はじめに
業務で Teams 電話に触れる機会が多いのですが、PSTN についての知識が乏しかったため、機能や構成について理解するのに時間がかかりました。そこで、Teams 電話について PSTN に馴染みがないと理解しづらい点を記事にまとめました。
Teams 電話とは?
Teams 電話を利用すると、普段利用している Teams から外線電話の受発信を行えるようになります。
通常の Teams でも通話を行うことができますが、Teams 電話を利用すると 03-xxxx-yyyy のような電話番号を使用して、外線電話も使用することができます。
ここでは、電話番号を使用しない通話を Teams 通話、電話番号を使用する通話を Teams 電話と呼ぶことにします。
名前 | 説明 |
---|---|
Teams 通話 | Teams を利用しているユーザー間のインターネット回線による通話 |
Teams 電話 | 電話番号を使用した公衆電話回線網 (PSTN) による通話 |
PSTN とは Public Switched Telephone Networks の略で、通信キャリアが運営する公衆電話サービスで利用されています。Teams 電話は Teams と公衆電話サービスを統合して利用できる機能です。
Teams 電話でできること
Teams 電話には様々な機能がありますが、簡単な例を挙げてみます。Teams 電話では外線電話が Teams に統合されているため、以下のようなメリットがあります。
複数のデバイスで同じ電話番号を使用できる
携帯電話などの場合には SIM カードに電話番号が紐づいています。そのため、その電話番号を使用できるのは SIM カードが挿入された特定のデバイスのみです。
Teams 電話の場合には、ユーザーに対して電話番号を割り当てます。そのため、Teams にサインインすれば、PC やスマホなど、どのデバイスでも同じ電話番号を使用することができます。
Teams のプレゼンスに応じた制御ができる
例えば、Teams 会議を行っているときに外線電話から着信があった場合、着信を留守番電話(ボイスメール)に転送する、といったことができます。
外線電話が Teams に統合されていることで、外線電話の着信も Teams 上での状態(プレゼンス)に応じた制御が行えます。
ユーザーやチームを使用して代表電話を構成できる
コールセンターの代表電話のように、着信があった際に複数の担当者へ通知して、誰かが受話するようなオペレーションはよくあるかと思います。
Teams 電話を利用すると、外線電話が着信した際に複数のユーザーへ同時に着信させるような制御が簡単に行えます。
また、チームを使用してチームメンバーを担当者とした代表電話を構成することもできます。
利用するために必要なこと
Teams 電話を利用するためには、以下が必要です。
ライセンスの取得
Teams 電話スタンダード ライセンス が必要です。このライセンスは単体でも購入できるほか、Microsoft 365 E5 などのライセンスにも含まれています。
Teams 電話スタンダード ライセンスは開発者向けの無償ライセンスである Microsoft 365 E5 Developer にも含まれています。そのため Microsoft 365 開発者プログラム に参加することでも利用できます。
名前 | ID | サービスプラン |
---|---|---|
Microsoft Teams Phone Standard | MCOEV | MICROSOFT 365 PHONE SYSTEM (4828c8ec-dc2e-4779-b502-87ac9ce28ab7) |
(参考:ライセンスと音声有効化)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/what-is-phone-system-in-office-365#licenses-and-voice-enablement
(参考:ライセンスのための製品名とサービス プラン 識別子)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/entra/identity/users/licensing-service-plan-reference
公衆電話回線網 (PSTN) との接続
Teams 電話を利用するためには、Teams と PSTN を接続する必要があります。NTT や KDDI などの回線事業者が Teams と PSTN を接続するサービスを販売しています。
自社で PBX や SBC といった電話交換機を運用していれば、自分で Teams と接続することもできます。
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