はじめに
銀行などの窓口へ電話した際に「ただいま電話が大変込み合っております。このまましばらくお待ちください。~♪」のような自動音声が流れ、待っていると担当者に繋がるかと思います。
Teams 電話の通話キューを利用すると、このようなコールセンターにおける代表電話を構成することができます。この記事では通話キューの概要についてまとめました。
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通話キューとは?
通話キューは Teams 電話で代表番号を構成する方法の 1 つです。最大 200 ユーザー (エージェント) まで同時に呼び出すことができ、またエージェントが代表番号から発信を行うことも可能です。
通話キューの用語
リソースアカウント:ボット用の仮想的なユーザーアカウント
エージェント:通話キューから呼び出されるユーザー
通話キューの特徴はキューを利用することです。通話は以下の流れで処理されます。
- 着信した通話をボットが受話する
- 通話が保留され着信した順でキューに登録される
- キューの先頭から順番にエージェントへ着信する
- 受話できない通話の切断や転送する
通話キューでは各処理について、様々な制御を行うことができます。
番号 | 処理 | 制御の例 |
---|---|---|
① | 着信した通話をボットが受話 | 応答メッセージ |
② | 通話が保留され着信した順でキューに登録 | 保留音 |
③ | キューの先頭から順番にエージェントへ着信 | エージェントの選択 |
④ | 受話できない通話を切断や転送 | 例外処理、コールバック |
キューについて
"順番に待機して先頭から処理する" 方式を "キュー" と呼びます。
例えば、スーパーやコンビニの会計を待つレジの列もキューです。
通話キューの作成
通話キューには多数の設定項目がありますが、最低限必要な設定は以下の 2 つだけです。
- リソースアカウント
- エージェント
(参考:Microsoft Teamsで通話キューを作成する)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/create-a-phone-system-call-queue?tabs=general-info
1. リソースアカウントの作成
1.1 リソースアカウントの作成
リソースアカウントの作成は Teams 管理センターから行います。
[音声] - [リソースアカウント] - [+ 追加] ボタンをクリックします。
項目 | 説明 |
---|---|
表示名 | リソースアカウントの名前 |
一意のユーザー名 | リソースアカウントの UPN |
リソースアカウントの種類 | [通話キュー] を選択 |
リソースアカウントか仮想的なユーザーアカウントです。そのためユーザーと同様にユーザー名や UPN を設定します。
通話キューへ着信があった場合、エージェントの着信通知にはリソースアカウントの名前が表示されます。
1.2 ライセンスの割り当て
ユーザーと同様に、リソースアカウントにもライセンスの割り当てが必要です。リソースアカウントには Teams 電話リソース アカウント ライセンス という無償のライセンスを割り当てます。
リソースアカウントへのライセンスの割り当ては、通常のユーザーと同様に Microsoft 365 管理センターの [ユーザー] - [アクティブなユーザー] から行います。
(参考:Microsoft Teams 電話リソース アカウントのライセンス)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/teams-add-on-licensing/virtual-user
1.3 電話番号の割り当て
リソースアカウントへ電話番号を割り当てると、外線電話から通話キューへ発信することができます。
リソースアカウントへの電話番号の割り当ては、[音声] - [リソースアカウント] - [割り当て/割り当て解除] から通常のユーザーと同様に行います。
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組織内ユーザーだけで利用する場合など、外線電話から通話キューへ発信しない場合はリソースアカウントへ電話番号を割り当てる必要はありません。
2. 通話キューの作成
2.1 リソースアカウントの割り当て
通話キューを作成し、1 で作成したリソースアカウントを割り当てます。
[音声] - [通話キュー] - [+ 追加] ボタンをクリックします。
[一般情報] - [リソースアカウント] - [追加] ボタンから、1 で作成したリソースアカウントを検索し、追加します。
リソースアカウントは複数追加することができます。種類が [通話キュー] に設定されているリソースアカウントを追加できます。
2.2 エージェントの割り当て
その他の設定は既定のまま、[次へ] から [通話応答] タブまで進みます。
今回は単純に呼び出し先のエージェントとなるユーザーを直接指定します。
[ユーザーとグループを選択] - [ユーザーを追加] から追加したいユーザーを検索し、追加します。
チームやグループによってエージェントを指定することもできます。
エージェントとなるユーザーは Teams 電話が有効化されている必要があります。確認方法は こちら です。
最後に、[送信] ボタンをクリックすると通話キューが作成されます。
テスト
リソースアカウントへ発信すると、エージェントとして追加されたユーザーへ着信することが確認できます。着信通知や着信履歴にはリソースアカウントの名前が表示されています。
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通話キューには、この記事で紹介した以外にも多数の設定項目があります。その他の設定については、以下に記載しています。