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Microsoft Graph Data Connect を使用して Fabric で Teams チャットを分析する方法

Last updated at Posted at 2025-10-29

はじめに

Microsoft Graph Data Connect (MGDC) は、Microsoft 365 データを安全に抽出し、分析基盤で活用できる強力な仕組みです。この記事では、Teams チャットのやり取りを Fabric 上で分析するまでの全体フローを紹介します。

参考ドキュメント:


全体の流れ

  1. Microsoft 365 管理センターで、Microsoft Graph Data Connect を有効にする
  2. Azure Portal または Microsoft Entra 管理センターで、Microsoft Entra アプリケーションを登録する
  3. Azure Portal または Microsoft Entra 管理センターで、Microsoft Entra アプリケーションを Microsoft Graph Data Connect に登録する
  4. Microsoft 365 管理センターで、登録されたアプリケーションを承認
  5. Microsoft Fabric のコピー アクティビティで、Graph データ接続のデータをレイクハウスに取り込む
  6. Microsoft Power BI でデータを視覚化する

太字 (2,3,5,6) が開発者の作業で、その他 (1,4) は Microsoft 365 管理者の作業です。
4.までの手順は冒頭に挙げた1つ目の参考ドキュメントの手順そのままですので、注意が必要なポイントだけ記載していきます。
多くはこちらのトラブルシューティングのドキュメントに記載されている内容です。


2. Microsoft Entra アプリケーションの登録

  • Azure Portal でアプリを登録し、アプリケーション (クライアント) IDクライアント シークレットの値を取得します。
    image.png

    クライアント シークレットを作成したら、必ず「値」を安全な場所に保存してください。後から確認することはできません。

  • 所有者に自分を追加し、API 権限に Microsoft Graph Data Connect 関連を設定します。アプリケーションの所有者は、次の要件を満たしている必要があります。

    • ユーザー アカウントは、サービス プリンシパル名ではないテナント内の有効なユーザーに対応します。
    • アカウントには、Exchange Online ライセンスが割り当てられている必要があります (メールボックスが必要です)。
    • Exchange Online ライセンスと共に、アカウントには E5 サブスクリプション/ライセンスも使用している必要があります。

3. アプリケーションを Microsoft Graph Data Connect に登録

事前準備として、次の2点を確認します。

  • Microsoft.GraphServices リソース プロバイダーを事前に登録
    Azure Portal でサブスクリプションを開き、[リソース プロバイダー] で Microsoft.GraphServices が登録されていなければ、登録します。
    以下の Azure CLI コマンドを使用して登録することもできます。

    az provider register -n Microsoft.GraphServices
    

    image.png

  • RBAC 権限に Microsoft.Authorization/roleAssignments/write が必要
    サブスクリプションの所有者またはユーザー アクセス管理者ロールを付与するか、カスタム ロールを作成して付与する必要があります。
    また、ロールを付与したら「アクティブ」になっていることを確認し、セッションを再起動 (Azure Portal をサインアウト&サインイン) してください。

上記を実施してから、Graph データ接続にアプリケーションを登録します。

  • データセット(例:Basicdata_v0.TeamChat_v2)と必要な列(例:Attachments以外)を選択します。
  • データセットの設定が不足していると、Fabric パイプラインで Invalid requested columns エラーが発生します。

Graph データ接続で取得できるデータについては、こちらをご覧ください。


5. Fabric で Microsoft 365 コネクタを利用したコピー アクティビティを作成

  • Fabric の Data Factory で コピー アクティビティを作成
  • ソースに「Microsoft 365」を選択し、Graph Data Connect の設定を指定
  • 同期先はレイクハウスやウェアハウスを選択可能

コピー アクティビティでデータソースを指定する際に、Graph データ接続のすべてのデータセットが表示されますが、ひとつ前の手順で指定したデータセットと列以外を指定するとエラーになります。

データ接続は大量のデータを一括して抽出するように設計されているため、データを抽出できるようになる前に、ある程度のオーバーヘッドが発生します。 このオーバーヘッドは約 45 分です。つまり、データ サイズに関わりなくすべてのパイプラインで、その程度の時間が最低必要になります。

「オーバーヘッドは約45分」とドキュメントに記載されていますが、検証テナント (データは少ない) で試したところ、18分ほどでした。


6. Teams チャットデータの分析

  • コピー完了後、Fabric のレイクハウス/ウェアハウスにデータが保存されます。
  • ノートブックや Power BI を使って、メッセージ頻度、添付ファイルの利用状況、チーム間のコミュニケーションパターンを分析できます。

ノートブックで分析する場合は、VS Code の Github Copilot に Fabric のノートブックであることを指定したうえで、やりたい分析を指示すると、必要なライブラリのインストールから、データの加工から、実際の分析までコーディングしてくれます。現時点ではまだ、Fabric ノートブックの Copilot より Github Copilot に軍配が上がる印象です。VS Code に Microsoft Learn の MCP サーバーを登録できるのが大きいのかもしれません。

Power BI で分析する場合には、レイクハウスの画面から [新しいセマンティック モデル] を作成します。リレーションシップは手作業で指定する必要がありますが、メジャー (計算項目) の作成は、[DAX クエリの記述] もしくは [DAX クエリ ビュー] を開いて Copilot に「できるだけ多くのメジャーを日本語で作成して」と指示するだけで、列名から判断して、素敵なメジャーを大量に作ってくれるのでおすすめです。
(今度詳しく書きたい)

(日本語ページの翻訳が遅れているようなので、ブラウザーの翻訳機能を使用してください。)

image.png


まとめ

Microsoft Graph Data Connect と Fabric を組み合わせることで、Microsoft 365 データを蓄積&分析できます。一度構築できれば強力な分析基盤が実現します。現時点では Microsoft Graph Data Connect の Fabric 連携はまだパブリック プレビューですが、ぜひお試しください。

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