先日開催されたfreeeの「freeeの全社キックオフを視覚障害のある人に向けて音声解説した裏側とは?」に参加しました。
https://freee.connpass.com/event/363904/
この記事では、イベントで聴いた音声解説のリアルについて、見えてきたアクセシビリティの未来についてお伝えしたいと思います。
イベント概要
音声解説を通じて視覚障害のある方の体験価値を考える
freeeでは毎年7月にキックオフとして全社オフサイトを行っています。 名前は「freee spirit」略して「フリスピ」。 今年も1700名規模の社員が集まって開催されました。
例年全社員が一同に会して開催していますが、イベントの開始にあたっても 様々なアクセシビリティの向上に取り組んでいます。
それは、freeeは「だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォーム」というビジョンを掲げており、 全ての人がfreeeのサービスを使える必要があると考えているためです。
今回はその中でも視覚障害のある方へのアクセシビリティ対応に焦点を当てたイベントです。 例年、当日プレゼンされる資料の文字起こしデータを事前に配布することによって アクセシビリティ対応をしていました。
しかし、リアルタイムで同じ情報を誰もが受け取れるようにするにはベストではないと考え、 今年は音声解説をすることによって 視覚障害のある方によりfreeeのカルチャーが伝わるようなイベントにしました。
今回は当日解説者を担当していただいた方に当日同様の音声解説の実演をしていただき、 ご参加される皆様にもその体験を実感していただきます。 また、当日その解説を聞いていた聞き手の方もお呼びして 実際、その解説をどのように感じたのかを率直に聞いていこうと思っています。
このイベントは音声解説のアクセシビリティ対応を通じてfreeeのカルチャーを体感していただくイベントとなっております。
https://freee.connpass.com/event/363904/
音声解説の要点
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情報提供の選択と集中:
- 音声解説は、提供できる情報量が限定されるため、客観的かつ簡潔なワードで伝えることが重要。
- 何が重要かを取捨選択し、伝えるべき内容を絞り込む必要がある。
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他の情報との連携:
- ナレーションやプレゼンターが話す内容と重複しないように、スライドの図やグラフ、誰が話しているかといった、視覚情報に特化した解説を心がける必要がある。
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場の雰囲気を伝える工夫:
- 聴衆が笑っている理由を即座に解説するなど、その場の空気感をリアルタイムに伝えることで、一体感を損なわないように工夫することが重要。
- 事前に準備しすぎず、新鮮な気持ちでアドリブを交えながら、笑いながら説明することで、面白さが伝わることがあります。
課題と考察
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情報伝達の難しさ:
- すべての人に、すべての情報を伝えるのは難しい。
- 話が伝わる人と伝わらない人がいるというギャップは、避けられない傾向がある。
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登壇者の情報提供:
- 誰が話しているのかを伝えることは重要ですが、複数の登壇者が次々に変わるような場面では、その情報提供が難しい。
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主観と表現:
- 解説者の主観が入ることは避けられませんが、それによって解説に独自の表現が生まれ、情報がより豊かに伝わることもある。
freeeは「だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォーム」というビジョンを掲げており、その延長線上に「だれもが自由にイベントに参加して理解し、そして楽しむ」ことを、カルチャーとして当然のように考えていることが感じ取れました。この取り組みを続けていただくこと、そして動画の公開などの情報発信も継続していただくことを期待したいです。