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Microsoft Fabric の基本構造

Last updated at Posted at 2025-08-01

Microsoft Fabric は、Power BI をベースに、Azure 上で提供されていたさまざまなデータ分析機能を統合した SaaS プラットフォームです。

本記事では、Fabric を導入・利用する際に知っておくべき基本的な構造や用語、容量の考え方について、特にシステム部門や管理者の方向けにまとめました。

Fabric の基本構造と用語

Fabric は Power BI という SaaS をベースに、元々 Azure で PaaS として提供されているデータ分析を中心とする様々な機能を取り込んでいます。そのさまざまな機能群である Data Factory、Databases、Analytics、Real-Time Intelligence、Power BI のことを、ワークロードまたはエクスペリエンスと呼んでいます。

image.png

各ワークロードの利用するには、作業場所であるワークスペースを作成し、その中にアイテム (項目) を作るという流れになります。

ドメインは使わないことも多いので割愛しますが、ワークスペース容量 (Capacity) は重要です。ワークスペースは必ず、稼働する容量に紐づきます

image.png

つまり、Fabric を利用するということは、以下の流れになります。

  1. Fabric 容量の作成 (テナント管理者が実施)
  2. ワークスペースの作成 (Fabric 管理者または開発者が実施)
  3. アイテムの作成 (主に開発者が実施)

Fabric を購入して利用開始する方法

Fabric の利用には、Premium 容量または Fabric 容量が必要です (Power BI を除く)。
Premium 容量、Fabric 容量の作成について図にしたのがこちらです。

image.png

Premium 容量の開始方法

Power BI Premium per Capacity は新規での購入を終了しています。現在の契約が終了するタイミングで、Fabric 容量への切り替えが必要です。

詳細はこちらを参照ください。
Important update coming to Power BI Premium licensing

Premium per Capacity の場合、ライセンスを購入して Microsoft 365 管理センターに登録されたら、Power BI 管理ポータルの [容量の設定] 画面で Premium 容量を作成し、ライセンスを紐づけることができます。容量サイズを増やす場合には、ライセンスを買い増して容量に追加することで対応します。
つまり、利用開始は次の3ステップです。

  1. Power BI Premium P# ライセンスの購入
  2. Power BI 管理ポータルで Premium 容量の作成
  3. Premium 容量にワークスペースを割り当て

Fabric 容量の開始方法

Fabric 容量の場合、この購入して容量を作成する流れが Azure Portal での Fabric リソースの作成に変わり、利用開始手順は2ステップになります。

  1. Azure サブスクリプションで Fabric リソースを作成 (「Fabric 容量」として見えるようになる)
  2. Fabric 容量にワークスペースを割り当て

Fabric リソースの作成には Azure の契約 (サブスクリプション) が必要になります。Azure サブスクリプションとは、Microsoft Azure のリソース(仮想マシン、ストレージ、データベース、Fabric など)を利用・管理するための課金単位です。
Azure サブスクリプションは必ず 信頼する (紐づく) Entra があり、リソースを作成すると、その Entra テナントに自動で容量の作成が行われます。SaaS なので、指定するのは容量の名前、リージョン、サイズ、管理者くらいです。(名前は後から変更できないので、慎重に決めてください。)

容量とリージョン

Fabric リソースを作成すると、設定または管理する追加のリソースなしで、自動的に OneLake をプロビジョニングします。物理的にはリージョンごとにコンピューティングとストレージが存在しますが、OneLake は、組織 (テナント) 全体で 1 つに統合された論理データ レイクです。テナントには、OneLake が 1 つだけ含まれます。 複数はあり得ず、Fabric を使用している場合は、ゼロになることもありません。
Azure Portal からストレージ アカウントを作成する、というような作業は一切不要です。ストレージは、容量とは別に、使用しているサイズ分だけ課金されます。

Power BI Pro ライセンスで利用している場合でも、ワークスペースは Power BI Pro 容量という Microsoft が管理する容量に紐づけられています。同様に Premium per User (PPU) ライセンスの場合は、PPU 容量に紐づけられます。これらのリージョンは、テナントのホーム リージョンに設定されます。
ワークスペースの設定画面で [ライセンス情報] の欄を開くと、ワークスペースが紐づく容量を確認・変更できます。
image.png

ライセンス モードは、ワークスペース作成時には、[詳細] を開くことで指定することができます。そのユーザーに割り当てられているライセンスや権限によって、選択できるものが変わります。

まとめ

Fabric の導入にあたっては、「容量」「ワークスペース」「アイテム」の関係性を理解することが重要です。
本記事が、Microsoft Fabric の導入を検討されている方や、管理者としての理解を深めたい方の参考になれば幸いです。

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