この記事は女性エンジニア応援 Advent Calendar 202512月16日の記事です。たまたまQiitaを開いたら見つけたので、いま慌ててこれを書いています。
私は今、現役エンジニアをやりつつ複業でライターとして活動しています。エンジニア歴は13年?14年?で、正社員エンジニアを結婚を機に退職し、育児が落ち着いたタイミングでパート復帰した、いわゆる "出戻り"エンジニア です。ライター歴は4年です。
翔泳社様の技術メディアCodeZineが主催するDevelopers Summit(通称デブサミ)でレポート記事を担当しており、錚々たる顔ぶれの皆様のお話を聞く機会をいただくのですが、毎回思うことがあります。それは、 登壇する女性エンジニアが圧倒的に少ない こと。
そこで今回は、 女性エンジニアももっと登壇機会を狙っていこう! という趣旨の応援記事を書こうと思いました。この記事を読んで、技術について熱く語りたい女性エンジニアの方が「カンファレンス(デブサミ)に登壇してみよう!」となってきてくれたらとてもとても嬉しいです。ぜひともその記事は私が担当したいですね!!
私について
「偉そうな講釈たれてるけどお前誰やねん」と言われそうなので、少しだけ自己紹介をさせてください。
私は現在、広告系の会社で社内SEとして働いているPHPエンジニアです。勤務形態はパート(プロ人材)で、勤続8年目。私のキャリアについてはこちらをどうぞ。
私がエンジニアとして携わっているのは、20年前くらいに外部の会社が作った、Laravelとかのフレームワークも使わないゴリッゴリPure PHPで作られた社内システムです。機能の継ぎ足し継ぎ足しでなんとなく今に至っており、いろいろなコードがスパゲッティ状態すぎて基盤部分は手もつけられず(こわいから)、どうしてこういう構造になったのかという経緯もわからず(ドキュメントなにも残ってない・・・)、一体これ誰がどうすんの状態で日々開発・運用・保守に携わっています。
そんな私ですが、もともと文系卒ということで文章を書くのが好きで、コロナ禍のタイミングから複業でライターをやっています。始めたのが2022年1月で、早いものでもうすぐ丸4年目になります。得意ジャンルはIT・技術・教育。お仕事募集中です、ご連絡待ってます!!!!
技術カンファレンスを聞き続けて、少しだけ感じる違和感
冒頭でも書いた通り、Developers Summit(通称デブサミ)でレポート記事を担当しており、不定期ではありますが、いろいろな技術者の皆さんのお話を聞く機会があります。
いろいろなカンファレンスでよく見かける著名な方はもとより、自社のシステムの立て直しを図った方、エンジニア文化を高めるために新技術を共有・実践している方、AIを活用して業務を効率化した方、書籍を出版した方などなど、実にさまざまな実践論を聞けて、私自身も学びが多いお仕事です。ありがたいです。
そんなお仕事を1年以上続けてきましたが、あるときふと違和感を感じたんですよね。 なんか男ばっかりやなと。
そういえば女性エンジニアの登壇が圧倒的に少なく、考えてみたら今まで私が記事を書いたセッションも、女性が登壇したものは数えるほどしかなかったんです。
女性エンジニアは確実に増え、働き方もよくなったけど・・・
私は20年前に新卒でエンジニアになりましたが、当時に比べると圧倒的に女性エンジニアの数は増えているのを感じます。若いキラキラした子が「エンジニアです」と言っているのを見て、ああ時代は変わったんだなと。だって私の頃は、就職活動で希望職種に付けなかった人がしぶしぶなる仕事だったと記憶しているので・・・(※就職氷河期世代です)。
きっと昔みたいに、夜21時に不具合が見つかって「ヒャッハー帰れない!!」とコンビニに行って季節のお菓子を大人買いするとか(終電で帰れたらラッキー)、上司から「君の代わりなんてごまんといるからね」と笑顔で言われたりとか、そういうカナシイ経験をする人はもはやいない。はず。いい時代になったなあと思います。
昨今は残業禁止の会社も多いみたいですし、働き方は確実に良くなっていることから、女性エンジニアの数も増えてきたのでしょう。
そんな状況なのに、デブサミで登壇する女性は圧倒的に少ない。登壇者が必ずしも業界全体を代表しているわけではありませんが、それでも「可視化される女性エンジニアが少ない」状況は事実だと感じています。
女性エンジニアのキャリアと管理職のバランス
デブサミの女性版としてWomen Developers Summit(通称ウーマンデブサミ)というカンファレンスもあるのですが、そこで登壇者の方が「女性エンジニアが少ない」「得に管理職(CTOとか)に女性が圧倒的に少ない」「これではジェンダーギャップが一生解消されないままだ」と発言されていたのが印象的でした。→この記事
少し前の調査ですが、2025年2月公表のパーソル「女性IT人材の就業に関する調査」によると、
- IT職が所属する部門における女性の割合は4割未満が8割
- 管理職における女性割合も、総合職では平均3割に対してIT職では1割強
- 「給与」、「評価」、「昇進・昇格」、「活躍のしやすさ」の項目で「男性の方が優位であると感じる」と回答した人が多い
という結果だったそうです。
キャリアとプライベートのバランスは昨今、一番トレンド感のあるテーマですよね。仕事は楽しいし技術も好き、もっと上を目指したい、でもパートナーとの時間や家族・育児の時間、プライベートな時間も欲しい。そうなると管理職ってかなりハードルが高く感じるのは事実です。これはIT業界に限った話ではないですけど。
少なくとも現代では、女性エンジニアが管理職のキャリアを両立させるには、相当強い覚悟と決意が必要。みんなそこまで頑張れる?年齢が上がってくると体も結構しんどいよ?ってところもあるので、そこはもう個人の努力だけで解決できる問題ではなく、業界や社会全体で考える必要があるテーマだと感じています。
それはそれとして、技術に全振りした話っておもしろい
女性エンジニアが多職種と比べて少ないのも、女性CTOが少ないのも大いに問題なんですが、かといって女性技術者のなかにはかなり、いわゆる"技術オタク"な方も多い印象。最近聞いた女性向けコミュニティ紹介LTでも、さまざまな技術コミュニティで活躍する女性エンジニアのみなさんが、自分の"推し"技術について熱く語っておられて素敵でした。
そう、技術の話って、話者が男とか女とか関係なく、聞いていてすごく面白い。話者の熱量が伝われば伝わるほど、その技術についてそれほど知らなかったとしても引き込まれて、「なんか面白そう」「ちょっと勉強してみようかな・・・」って気になるんですよね。
私自身は人前で喋るとか絶対できないド陰キャなのですが、女性でもものすごくプレゼンやトークがうまい方はたくさんいるんだから、そういう女性エンジニアの話が聞きたい!推し技術について女性エンジニアが早口で技術について熱く語るところをもっと聞きたいし、書きたいとすごく思いました。
女性エンジニアの登壇も増えてはいる。ただ・・・
とはいえ、最近はデブサミでも女性の登壇が少しずつ増えているのを感じています。もしかすると運営側の皆さんもジェンダーギャップをなんとか解消しようといろいろなアプローチをしているのかもしれません。素晴らしいことです。
私も女性エンジニアの登壇のものがあれば、できるだけ「書かせてください!」と手を上げるようにしています。女性エンジニア目線だからこそ共感することが多いし、だからこそ書けることがあると思うからです。
で、そんな女性エンジニアの登壇を見ていて思うのが、 技術よりキャリアの話が大半である ことです。女性なのでどうしても結婚・出産・育児でキャリアを中断しなければいけないタイミングがあって、「どうやって復帰したのか」「どうやって両立したのか」という部分にスポットがあたりがち。私も経験したのですごく共感できる部分は多いです。ただ私は女性エンジニアからもっと技術の話が聞きたいなあって思うので、少し残念な気持ち。
一方で、技術の話で登壇される方ももちろんいらっしゃいます。そういう方のお話を聞くと、内容はとても面白いし「へえ~!」って思えるんだけど、それ以前に 「話し慣れていない印象」を受ける ことがあるんですよね。※あくまで個人的な観測と推測です。
人前でうまく話せない私が偉そうなことは言えませんが、多くのカンファレンスを聞いてきた私だからこそ、「この人、話し慣れてるな」「しょっちゅうこういう登壇してるんだろうな」というのが分かる部分は確かにあるんです。資料をそのまま読むだけでなくエピソードトークを交えた余裕のある話し方、会場への問いかけとレスポンスへの反応、自然な時間の使い方など。圧倒的に、男性の方がうまい方が多い。
もちろん男性エンジニアでも、「人前で話し慣れてないんだろうな」と思うような方もそこそこいます。だからこれは、男性だから女性だからとか技術力とかの問題ではなく、 人前で技術の話をする機会・経験が、男性に比べて圧倒的に少ないことが影響している と感じています。
まだまだ人前で女性エンジニアが技術の発表をする機会は多いとは言えません。でも登壇や発表の場数を踏むことで、頭の中が整理され、伝えるべき内容がブラッシュアップされるようになり、もっと堂々と自信を持って話せる人も増えてくるはず。
だからこそ・・・
女性エンジニアよ、カンファレンスに登壇しよう
これを読んでいる女性エンジニア、特に若手の皆さんに伝えたい。ぜひカンファレンスに登壇してみてください。たくさんの機会を経験し、"技術オタク"の真価を見せてほしいのです。
デブサミでは毎回公募枠が毎回ありますし、技術系のカンファレンスはたくさんあります。コミュニティ関連のLT会なんかもよく開催されていますよね。そういう機会を利用して、自らの口で技術を語る機会をなるべく作っていっていただきたい。 キャリアの足がかりの一つの手段として「カンファレンスの登壇」という選択肢を持ってほしい と願います。
私は残念ながら同じ土俵では戦えませんが、女性エンジニアとして挑戦する皆さんを「書く」ことでサポートしていきたいと考えています。
ジェンダーギャップと経験値不足。女性エンジニアが男性と同じように技術カンファレンスで輝くためには、まだまだ乗り越えなければいけない壁があります。でも多くの人がこのジェンダーギャップを埋めようと努力されているのも事実で、そこに乗っからない手はないと思います。一緒に道を切り開いていきましょう!