「脳と計算機 (著ジョン・フォン・ノイマン)」まとめ
本を読んだのでそのまとめ。
特に脳と計算機について比較があったのでそれを表にしたかった。
本では具体的な数字があったが、当時(1950年代)と現在ではコンピュータの性能に相当の違いがあるので定性的なもののみをまとめる
本の簡単な感想
本を通して、
計算機は直列方式で精度が高く、速度の速い計算、
脳は並列方式で精度は10^3程度で、速度も1ms程度のオーダーの計算
をするということが強調されていた。
これは現代の人工知能がGPUを用いて並列計算を多く用いていることを考えるととても興味深い考察に思える。
脳と計算機の比較
計算機 | 脳 | |
---|---|---|
計算方式 | 直列(スパコンやGPUは並列) | 並列 |
速度 | 速い | 遅い |
数 | 少ない(現在は人間の脳には及ばないが、ラットの脳くらいの数はある) | 多い |
省エネ性 | 低い | 高い |
同期性 | 同期が必須 | ゆとりがある |
論理的な安全性 | ソフトウェア的に保守しないと1つのエラーが致命的 | 周波数を使用するため1つのエラーの影響は小さい |
計算機はその直列式ゆえ、算術的深度、論理的深度が深い問題を解くことができるが、エラーが増幅してしまうため、精度がかなり必要。
一方、脳波そのような深度の深い問題は解けないが、深度が浅いためエラーが増幅しにくく、精度はそこまで必要ではない。
(1つの神経細胞がだせる周波数の幅が5~220程度(当時わかっていた範囲)であることから、脳の1つの神経細胞での計算精度は10^3以下と見積もっていた。)