はじめに
先日、社内イベントで、各領域の政策ヒストリーと未来を整理し、未来に備えることについて考えるというイベントがありました。
その内容が非常に興味深く、今後の技術アーキテクチャ、エンジニア組織、顧客をどう考えるか?に役立つのでは?と思えたので、その手法について紹介させて頂ければと思います。
当社は医療業界に位置しており、そういった意味で医療政策が決まっていることもあり、市場動向を予測することが、ある程度は可能ではという認識です。
インベントは、次のステップで行われました。
ステップ1:知っているか?
ステップ2:それがどう自社に影響があるかを考えられるか?
ステップ3:どう備えて実行するか?
ステップ1の前には、各領域での事前課題書籍を読む、ということが求められました。
各領域とは、医師、薬剤師、健康経営の3領域となります。
私は健康経営を担当いたしました。
ステップ1:知っているか?
・2013年(10年前)から医療政策では何があったか
健康経営という領域におけるエポックとしては、2017年の電通事件、そこからの働き方改革への流れを振り返りました。
当社では健康経営事業が立ち上がって来たタイミングを振り返りました。
・ (2023年から7年後)2030年に向けて医療政策ではどのような変化が予定されているか
来年2024年、2025年では例えば、下記のような医療政策に関連するようなエポックが予定、予期されています。
2024年 医師の働き方改革、物流2024年問題
2025年 高齢者人口30%超、定年65歳義務化
このように2030年ごろまでの少子高齢化の予測や生産年齢人口の減少などについての認識を共有しました。
ステップ2:それがどう自社に影響があるかを考えられるか?
当社では5年ほど前から健康経営領域での事業を開始しています。
以下のような観点で、改めて、自社が寄与できること、取り組むべきことが明確になった気がします。
・高齢化が進む中で健康でいられる期間を長く保てるか?
・生産人口が減少する中でどのように健康をキープして結果として生産性を上げることが可能か?
エンジニアの観点からは医療DXをさらに進めて行くことで可能なことが多くあることを認識できました。
ステップ3:どう備えて実行するか?
イベントではステップ2を踏まえて、2030年の事業として何を行なっているべきなのか?ということについてディスカション、発表を行いました。
この時間軸では、未来を創るのは自分たちであること、企業としてのミッション、存在意義に再確認することができ、良い機会だったと思っています。
イベント後には、エンジニア組織に焦点を絞って、2030年では無く、もう少し手前の2026年に向けて技術アーキテクチャ、エンジニア組織、をどう考えるか?ということに取り組んでいます。
・ 技術アーキテクチャ
当社では30〜40事業が存在して、これまでは事業ごとのシステム構築手法がメインでした。今後は、お客様にはシームレスなサービスがより求められて、当社からみて事業の横連携が求められると考えています。
また、健康経営領域では、エムスリーグループでのサービス連携も行えた方が、お客様にはシームレスなサービスがお届け出来ると考えており、グループ各社を連携可能な共通API化にも取り組み始めています。
その中では、前回にも述べさせて頂いた、デジタル庁 「データ連携基盤の整備について 公共サービスメッシュの整備(P5)」などを参考にさせて頂いています。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai4/siryou8.pdf
・エンジニア組織
現在では、toC向け、toB向け、to社内向けの開発チーム構成となっています。
今後は、共通API、データ基盤を専門的に取り組むチームが必要かも知れません。
・ 顧客
エムスリーグループの健康経営領域では、ベネフィットワン様のTOBの実施をプレスリリースを出させて頂きました。
今後より多くの企業様、企業で働かれる方々の健康に寄与できるサービスをお届けできるようになりたいと考えています。