初めに
本記事にアクセスいただき、誠にありがとうございます。
2019年にN Code Laboというプログラミングスクールを立ち上げ、現在責任者を務めている佐藤と申します。
N Code Laboを立ち上げてからの6年間はコロナ禍を挟んだ事もあり、社会情勢・技術トレンドが大きく変わった時期です。
技術トレンドが変わる度に、保護者様がプログラミングスクールに求める内容も変わっています。簡単に並べると以下の様な形です。大体3年周期で変わっていくのかも?
| 時期 | 流行っている技術 | 保護者様の要望 |
|---|---|---|
| 2019年頃まで | 機械学習(ML)・VR | 機械学習が出来るレベルを身につけてほしい。 VRアプリを作れる様になってほしい。 |
| 2020年から2022年まで | メタバース | リモートワークで働ける様な能力を身につけてほしい。 メタバースに関われるエンジニアを目指してほしい |
| 2023年から現在まで | 生成AI | 生成AIを使いこなしてほしい。 |
2019年当時と比べて明確に「減っているな」と感じるニーズはスマホアプリとフィンテックを始めとするXTech領域です。
XTech領域は社会と密接に結びつき過ぎているので、社会人にならないと扱いづらいテーマだよな・・・と思っていましたが、SDGsという素晴らしい単語が生まれて以降、大体のXTechはSDGsの世界に包括された印象を受けます。フィンテック領域を例にすると、ブーム後半にはオリジナル通貨の発行をする生徒が多く、ちょっと危ない領域に踏み込む可能性があるかも?とハラハラしていましたが、SDGsの登場以降貧困をなくそうという美しいテーマに切り替わり、安心して見ていられる様になりました。
スマホアプリの開発需要の低下は個人的に意外ではあったのですが、面白いアプリが飽和状態であり、作りたいと感じるモチベーション・隙間がないのかな?と分析しています。
さて、ここから本題です。
プログラミングスクールが取り扱うプログラミングという世界は非常に移り変わりの激しい世界です。
そのため、スクールで学んだ事が将来役に立つかどうか?の保証が学習塾よりも出来ないという課題があります。
※今社会人1年目の23歳の方が、10年前の2015年にスマホアプリ開発の仕方をプログラミングスクールで習っていたとしても、社会に出て習った知識(コード)はそこまで使えていないと思います。
上記の様に書いてしまうと、プログラミングスクールに通うよりも学習塾に通った方が良いかも・・・と思われるかもしれません。
ですが私個人としては、プログラミングスクール事業は社会的に意義のある事業であるため、どんどん成長していくべきであると感じています。
その理由を以下に記載します。
プログラミングスクールの存在意義
その1:モノづくりに対しての解像度を上げ、AI時代に必要となるスキルを理解する事が出来る
藤井聡太さんが「今年ハマったもの」を問われた際に、「バイブコーディング」と答えたというニュースが話題に上がりました。
バイブコーディングとは、開発者がコードを書くことなく、自然言語(人間が使う言葉)でAIに指示を出すことでアプリケーションやシステムを構築する開発手法です。
以下がChatGPTに、大学合格に向けてサポートするアプリが欲しいと依頼をした例です。
いかがでしょうか?バイブコーディングを試してみたくなった方もいるのではないでしょうか?
実際にやってみると分かるのですが、バイブコーディングを試してみた場合レベル帯ごとに以下の課題・悩みを抱えるケースが多いです。
| レベル帯 | 悩み |
|---|---|
| プログラミング未経験 | XCodeの使い方が分からないため、サンプルコードを動かすことが出来ない。 |
| 環境構築レベルの知識がある方 | 各コードに何が書いてあるのかを正確に理解出来ないため、微修正したい箇所があってもどこから手をつけて良いか分からない。 |
| 経験者の方 | 設計上の問題がないか?より良くするためにはどう手を加えれば良いか議論をしたいが、議論が出来る経験者が周りにいない。 |
生成AIがコードを作ってくれるから、プログラミングの勉強は必要なくなる。
という考えは、
インターネット上に料理のレシピがあるから、料理経験がなくても美味しい料理が作れる。
に近いと感じます。レシピを活かすためにはきちんと練習をしなければいけませんし、レシピに専門用語があると躓いてしまいます。プログラミングと料理は共通点が多いかもしれません。
この例で伝えたい事は、どんなに情報が増えようとも、道具が進化しようとも、実際に作る経験を積むことは必要不可欠であるという事です。
プログラミングスクールに通えば、独学より質の高い開発体験を味わう事が出来、かつモノづくり経験のあるプロからのレクチャーを受ける事が出来ます。
・自宅でAIを使って楽しく物作りをしているけれど、もっと深く知りたい。
・AIを使って様々な作業が自動化出来ることを知ったから、もっとパソコンの操作に詳しくなりたい。
上記の様な考え方の人が増えると日本人の技術力はどんどん高まり、それに比例してプログラミングスクールの存在意義もどんどん高まっていくと考えています。
その2:好きな事に没頭したい方に向けたコミュニティとして価値がある
N Code Laboの無料体験授業へお越しいただいた保護者様に、なぜ体験授業に興味を持っていただけたのか?の理由を聞くと「私はプログラミングが全然分からないから、子供には勉強してもらいたい」と回答される方が多くいらっしゃいます。
保護者様のプログラミング経験の有無と子供が持つプログラミングの才能は特に関係ないと感じます。
ですが、プログラミング経験のある保護者様の場合、技術コミュニティを子供に案内するのが非常に上手である場合が多いです。業界に詳しい保護者様を持つ子供の方が良い情報を得て、成長するケースは存在すると感じます。
※情報格差を埋めることは習い事事業において非常に大事な価値観であるため、我々N Code Laboは良い情報をご提供し続けたいです。
将来プログラミングを仕事にしたいと考えた場合、同じ様な考えを持つ仲間と学んだ方が良いです。
プログラミングスクールが増える事で、プログラミングを学びたいと考える方同士のコミュニティも増えます。技術を知るだけであれば、技術書や生成AIを使えば事足ります。
自分のモチベーションを保つ開発コミュニティとして、今後もプログラミングスクールは発展していくべきだと考えています。
中の人の想い
ここから下は中の人の想いです。所属する組織を代表する物ではありません。
その1:初心者向けプログラミングスクールは充実しているが、中級以上を教えてくれるスクールが少ない
日本にはプログラミングスクールが2023年時点で11,127教室あるようです。

最近は学童保育園の一コンテンツとしてプログラミングを学べる所も増えていますので、数自体は増えていると思います。プログラミング教育業界で働く者として、教室数が増えるという事は非常に喜ばしい事です。
ですが、あくまで体感ですが、増えているのはロボット・Scratchを始めとする小学生を対象とする教室ばかりであり、実際に進路を考え始める中学生・高校生向けの教室はあまり増えていないのではないか?と感じます。
※中学生・高校生向けはオンライン形態の塾がメインであり、教室が増えていないという可能性はあります。
日本語で書かれている技術書のラインナップを見ても、初心者向けの書籍や社会人向けの書籍が多く、ちょうどこの間を埋める中級者向けの書籍は数が少ない様に感じます。
ロボット・プログラミング、マインクラフトで物作りに興味を持った方に対し、より仕事に直結する実践的な技術を伝えたいという想いの元、我々N Code Laboは日々努力をしています。
その2:AIの発達により、学校で学ぶべき内容が大きく変わりそう
生成AIの普及により、書類選考を廃止する動きが一部見られます。
読む方によって様々な感想を抱かれると思います。僕は、「学校に求められることは学べる事より出来る事になりそう」という感想を抱きました。
例えばエンジニア採用では、文章自体は同じ様なテイストでも「これまで作ってきた作品」をアピールしていただければ問題ありません。十分に差別化出来ます。
AIの性能が良くなるほど、自分独自の視点でモノづくりをし、課題を解決した・価値を提供した経験が評価されるようになる可能性が高いです。
また、AI時代への適応力を上げるために高校数学のカリキュラムを再編するというニュースもあります。
この流れが進んでいくと、学校教育はAIが前提の社会に適応するためのカリキュラムとなり、プログラミングスクールは学校で学んだことを試す場として機能する可能性があると感じます。
極端な考えですが、学校や学習塾で理論を学び、プログラミングスクールで実践をするという流れも今後起こりうるのではないか?と感じます。
最後に
N Code Laboには非常に優秀な先生が多く在籍しています。全ては紹介しきれないため、同じAdvent Calendarに参加してくれている高津先生の記事と、今年未踏に採択された高橋先生のインタビューのリンクを貼ります。
僕がエンジニアになろうかなと考え始めた20年前と比べると、エンジニアという職業が担当していることの幅が爆発的に増えたなと感じます。
ファミリーレストランにある様な猫型配膳ロボットが料理配達をエンジニアの仕事にしていますし、無人運転の技術が運転手の仕事をエンジニアの仕事にしようとしています。
今後もこの傾向は続くと思いますし、便利になればなるほど最新の技術を扱えるエンジニアの需要が増し、人数が足りなくなります。
N Code Laboで学び、プログラミングの楽しさに気づき、将来仕事にしたいと考えてもらえる事ほど嬉しいことはありません。もし詳細を知りたい方は、以下のリンクから無料オンライン説明会・無料体験授業をご予約ください。
以上です、2026年もよろしくお願い致します!!



