はじめに
Teams 電話では組織内ユーザーの発着信履歴を Teams 管理センターから PSTN 使用状況レポートとして確認することができます。PSTN 使用状況レポートについてまとめました。
PSTN 使用状況レポートとは?
PSTN 使用状況レポートは、Teams 管理センターから確認できる Teams のレポートのうちの 1 つです。組織内ユーザーの通話履歴や通話時間を確認することができます。
(参考:Microsoft Teams PSTN 使用状況レポート)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/teams-analytics-and-reports/pstn-usage-report
レポートの閲覧に必要なロール
PSTN 使用状況レポートは、以下のようなロールを割り当てられているユーザーが閲覧できます。
- Teams 管理者
- Teams テレフォニー管理者
- グローバル閲覧者
Teams 管理者や Teams テレフォニー管理者は Teams 管理センターから レポート以外の設定変更も行えます。ユーザーに設定変更を許可しない場合にはグローバル閲覧者ロールを割り当てます。
(参考:レポートにアクセスする方法)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/teams-analytics-and-reports/teams-reporting-reference#how-to-access-the-reports
確認方法
PSTN 使用状況レポートは、Teams 管理センターで [分析 & レポート] - [使用状況レポート] から確認できます。
[レポート] のプルダウンで "PSTN の使用状況" を選択し [日付の範囲] からレポートの範囲を選択します。[レポートの実行] ボタンを押すと、レポートが表示されます。
Calling Plan / Operator Connect のレポートは [通話プラン] タブ、Direct Routing のレポートは [ダイレクトルーティング] タブに表示されます。
通信キャリアとして Softbank と契約している場合には、レポートが表示されず Softbank へ問い合わせる必要があるようです。
Telstra または Softbank の通話プランをご利用の場合、PSTN 使用状況レポートに通話の詳細な記録が表示されません。 レポートが必要な場合は、Telstra または Softbank にお問い合わせください。
※ 公開情報 より抜粋
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補足
レポートの保存期間
PSTN 使用状況レポートの通話履歴の保存期間は以下の条件によって異なります。
- 通話プランか、ダイレクトルーティングか
- ユーザーの 利用場所 がどこか
例えば、ダイレクトルーティングを利用していて、利用場所が "日本" のユーザーの通話履歴の保存期間は 150 日 です。
(参考:データ保有期間)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/teams-analytics-and-reports/pstn-usage-report#data-retention
電話番号やユーザー名がマスキングされている場合
Microsoft 365 管理センターの [組織設定]-[サービス]-[レポート] で [ユーザー、グループ、サイト名を隠蔽してすべてのレポートに表示する] の設定に ✅ が入っていると、PSTN 使用状況レポートのユーザー名や電話がマスキングされて表示されます。
マスキングを解除したい場合には、この設定をオフにします。
(参考:ユーザー固有のデータを匿名にする)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/teams-analytics-and-reports/teams-reporting-reference#make-the-user-specific-data-anonymous
SIP 通話フローの確認
ダイレクトルーティングの場合には、Teams サービスと SBC 間の SIP 通信のログを確認することができます。
SIP は IP 電話 (VoIP) で使用される通信プロトコルの名前です。Teams サービスと SBC 間で以下のようなリクエストを送信することで通話を制御しています。
リクエスト | 意味 |
---|---|
INVITE | 発信 |
BYE | 終話 |
CANCEL | 発信のキャンセル |
(参考:ダイレクト ルーティング - SIP プロトコル)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/direct-routing-protocols-sip
SIP 通信を確認したい通話を選択して、[SIP 通話フロー] をクリックします。
例1. Teams ユーザーから外線電話に発信した際の SIP フロー
この例では、以下のようなことが分かります。
- SIP プロキシからセッションボーダーコントローラーへ INVITE が送信されている
→ Teams ユーザーから外線電話へ発信した - セッションボーダーコントローラーから SIP プロキシ へ BYE が送信されている
→ 外線電話側から通話を終了した
SIP フローでは [SIP プロキシ] が Teams ユーザー側、[セッションボーダーコントローラー] が PSTN (外線電話) 側を意味しています。
例2. 外線電話から Teams ユーザーに着信した際の SIP フロー
この例では、以下のようなことが分かります。
- セッションボーダーコントローラーから SIP プロキシ へ INVITE が送信されている
→ 外線電話から Teams ユーザーへ発信した - SIP プロキシが Call is Being Forwarded を応答している
→ Teams ユーザー側の転送設定により通話が転送された - セッションボーダーコントローラーから SIP プロキシ へ CANCEL が送信されている
→ 転送先が受話する前に、外線電話側から発信がキャンセルされた
(参考:Microsoft および SIP 応答コード)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/troubleshoot/phone-system/direct-routing/microsoft-sip-response-codes