に時間が掛かるので後回し
・計算は丁寧に
→ 特に問4は計算ミスしやすいので注意。途中式に単位を書くとミスが減るのでおすすめ
・プログラミング系の問題は、類似したfor文やif文に着目
→ 問3, 7が該当。例えばfor(sを1からNまで増やす)の中に空欄があるとき、他のfor(s)に着目すると答えが隠れていることが多い
・国語力系の問題は、深読みしすぎない
→ 記述問題は問題文中の表現そのまま、あるいは少し変えた程度の回答であることが多いです。クリエイティブな回答に走らないようにしましょう
・問10、11は、過去の経験と問題文を照らし合わせて考える
→ 業務経験が活きる設問なので、問題文の内容が過去の経験と比してしっくりこない場合は、捨てることも考える
・終了前に、選択した問題がマークされているか確認
→マークし忘れたら全てが水泡に帰します
終わりに
当たり前ですが、追い込まれるまで頑張らないのは社会人として良くないスタンスですし、
ギリギリのラインを攻めるのは精神的負荷が高いです(笑)
確実に合格を掴むためには、余裕を持った学習計画を立てましょう!
ここに挙げたスケジュールを2倍に拡張すれば、多くの人にとって十分かと思います。
参考にさせて頂いた記事
https://qiita.com/pio2/items/e7ad02b1154470e526ba
https://qiita.com/kayabon/items/3dc1670f0a44b1f4927d
https://qiita.com/drken/items/42e54d5c43d4d7815ed4
https://tips-memo.com/ap-afternoon
https://bibinbaleo.hatenablog.com/entry/2018/10/08/122418
http://blog.katekyonet.com/?eid=78