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Visual StudioとVSCodeのAgentモードを触ってみて思ったこと

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Agentモードの理解

最近、AIのAgentモードが話題になることが増えてきた。でも、自分の主戦場であるVisual Studioへの導入は、少し遅れているように感じていた。とはいえ、時間の問題だと思っていたので、「使えるようになったら試してみるか」という程度の心持ちだった。実際には、Agentモードの本当の魅力はまだ知らなかった。これは4月ごろの話。MCPサーバーにも興味を持ち始めていて、「あれ?MCPサーバーとAgentモードって何が違うんだっけ?」というような曖昧な理解しかなかった。

5月、AIと少し大きなタスクに挑戦

5月、自分にとっては少し大きめ(といっても2〜3日あれば終わるような)タスクを、AIと一緒にこなしてみようと考えていた。しかし、何度か失敗が続き、しびれを切らしてVisual Studio CodeのAgentモードを試してみることにした。ただ、自分にとってC#を書く場所はあくまでVisual Studio。VS Codeはただのテキストエディタだと思っていた。テキストエディタに自分のリソースをプッシュするくらいなら、IDEに全振りした方がいい。たぶん、そんなふうに20年くらいやってきた。「コードを書く場所はIDEであり、エディタではない」。それは自分の中では、もはや信念に近い感覚だった。

IDEからの乗り換えという葛藤

でも、AIの進化という観点から見ると、Visual Studio Codeの方がずっと先を行っているように見える。今回は「コードが書きたい」ではなく「AIと一緒にコーディングがしたい」だった。そう考えると、VS Codeを使うのが正解だったのかもしれない。とはいえ、自分の中ではこれは「宗教を変える」くらいの出来事。C#をVS Codeで書くことには、かなり強い抵抗感があった。それでも「やりたいことの趣旨が違う」と割り切って、意を決して使ってみた。

実際に使ってみた感想

Visual Studio CodeのAgentモードを初めて使ったときの感想は、「ここまでやられたら、ちっとも面白くない」 だった。AIに聞きながらコピペしていた時期は、まだ「ペアプロをしている」という実感があった。でも、Agentモードはビルドもするし、エラーも直すし、必要なコードはすべて出してくれる。「え、もう僕いらないじゃん……」というのが率直な印象だった。正直、「コードを書く楽しさが吹き飛んだ」 とすら思った。ただ見ているだけ。それが面白いはずがない。

一方で、何度かうまく作れなかった部分をAIがスッと解決してくれたのは、本当に衝撃だった。3日くらいかかると思っていたことが、ほんの数分で終わる。これが今後さらに進化すれば、1週間かかるタスクも数分に、1ヶ月かかるようなタスクも数秒で終わる未来が来るかもしれない。その未来では、「コードを書く」という、最大の楽しみがなくなってしまうのではないか——。そんな予感すらして、怖くなった。

Visual StudioのAgentモードを使ってみた

そうしているうちに、Visual Studio 17.14.0で待望のAgentモードが実装された。「ついに来た!」と思ってすぐに使ってみたけれど、正直言ってがっかりだった。思っていたような動作はしてくれない。コードの途中で会話が終わり、続きを促しても何も返ってこない。「これでどうしろと……?」というのが率直な感想だった。VS Codeと比べると、まさに月と鼈(すっぽん)。同時に使ってみても、比較にならなかった。プレビュー段階とはいえ、現時点では正直、使い物にならないと感じた。

それでも驚いたこと

今回、久々にVS Codeを本格的に使って、その進化には本当に驚いた。特に予測変換の精度がすごい。コードだけでなく、コメントすらも的確に提案してくれる。VSしか触ってこなかった自分には、「え、これもう人にコード書かせる気ないでしょ?」と思えるレベルだった。Visual Studioは最強のIDEだと思っていたけれど、それはあくまで「人間がコードを書く」前提に立っている。でも今後、「AIがコードを書く」ことが前提になるなら、VSの巨大さはむしろ足かせになるかもしれない。

今後について思うこと

今、VS拡張を作るのもかなり大変。それだけ、下回りが巨大化しすぎていると感じる。AIコーディングが中心になった未来では、今は右端に控えているアドバイザーが、IDEの中でどんどん領域を拡大していくだろう。それが「最大面積」になる頃には、IDEとして必要な要素はどんどん減っていくのかもしれない。

それでもVisual Studioが好き

何度でも言いたい。自分はVisual Studioが大好きだ。自分にとってVSは、最強のIDEであり、最高のパートナー。
プログラムを書く体験をこの上なく楽しいものにしてくれる存在だ。20年以上、ずっと支えてくれたこのツールには、感謝しかない。本気で、「自分が死んだら棺に入れてほしい」と思えるくらい。それくらい大好きだけど、それでもやっぱり今後の進化を見据えると、コードを書くツールとしては、テキストエディタで十分なのでは? と思ってしまう自分がいる。そして、テキストエディタの進化の方が圧倒的に速いとも感じている。

もちろん、これはマイクロソフトのリソース配分やAIの進化方向によって変わることだ。でも、「IDEがなくなる未来」 というものを考えると、今のうちにこの感情をどこかに残しておきたいと思って書いた。さて、どうなるだろうか。

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