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Amazon Connectで音声通話への割り込み機能が実装されました

Last updated at Posted at 2022-12-27

1.はじめに

コンタクトセンター最適化支援チームのbayashiです。

Amazon Connectでは、管理者はこれまで顧客とオペレータ間の通話をモニタリングすることができました。
しかし、管理者からの操作でモニタリング状態から通話に参加して3者間通話をすることはできず、3者間通話を実現するためにはオペレータのクイック接続操作で一度管理者ユーザーに接続することが必要でした。

そして今回、2022年12月のAmazon Connectアップデートで、顧客とオペレータ間の音声通話に管理者も割り込んで参加できる機能が実装されました。

・Amazon Connect で、コンタクト センターのマネージャーが進行中の通話に参加できるようになりました
https://aws.amazon.com/about-aws/whats-new/2022/12/amazon-connect-contact-center-managers-join-ongoing-calls/

・Amazon Connectドキュメント(Barge live conversations)
https://docs.aws.amazon.com/connect/latest/adminguide/monitor-barge.html

以下に2022年12月23日時点の設定項目と検証を記載します。
本記事での管理者は、スーパーバイザ(マネージャー)相当の担当者を指します。

2.設定方法

①Amazon Connect インスタンス
 AWSコンソールからAmazon Connect インスタンスのテレフォニー設定へ移動し、「マルチパーティ呼び出しと拡張モニタリングを有効にします。」を有効にします。
image.png
image.png

②Amazon Connect セキュリティプロファイル
 Amazon Connectへログインし、セキュリティプロファイルから管理者で利用するセキュリティプロファイルを選択します。分析と最適化 > リアルタイムコンタクト割り込みを有効にします。
image.png

 本項目はリアルタイムコンタクトモニタリングの有効化が必須です。

image.png

3.検証

1.音声通話開始
 オペレータ(以下OP)と顧客で音声通話を開始します。
 OPはステータスをオフライン状態で外部へ発信しております。
image.png

2.リアルタイムメトリクス
 管理者(以下SV)はリアルタイムメトリクス > エージェントへ移動し、該当の音声通話のモニタリングアイコンをクリックします。
image.png

3.モニタリング
 モニタリングを開始すると、SVのCCP画面上部に[Monitor]と[Barge]が表示されます。
 [Monitor] OPと顧客の通話をモニタリング ※画像の選択状態
 [Barge]  OPと顧客の通話に割り込み = OPと顧客の通話にSVの声が入る

image.png

・リアルタイムメトリクスの状態
image.png

4.通話割り込み
 [Barge] を選択して、OPと顧客の通話に割り込みを実施します。
 OPのCCP(ソフトフォン)には上部に[Manager has joined the call]、中央部に内部転送 Barged in の表示が追加され、管理者が通話に参加したことが認識できます。この状態になると、3者間通話の状態となりSVの音声が通話に入ります。
 ただし、参加した管理者の名前はOPのCCPには表示されないので、今後の機能アップデートで名前も表示されるとよいですね。
 
image.png

・リアルタイムメトリクスの状態
 CCPで[Monitor] と[Barge] を切り替えても、アクティビティの表記は[Monitoring]のままでした。
image.png

5.再モニタリング
 通話割り込み実施後、再度モニタリング状態へ変更します。
 SVの音声は通話に入らなくなります。
image.png

6.保留操作
 再度通話割り込みを実施し、SVから顧客を保留状態にします。
 クイック接続でエージェント(キュー)転送をした時と同様に、SVから通話の操作が可能です。

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7.ミュート操作
 SVからOPのミュートを実施すると、OP画面には[You've been forced muted]となりOPからはミュート解除ができなくなります。
 なお、顧客のミュートボタンを有効にすると、顧客の音声も聞こえなくなります。
image.png

8.OP通話終了
 OPの通話終了した後も、SVと顧客間で通話が継続します。
image.png

・リアルタイムメトリクスの状態
 継続してアクティビティの表記は[Monitoring]のままでした。
image.png

9.コンタクトの検索
 すべての通話を終了し、コンタクトの検索にはOPとSVで別々に履歴が作成されました。
image.png

・コンタクトの概要
OPの初期化メソッドは[発信]でしたが、SVの初期化メソッドは[モニタリング]でした。
image.png

10.その他(マルチパーティ)
今回の割り込み機能とは別ですが、「マルチパーティ呼び出しと拡張モニタリングを有効にします。」を有効にしているため、転送先をさらに追加することができます。
・マルチパーティーコール: 進行中のコールに参加者を追加する
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/connect/latest/adminguide/multi-party-calls.html

画像例では、外部の050番号へ転送しました。
image.png

転送先呼び出し後の4者通話
image.png

おわりに

他のコールセンターシステムでは通話割り込み機能はありましたが、今回Amazon Connectにも実装されたことで、より便利になったと感じました。機能を利用される際は、トレーニング環境で操作に慣れてから実際の現場で利用した方が、操作ミスが無くなると思います。

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