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CaboCha & Python3の環境構築(Windows版)

Last updated at Posted at 2018-12-13

最終的にやりたいこと

定期的に送られてくる報告書の類(書かれていることは毎回似通っている)を、一定のフォーマット・一定の文体で要約したい、というのが最終的なゴールです。既存の要約アルゴリズムも使うかもしれませんが、元の文は数パターン(ただし色々修飾がついている)のため、情報の優先順位をルールベースで実装しながらきっちり目的の文型に収めたいと思っています。
 まずは修飾関係を解析するためのCaboChaをPythonから呼び出せる環境を作ります。

セットアップ後の主要要素 & バージョン

(1) MeCabのインストールとPythonからのバインディング

  • Mecab公式サイトからWindows用のexeをダウンロードし、UTF8を指定してインストールする。(場所は任意だが、デフォはC:\Program Files (x86)\MeCab)
  • Pythonからのバインディングは、先人の恩恵にあずかってpip install mecab-python-windowsを実行する
    参考)https://qiita.com/yukinoi/items/990b6933d9f21ba0fb43
    ※自分でコンパイルする方法は割愛。というかCaboChaが苦戦するので、MeCabは体力温存で。
  • Pythonの対話シェルまたは一度ファイルに保存して、以下のコードを実行して結果が返ればOK。
PythonからのMeCab実行(MeCab公式サイト例文よりPython3用に微修正)
import sys
import MeCab
m = MeCab.Tagger ("-Ochasen")
print(m.parse ("今日もしないとね"))

※以下のような結果が返る
今日 キョウ 今日 名詞-副詞可能
も モ も 助詞-係助詞
し シ する 動詞-自立 サ変・スル 未然形
ない ナイ ない 助動詞 特殊・ナイ 基本形
と ト と 助詞-接続助詞
ね ネ ね 助詞-終助詞
EOS

(2) CaboChaのダウンロードとインストール

  • CaboCha公式サイトから、Windows用のexeソースのtar.gzを両方ダウンロードする。
  • MeCab同様、exe形式のインストーラーを起動して、UTF8を指定してインストールする。 (場所は任意だが、デフォはC:\Program Files (x86)\CaboCha)
  • ソースのtar.gzを適当な場所に解凍しておく。
  • 最後に、環境変数のパスに”C:\Program Files (x86)\CaboCha\bin”を通してcabochaを実行できるようにしておく。  これはpythonがdllにアクセスするためにも必要で、実施しておかないとPythonからCaboChaを実行したときにエラーになる。

(3) Visual C++コンパイル環境を整える

 Visual Studio 2017等の統合開発環境、またはBuild Toolsなどのコンパイラが入っていない場合、それらをインストールする必要があります。
 Python 3.5以降であれば、Build Tools for Visual Studio 2017でC++ Build ToolsをインストールすればOKです。その他のバージョンを使っている場合、必要なVisual C++のバージョンが異なるため、詳しくは、こちら「WindowsでCaboCha-Python3バインディング」を参考に、パッケージを選択してください。

(4) CaboChaをPython3から使えるようにする

 いよいよ環境構築の山場、CaboChaをPython3から扱えるようにバインドをコンパイルします。

  • まず、pip install --upgrade setuptoolsを実行して、setuptoolsを念のため最新化しておきます。
  • 次に、ダウンロードしておいたCaboChaソースコード.tar.gzを解凍したフォルダのpythonディレクトリに移動します。
  • pythonディレクトリの下にあるsetup.pyをWindows用に修正します。修正箇所と内容は後述しますが、他にWindowsにCabocha 0.68をいれてPythonで係り受けを解析してみるが参考になると思います。

  • python setup.py installを実行します。

無事に完了すればセットアップは終わりです。
コンパイルエラーが出た場合は、こちら「WindowsでCaboCha-Python3バインディング」を参考にしてください。

実行例
> pip install --upgrade setuptools

> cd cabocha-0.69\python
 # 解凍したcabochaのソースコード

> (ここでsetup.pyを修正する)

> python setup.py 

(5) Python3からCaboChaを使ってみる

CaboChaのサンプルコードを参考に、以下のようなコードを書いて、実行できれば完了です。
※setup.pyと一緒に配布されているtest.pyを参考にPython2系のprint文をprint()に変更・簡易化したもの

サンプルコード
import CaboCha

c = CaboCha.Parser()

sentence = "太郎はこの本を二郎を見た女性に渡した。"

print(c.parseToString(sentence))
実行例
> python test.py
  太郎は-----------D
      この-D       |
        本を---D   |
        二郎を-D   |
            見た-D |
            女性に-D
            渡した。
EOS

参考)setup.pyの修正前・修正後

setup.pyは、下記3つのコメントアウト行で、Windows版にはないcabocha-configを実行して取得する値を直接ハードコードします。

修正内容
#!/usr/bin/env python

from distutils.core import setup,Extension,os
import string

def cmd1(str):
    return os.popen(str).readlines()[0][:-1]

def cmd2(str):
    return cmd1(str).split()

setup(name = "cabocha-python",
    # ↓下記のように直す version = cmd1("cabocha-config --version"),
    version = "0.69",                 
    py_modules=["CaboCha"],
    ext_modules = [
        Extension("_CaboCha",
            ["CaboCha_wrap.cxx",],
            # ↓下記のように直す include_dirs=cmd2("cabocha-config --inc-dir"),  
            include_dirs=[r"C:\Program Files (x86)\CaboCha\sdk"],
            # ↓下記のように直す library_dirs=cmd2("cabocha-config --libs-only-L"),
            library_dirs=[r"C:\Program Files (x86)\CaboCha\sdk"],
            libraries=cmd2("cabocha-config --libs-only-l"))
            ])

参考サイト

MeCab, CaboChaについて

要約という分野について

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