海外駐在(ベトナム・ハノイ)をしてみて
はじめに
SRA Advent Calendar 2025の12日目です。
NAL VIETNAMへ出向中の南部です。もうすぐ49歳です。
2025年4月からベトナム・ハノイの駐在員になって12月で早8ヶ月。
すっかり馴染んでベトナム人に見えるのか、最近は日本人からもベトナム人からも日本語がすごく上手いと褒められるようになりました。
技術や仕事の内容ではないのですが、駐在員としてベトナム・ハノイに来て感じたこと、生活などを紹介出来ればと思います。
ベトナムと日本の違い(人・文化・環境面)
いい面
- とにかく親切
- ベトナム語が出来ないので、お店でもどこでも翻訳アプリでの会話になりますが、みんな嫌な顔せずちゃんと対応してくれます。
- ベトナムに馴染めるようにいろいろと誘ってくれる
会社の会ったことのない人の結婚式にも参加しました。
- いつも楽しそう
いつも不思議なのですが、初対面の人同士もあたかも知り合いかのように会話します。
そのせいか、ベトナム航空の飛行機の中はみんな知り合いなの!?という状態になってます。 - はっきりと意見をいう
- 無駄なことは嫌い。思考が合理的
例えば、日本では後からわかるように、何か問題があった時のためになぜやらないと判断したのか、やらない理由を細かく記載したりしますが、どうせやらないなら細かく記載する必要はないのでは?と言われたりします。
やらないことに時間をかけるよりもやることに時間をかけたほうがいいと考えるみたいです。
悪い面
-
プライドが高いのか自分のミスを認めない
-
原因分析が苦手
この2つにはなかなか苦労しています。
とにかく家族ファースト
- 夕食は家族と一緒に食べるらしく、基本的には残業しないです。
基本的に18:30までにはほとんどの人は帰ります。
自分がミスしようが関係ないです。
残業よりも朝早い出社の方がいいみたいです。
とはいえ、お願いすると残業してくれますが、一度家に帰って家の用事を済ませて、また出社して対応することになったりします。
そんな雰囲気なので、日本では22時が定時だった私も、こっちに来てからは22時まで残ることはあまりありません。
ベトナム・ハノイの暮らし
とにかくベトナム語が難しい
- ベトナム人に言わせると、ひらがな、カタカナ、漢字がある日本語の方が難しいみたいですが、Oに似た発音だけで18種類あったりとベトナム語は難しいです。
母音3種(o / ô / ơ)×声調6種
ベトナム語レッスンを開始して1年になりますが、まだ基本文型が少しわかるようになっただけで、覚えている単語も少ないですし、長文となると全然わからず苦戦しています。
仕事は、日本語が出来る人たちとしているので問題ないのが救いです。
衣食住
食
-
ベトナム料理
なんでも美味しいです。
私は香草が大丈夫で、嫌いなものがないですし、味覚音痴なせいか、なんでも美味しいです。
昼食も夕食もローカルな場所で食べれば200−300円ぐらいで済みます。
ビールも安いところなら100円以下で飲めたりします。少し薄いですが。
とはいえ、やはり日本食が恋しくなるので、日本人街によく食べに行っています。
日本人街では少し高め(=日本と変わらない値段)にはなりますが、大抵の日本食は食べられます。美味しいところもたくさんありますし。逆にラーメンは日本全国のものが食べられるのでお得かもしれません。ベトナム独自のラーメンもありますし。



ブン チャー
/bún chảブン クオン
/bún cuốnコン ザン ズー ボー
/cơm rang dưa bòバイン ミー
/bánh mì
衣住
-
基本的には物価は安いです。
無印良品、ユニクロなど日本でお馴染みのお店もあり、日本のものも手に入りますが高いです。 -
基本的に気温は温暖で過ごしやすいです。
夏は40℃を超える日がありますが、今年は日本の夏の方が暑かったと思います。
冬はたまに寒くなる時がありますが、日本ほど寒くはならないみたいです。 -
洪水になることがある
こっちにきてびっくりしたのですが、台風が来た場合など大雨が降ると、道路の排水能力が弱いせいか、道が膝ぐらいまでの洪水になります。

例年は1−2回ぐらいだそうですが、今年はすでに3回ありました。 -
体調不良
風邪、発熱、食あたりといろいろと経験しました。
会社が入ってくれている障害保険のサービスを使えば日本人のクリニックや、通訳の同伴など調整してくれますが、それはそれで面倒なので、薬局で済ませています。
日本では処方箋がいるレベルの薬をベトナムでは薬局で買えたりします。
翻訳アプリで症状を伝えると薬を用意してくれます。容量、用法も翻訳アプリで説明してくれるのでなんとかなってます。
パスポート紛失にご注意を
出張でホーチミンに行った際、調子に乗りすぎてパスポートを紛失しました。
同時にレジデンスカードも紛失したため、海外で通用する身分証明がなくなるという事態になってしまいました。
そのため、ベトナム国内線であれ、飛行機にも乗れずちょっと大変でした。
同じ境遇になった人の参考になるかもしれないので、少し書いておきます。
紛失に気づいた際、普通、やることは以下になります。
- 公安(警察)に行く
紛失届を作成してもらうために公安に行きます。
本人が紛失した状況を日本語で記載し、翻訳してもらう必要があるので通訳が出来る人と一緒に行く必要があります。 - 大使館、領事館に行く
出張、観光などで来ていて日本に帰国するだけの場合は、渡航書を発行してもらえれば飛行機にも乗れますし、帰国まで有効なビザが発行されます。そして、帰国後、パスポートの再申請することになります。
通常は上記で問題ないのですが、駐在員である私は、国内便でハノイに帰るだけで日本に帰国しないため、渡航書の発行が出来ませんでした。
国内線に乗るとしても外国人は、顔写真付きの証明書が必要で、パスポートではなくてもレジデンスカードがあれば飛行機には乗れたのですが、レジデンスカードも一緒に無くしたので、顔写真付き身分証明書がなく、飛行機に乗れませんでした。
在ベトナム日本領事館の係の人からは公安で顔写真付き紛失届をもらえれば飛行機には乗れると教わり、公安に行きましたが、顔写真付きの紛失届はないと言われ、逆に領事館で身分証明となるものの発行してもらえと言われ、再び領事館に聞くとそんなものはないとなり、行き詰まってしまいました。
飛行機には乗れなさそうなため、鉄道での移動も検討しましたが、パスポートが必要とのことで断念。
バスでホーチミンからハノイまで帰ることになりました。
35時間、2泊3日の旅です。
バックパッカーもいないためか英語も通じず、外国人0のローカルの人しかない状況で、アプリで会話しながらの旅でした。
畳1畳分のカプセルホテルみたいな部屋で大人2名が過ごすというなかなかな状況でした。
2名部屋では仰向きにもなれずあまりにも辛かったので、追加料金を支払い個室にしてもらいました。それで、なんとか過ごすことができたって感じです。
Wifiがあったのでずっと動画を見ながらで下車していませんが、北から南までベトナム主要都市を制覇出来ました。
途中のSAの休憩で食事が出てきたので食べたら、追加料金を取られるなどアクシデントはありましたが、無事帰って来られました。
ハノイに戻ってきたので、パスポートの申請するために在ベトナム日本大使館へ行きます。
大使館に入る際、パスポートの提示を求められますが、無くしたパスポートの写真で入れました。
そのため、パスポートの写真を撮っておくことをオススメします。
また、パスポートの申請には、戸籍藤本が必要なのですが、マイナンバーカードがあれば、マイナポータルで戸籍電子証明書提供用識別符号を取得すれば戸籍謄本が不要になるので、駐在員になる際にはマイナンバーカードを作成しておくことをオススメします。
これで一安心なのですが、パスポートが出来るまでの2−3週間、自分を証明するものがない状態で不法滞在者みたいになり、なかなか不安ではありました。(別に悪いことはしてないけど。。。)
さいごに
たった8ヶ月の駐在で、ホーチミンからハノイまでバスで移動するなどベトナム人でもしたことがないと言われることまで経験してしまいましたが、元気にやっています。
日本から人が来ると、この上なくうれしいので、どんどんオフショアしてハノイに来て欲しいです。


