##After Effects(アフターエフェクツ/アフターエフェクト)とは
PhotoshopやIllustratorと同じAdobeが販売している、映像の合成やVFX・モーショングラフィックスを制作するためのツールであり、要は動画制作ツール。略称は様々だが以下「AE」とする。
Adobeが販売している他の動画制作ツールで有名なものに「Premiere Pro(プレミアプロ)」があるが、こちらはノンリニア編集ソフトに分類されるもので、AEで行う映像制作とは分野が異なる。何を作るかによってどちらか一方を使うか、機能を使い分け併用するのが基本となる。
##Premiere Proとの違い
Premiereは動画編集ソフト(ノンリニア編集ソフト)である。撮影したビデオ(素材)を取り込み、NGカットなどの不要な部分を削って素材の長さを調整し、それらをタイムライン上で並べ、音楽を挿入して、一本の作品に仕上げる、という作業が基本となる。
__複数の素材を横方向(時間軸)に並べて繋げる__ことが得意と言える。
一方AEは編集ソフトというより加工ソフトであり、「コンポジット(合成)ツール」とも呼ばれる。映像素材などにエフェクトをかけたり、図形をアニメーションさせたりを行うものである。言い換えれば素材を合成させて動かす作業を行うことができる。
__複数の素材を縦方向(レイヤー)に重ねて合成する__ことが得意と言える。
- コンポジションパネル:動画のプレビューが表示されるパネル。デフォルトのワークスペースでは上部中央の大部分を占めている。
- プロジェクトパネル:素材を読み込むパネル。デフォルトではコンポジションパネルの左側にある。このプロジェクトファイル内で使用されるすべての素材が置かれる倉庫のようなもの。
- タイムラインパネル:素材をレイヤーとして重ね制御するパネル。イラレやフォトショにおけるレイヤーウィンドウに横方向の時間軸が加わったようなもの。デフォルトでは下半分に横長に配置されている。
- ツールパネル:イラレやフォトショにもあるパネル。デフォルトでは左上に横並びになっている。
AEを立ち上げたばかりのこの状態では、フォトショやイラレでいうアートボードにあたるものがまだ存在していない。
最初に新しく「コンポジション」を作成する。
「コンポジション」はレイヤーで素材を重ねて構成するコンテナ素材のことであり、簡単な映像を一から作成する場合は作業スペースに近い概念となる。画面縦横比や再生時間などもここで決めるため、事実上動画の規格を定めるためのものにもなっている。
新規コンポジションを作成するには、左上のプロジェクトパネルの右クリック、もしくはメニューバーの「コンポジション」から「新規コンポジション」を選択する。ショートカットキーはCommand+N(フォトショやイラレでの『新規プロジェクト作成』ショートカットと同じ)
コンポジションの設定を入力・選択し、コンポジションを新しく作成する。
- コンポジション名:適当な名前を付ける。
- 幅・高さ:文字通りコンポジション(動画)の幅と高さの値をここに入力する。
- フレームレート:1秒当たり何フレーム表示させるかの設定。単位はfps(フレーム/秒)。値が大きいとなめらかに動いている見え、小さいとカクカクしているように見える。ただしフレームレートが高いとそれだけデータ量が増えるためフレームレートが高いから良いというわけでは必ずしもない。テレビ放送は30fps、映画は24fps、最近のテレビゲームなどでは60fpsが基本。
- デュレーション:そのコンポジションが継続する時間、つまりここでは再生時間と捉えて良い。
- 背景色:文字通りだが、基本は透明として扱われる。
コンポジションの設定を終えると、上画像のように、プロジェクトパネルには作成したコンポジションの名前が、タイムラインパネルには作成したコンポジションのタイムラインが、コンポジションパネルにはそのコンポジションのプレビュー画面が現れる。
タイムラインにまだ何も置いていない状態なので、プレビューは背景色に設定した黒一色が表示されているのみである。
次回、ここに素材を読み込み簡単なアニメーションをつける。