これは MIERUNE Advent Calendar 2025 の21日目の記事です。
昨日は @xinmiao1995 さんによる Martin + AWS Lambda + AWS CDK でホスティングしてみる でした。
はじめに
GISを教える上で避けて通れないのが「座標系」です。ITRF、WGS 84、日本測地系2011、EPSG:6676…こうした専門用語が並ぶと、ちょっと難しく感じるでしょう。そのためこの記事では、初心者でも「座標系」を理解できるようにやさしく説明します。
簡略化のため実際とは異なる部分があるかもしれませんが、この記事の目的は座標系を明確にイメージできるようにすることです。
座標系を理解するには、まず「座標」を知ろう
まずは「座標」とは何か、もっとも簡単なところから見ていきましょう。
「海戦ゲーム」で考えてみよう
「海戦ゲーム」を思い浮かべてください。敵の船がどこにあるか、マス目の位置を当てるゲームです。
たとえば「(2, 5)!」と言うと、左下から横に2マス、縦に5マス進んだ場所を確認します。
つまり、原点があって、そこから「横の線(X軸)」と「縦の線(Y軸)」で位置を表すのが座標の基本です。
地図での座標
次に地図上で好きな場所に原点を置きます。そこからXY軸を決めて、長さの単位(メートルや度)を設定します。これで「座標系」の完成です。
実際は、世界には数千もの座標系が存在しています。
地理座標系としての「緯度経度」
次に、地球儀を使って考えてみましょう。地球儀上に、原点とXY軸を設定します。
例えば、原点はアフリカのガーナ沖の海上に置きます。X軸は赤道に沿って東西に伸び、Y軸はロンドンを通って北極へ向かう線とします。
ここで単位を「度(Degree)」に設定すると、GPSなどでよく見かける「緯度経度」の完成です。
この座標は、実は角度を使って場所を表しています。「原点」-「地球の中心」-「目的地点」を線で結んだときにできる角度のことです。横方向(X軸)の角度が経度、縦方向(Y軸)の角度が緯度になります。
例えば、東京の座標は次のようになります:緯度35.69°、経度139.69°
このような座標で位置を表す方法を「地理座標系」と呼びます。よく使われるのはWGS 84という座標系です。
座標系は「世界の見方」
地理学とは、地球の一部を地図として表現する技術です。なぜ複数の表現方法が存在するのかを見ていきましょう。
投影:球体を平らな紙に表す方法
地球儀の表面を覆っている紙を剥がして、机の上に平らに広げてみようとしてください。紙がどこか破れたり、しわが寄ったりしてしまいますよね。
つまり、丸い地球を平らな紙に描くには、どこかを伸ばしたり縮めたりする必要があります。この作業を「投影」と呼びます。
最も有名な例が「メルカトル図法」です。この地図では、極地に近いほど実際より大きく表示されます。たとえば、グリーンランドは巨大に見えますが、実際の南北の長さは日本列島とほぼ同じです。
投影法にはいろいろな種類がある
メルカトルは一例です。地球をどう平面にするかには、たくさんの方法があります。
角度を正確にしたいのか、面積を正確にしたいのか、距離を優先したいのか、それとも特定の地域を見やすくしたいのか。この「歪ませ方の違い」が、それぞれ異なる座標系を作っているのです。
まとめると、座標系とは「原点を決めて、X軸とY軸を使って世界を表現する方法」の類推です。
では、なぜGISに座標系が必要なのでしょうか?
ここまで座標系の仕組みを説明してきましたけど、実際にGISで座標系はどんな役に立つのでしょうか?
地図の見た目を決めるため
地図をどんな形で表示するかを決めるために座標系が必要です。メルカトル図法や南極中心の座標系など、目的に応じて選ぶことができます。
GISデータを正しい位置に表示するため
GISデータには、点・線・面といった形があり、その位置は座標の数値で記録されています。
しかし、その数値が「どの座標系で書かれているか」がわからないと、正しく表示できません。
そこで、データには「この座標系を使っています」という情報が付いています。GISソフトはそれを読み取って、正しい位置に表示してくれるのです。
面積や距離などの計算を正しく行うため
座標系が違うと、計算の結果も変わってしまいます。たとえば、緯度経度(地理座標系)で記録されている地点から10km半径のバッファを作成すると、結果は10kmではなく、経度緯度で10度の距離として作成されてしまいます。
また、メルカトル図法では、北や南に行くほど面積が大きく表示されるため、正しい面積が計算できません。正確に計算したい場合は、面積を正しく表す座標系(正積図法など)に変換してから計算しましょう。
おわりに
この記事では、初心者向けの座標系の紹介でした。「座標系ってこんな感じか」とイメージできれば、以下のような詳しい記事も読みやすくなります。
データ出典
明日は @satoshi7190 さんによる記事です!お楽しみにー!








