はじめに
TiDB LabsはTiDBの公式セルフラーニングサイトです。
今年の4月にリリースされ、以前ポストしたことがあります。半年の間に随分機能強化されました。
これからTiDBを始める方にも、すでにTiDBを利用している方にもTiDB Labsはオススメです。この記事では改めてTiDB Labsと、おすすめのコースを紹介していきたいと思います。
TiDB Labsとは
TiDB Labsは、TiDBのサンドボックス環境をクラウド上に構築し、その上でTiDBを使ったシナリオに沿ってトレーニングを行うことができるものです。同様のサービスにGoogle Cloud Skills Boost (旧Quick Labs)があります。AWSやGoogle Cloudのトレーニングで経験のある方も多いかもしれません。
TiDB Labsの特徴は下記の通りです。
- 自分で環境構築をしなくとも、TIDBクラスタを構築して 試すことができる
- TiDBの アップグレードや障害 といった、マネージド・サービスでは難しいシナリオも試すことができる
- TiDB Cloudのアカウントで シングルサインオン できる
- Webコンソールを使うことで ブラウザだけ でもトレーニングできる
早速、使い方を見ていきましょう。
TiDB Labsへのログイン
こちらにインタラクティブデモを用意しました(gifの下にあるリンクをクリックしてください)
ログインにはTiDB Cloudアカウントを利用します。TiDB LabsのサインインをクリックするとTiDB Cloudのログイン画面に飛ぶので、そこでTiDB Cloudの認証情報を入力してログインすれば完了です。
TiDB Labsの利用方法
クレジット
TiDB Labsの利用には、演習ごとにクレジットが必要になります。初めてサインアップすると、2025年12月現在5クレジットが付与されます。足らない場合は、クレジットカードなどで購入できます。
上記のリンクに記載がありますが、LinkedInのTiDBコミュニティに参加すると20クレジットがもらえます。
また、日本の TiDBユーザーグループ「TiUG」 でも、定期的にハンズオントレーニングを実施しています。このハンズオンではいくつかのコースが無料で提供されます。このような機会を是非活用してください!
クレジットは画面右上のユーザー名をクリックすると開くメニューから確認できます。
演習の選択 〜 開始まで
では、演習を選んで実際に始めるまでのステップを見ていきましょう。
TiDB Labsにログインして、「演習を開始する」ボタンをクリックすると、上の図のような画面になります。ここから好きな演習を開始することになります。
左側にあるメニューから、レベルや製品を選択して適したコースに絞り込めます。
演習にはそれぞれ必要なクレジット数が記載されています。
演習を開始するには、まずクレジットを引き換える必要があります。下記のボタンからクレジットを引き換えます。
引き換えると、ボタンが「開始」に変わります。これをクリックすると、演習環境の構築が開始されます。環境はAWS上に用意されます。リージョンも自分に近いもの(東京)を選んでください。
開始を押すと環境構築が始まります。
演習の実施
環境準備ができたら演習開始できます。多くの演習ではEC2上の踏み台サーバを利用します。そのため、まずは踏み台サーバにSSHでログインする必要があります。
画面左のボタンからWebSSHを起動してください。ポップアップでSSHの画面が開きます。
あとはガイダンスに従って進めていくだけです。画面右のモジュールの章立てから直接ジャンプもできますし、画面下部の「次のモジュール」を押して進むこともできます。
演習ガイド中のコマンド例の中には、「AIで説明」というボタンがあります。
このボタンは書いてあるコマンドをAIが解説してくれるものです。見たことのないコマンドだったり、何をするかわからなかったりした場合は積極的に利用してみてください。
演習の終了
演習が終わったら、画面左のボタンで演習を終了します。
演習には2時間の時間制限があり、これを超えると環境がシャットダウンされてやり直しになるので注意してください。
おすすめのコース
ここでは、TiDB Labsの入門コースの中からオススメを紹介していきます。
TiDB Cloud 入門(1クレジット)
TiDB Cloud Starterを使った入門コースです。TiDBをmysqlクライアントから利用したり、pythonから接続して利用したりする演習です。TiDBのHTAP機能を使ったクエリの高速化なども体験できます。
TiDB Cloud powered by TiDB X 入門(1クレジット)
最新のコースです!このコースでは自分のTiDB Cloud Starterクラスタを利用して、MySQL互換のTiDBの機能から、ベクトルデータベース、ブランチ機能といったStarter固有の機能まで試すことができます。
残念ながら一部の機能は日本リージョンでは提供されていないので海外リージョンしか選択できませんが、是非試してみてください。
アベイラビリティゾーン障害時ダウンタイムなし(3クレジット)
TiDBはAZを跨いで構成することができ、AZ障害時にもクラスタは停止せず動作し続けます!この演習ではクラウドのファイヤーウォール機能を用いてAZ障害を擬似的に発生させ、TiDBクラスタの挙動を確認できます。
また、日本のユーザーのみの特典もあります!是非概要ページを開いてみてください。
アップグレード時ダウンタイムなし(5クレジット)
TiDBはローリングアップデートが可能で、アップデート中もクラスタを動かし続けることができます。この演習では実際にTiDBをアップグレードし、その間にアプリケーションの接続がどうなるのかを観察します。
日本のユーザーのみの特典もあります!
おわりに
TiDB Labsは環境の準備の手間もなく、TiDB Cloudのマネージドサービスでは困難なシナリオもSelf-Managed(OSS)版を利用してシミュレートすることができます。
上級コースではパフォーマンスチューニングや、周辺ツールの解説などもありますので、是非皆様のスキルアップに活用ください。
企業内でハンズオンをやってみたい、チームでのTiDBトレーニングに活用したいなどありましたら、お気軽に X:@bohnen もしくは担当営業までご連絡ください!






