はじめに
前回の記事では、
「分類なし」
という考え方について書きました。
最初は登録する。
整理はあとから。
この考え方で、登録のしづらさはかなり改善できました。
ただ、それでも何か引っかかるものがありました。
登録は以前より楽になった。
でも、
まだ利用者は少し考えている。
そんな違和感が残っていました。
「分類なし」でも止まる
「分類なし」を用意したことで、
登録までのハードルは確かに下がりました。
でも、
どこへ登録するか。
あとでどう整理するか。
利用者は少しだけ立ち止まります。
以前より良くなったのは間違いありません。
でも、
目指していたものとは少し違いました。
本当に考えてほしいことなのか
そこで、一つ疑問が浮かびました。
利用者は、
階層を考えたくてアプリを使うのでしょうか。
Genre。
Title。
Item。
そんな内部構造を理解したい人は、
ほとんどいないと思います。
利用者がやりたいことは、
登録すること。
必要になった時に見つけられること。
それだけです。
もしそうなら、
考えてもらう場所が違うのではないか。
そんなことを考えるようになりました。
気付いたら考える順番が変わっていた
以前の私は、
構造から画面を考えていました。
4階層だから、
画面も4階層。
データ構造がこうだから、
操作もこうなる。
そんな順番でした。
でも、気付いたら逆になっていました。
利用者は何をしたいのか。
どこで迷うのか。
どこで止まってしまうのか。
そこから画面を考え、
最後にデータ構造へ落とし込む。
いつの間にか、
そんな考え方になっていました。
振り返ると、一つの考え方だった
「分類なし」だけではありません。
パンくずリスト。
あとから整理。
直接登録。
一つひとつは別の機能です。
でも振り返ると、
全部同じことを考えていました。
利用者を止めないこと。
できるだけ考えさせないこと。
私は機能を作っているつもりでした。
でも実際には、
少しずつ利用体験を作っていたのだと思います。
おわりに
以前の私は、
シンプルな構造を作ろうとしていました。
でも今思うと、
本当に作りたかったのは、
シンプルな構造ではありませんでした。
利用者が、
「どこへ登録しよう」
ではなく、
「登録できた」
と思えること。
「どう分類しよう」
ではなく、
「あとで整理すればいい」
と思えること。
そういう体験を作りたかったのだと思います。
だから、
データ構造は複雑でも構わない。
利用者に、その複雑さを感じさせなければいい。
この頃から、
SLXの設計で迷った時は、
いつも一つの考え方に戻るようになりました。
データ構造は強く、利用体験はシンプルに。
この言葉は、最初から考えていたものではありません。
開発を続ける中で、
遠回りを繰り返しながら、
最後に残った一つの答えでした。