はじめに
Teams 電話の通話品質ダッシュボードでは、テナント内ユーザーの通話品質に関するレポートを確認することができます。通話品質ダッシュボードの概要についてまとめました。
通話品質ダッシュボードとは?
Teams 電話の通話品質ダッシュボード (CQD) では、テナント内ユーザーの通話品質に関するレポートを確認できるダッシュボードです。テナント全体における通話品質を可視化することで、ネットワーク的な問題による通話品質のトラブルシュートに利用できます。
通話品質ダッシュボードは Call Quality Dashboard の頭文字をとって CQD とも表記されます。
(参考:通話品質ダッシュボード (CQD) とは?)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/cqd-what-is-call-quality-dashboard
閲覧に必要なロール
CQD は以下のようなロールが付与されているユーザーで閲覧することができます。
- グローバル管理者
- Teams 管理者
- Teams 通信管理者
上記のロールが付与されているユーザーで一度 CQD をアクティブ化すると、グローバル閲覧者のような権限のロールのユーザーでも CQD を確認することができるようになります。
"レポート閲覧者" のような低い権限のロールの場合、CQD の閲覧は行えますが、電話番号や UPN のようなユーザー識別情報は表示されません。
(参考:CQD へのアクセスに管理者ロールを割り当てる)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/turning-on-and-using-call-quality-dashboard#assign-admin-roles-for-access-to-cqd
開いたページ で、[サインイン ] を選択し、"CQD のアクティブ化" 権限を持つ管理者アカウントの資格情報を入力します。 これは、特権の低い管理者ロールを持つユーザーがログインできるようにするために、テナントが CQD に初めてアクセスするときにのみ行う必要があります
データの保存期間
CQD のデータの保存期間は 12 カ月間 です。
電話番号や UPN といった ユーザー識別情報:EUII (end-user identifiable information) は 28 日間 で削除されます。
通話は終了してから 30 分後にCQD へ反映されます。
(参考:通話品質ダッシュボード (CQD) のデータとレポート)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/cqd-data-and-reports
Microsoft 通話品質ダッシュボード (CQD) は、ほぼリアルタイム (NRT) データ フィードを使用します。 通話レコードは、通常、通話が終了してから 30 分以内に CQD で使用でき、28 日後に削除されるエンド ユーザー識別情報 (EUII) フィールドを除き、12 か月間 CQD に残ります。
(参考:EUII データ)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/cqd-data-and-reports#euii-data
確認方法
CQD は Teams 管理センターの [分析 & レポート] - [通話品質ダッシュボード] からアクセスすることができます。
CQD には以下の 3 種類のレポートがあります。各レポートではテナント内の通話の品質を確認することができます。
- 概要レポート
- 詳細レポート
- カスタム詳細レポート
通話品質の指標について
通話の品質には以下の 2 種類の指標があります。
- ネットワークの品質
- ネットワークの信頼性
ネットワークの品質
ネットワークの品質は、以下のようなメトリックによって評価されます。
メトリック | 低品質の基準値 | 意味 |
---|---|---|
Jitter | >30 ms | パケット到着時間のばらつき |
Packet loss rate | >10% | ロストしたパケットの割合 |
Round-trip time | >500 ms | パケットが往復に要する時間 |
ネットワークの信頼性
ネットワークの信頼性は、以下のような通話の割合で評価されます。ネットワーク上のファイアウォールなどが主な原因です。
- 通話の確立が失敗
- 通話が途中で切断
(参考:CQD を使用して通話と会議の品質をMicrosoft Teamsで管理する)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/quality-of-experience-review-guide
概要レポート
テナントの全体的な通話品質を表示するレポートです。全体的なネットワーク品質を確認することができます。
詳細レポート
目的に応じた様々なレポートが用意されています。ネットワークの信頼性に関するレポートも含まれています。
カスタム詳細レポート
要件に沿うレポートが用意されていない場合には、自身でレポートを作成することもできます。
[New] ボタンを押すと、レポートの条件を指定するエディターが表示されます。
※ 指定できるディメンションなどは公開情報がありますが、ある程度の知識がないと自分で思い通りのレポートを作成することは難しそうです。
(参考:通話品質ダッシュボード (CQD) で使用できるディメンションと測定値)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/dimensions-and-measures-available-in-call-quality-dashboard