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Spring Framework 要点まとめ ~ DIについて

Last updated at Posted at 2017-08-06

Spring徹底入門 Spring FrameworkによるJavaアプリケーション開発という書籍を読んでいて、重要だと思う箇所をまとめました。(独自に少し補完しました。)
あとで見返せるように参考書籍のページ数を記載しています。

今回は、DIについての記事になります。

インジェクションの種類

SpringでDIには以下の3種類が存在する。(P.23)
* セッターインジェクション
* コンストラクタインジェクション
* フィールドインジェクション

セッターインジェクション

セッターの引数に対してDIする方法。

メリット :既存のSetterを生かしたままDIを行うことが出来る。
デメリット:フィールドインジェクションに比べて面倒くさい。

@Component
public class UserServiceImpl implements UserService {
    private UserRepository userRepository;
    private PasswordEncoder passwordEncoder;

    @Autowired
    public void setUserRepository(UserRepository userRepository) {
        this.userRepository = userRepository;
    }

    @Autowired
    public void setPasswordEncoder(PasswordEncoder passwordEncoder) {
        this.passwordEncoder = passwordEncoder;
    }
}

コンストラクタインジェクション

コンストラクタの引数に対してDIする方法。

メリット :フィールドにfinal修飾子を付けて不変に出来る。
デメリット:フィールドインジェクションに比べて面倒くさい。

@Component
public class UserServiceImpl implements UserService {
    private final UserRepository userRepository;
    private final PasswordEncoder passwordEncoder;

    @ConstructorProperties({"userRepository", "passwordEncoder"})
    public UserServiceImpl(UserRepository userRepository, PasswordEncoder passwordEncoder) {
        this.userRepository = userRepository;
        this.passwordEncoder = passwordEncoder;
    }
}

フィールドインジェクション

クラスのフィールドに対してDIする方法。

メリット :コード量が少なくて一番シンプルに書ける。
デメリット:DIを行うことが前提のコードになってしまう。

@Component
public class UserServiceImpl implements UserService {
    @Autowired
    private UserRepository userRepository;
    @Autowired
    private PasswordEncoder passwordEncoder;
}

コンポーネントスキャンの対象

コンポーネントスキャンとは、クラスローダーをスキャンして特定のクラスを自動的にDIコンテナに登録すること。(P.35)

デフォルトでは、以下のアノテーションが付いたクラスが対象となる。

アノテーション 説明
@Controller MVCパターンのCの役割を担うコンポーネント。このアノテーションを付与したコンポーネントでは、クライアントからのリクエスト/レスポンスに関わる処理をする。
@Service ビジネスロジックを実装するコンポーネントであることを表すアノテーション。
@Repository データの永続化に関わる処理を提供するコンポーネント。ORMなどを利用して、データのCRUD処理を実装する。
@Component 上記3つに当てはまらないコンポーネント。ユーティリティクラスなどに付与する。
@Configuration クラス宣言の前に記述します。このアノテーションは、このクラスがBeanの設定を行うものであることを示します。Bean設定クラスには常にこれをつけます。
@RestController JSONやXML等を返すWebAPI用のコントローラに付与する。
@ControllerAdvice Controllerを横断して例外をハンドリングする場合、例外ハンドリング用のクラスにこのアノテーションを付与する。ExceptionHandler系のクラスに使用。
@ManagedBean 本来はJSFが管理してるManagedBeanを表すもの。Springの@Componentを付けた時と同じ意味になると思われる。
@Named 本来はJava(EE)系でのインジェクション対象を表すもの。Springの@Componentを付けた時と同じ意味になると思われる。

Beanのスコープ

Springでは、DIコンテナに登録するコンポーネントのことを「Bean」、Configurationのことを「Bean定義」という。
DIコンテナからBeanを取得することを「ルックアップ」という。(P.17)

Spring Frameworkで利用可能なスコープ

Springで利用可能なスコープ指定の一覧です。(P.39)

スコープ 説明
singleton
(デフォルト)
DIコンテナの起動時にBeanのインスタンスを生成し、同一のインスタンスを共有して利用する。スコープを設定しない場合はsingletonとして扱われる。
prototype Beanの取得時に毎回インスタンスを生成する。スレッドアンセーフなBeanの場合、singletonスコープを利用できないためprototypeを利用する。
session HTTPのセッション単位でBeanのインスタンスを生成する。Webアプリケーションの場合のみ有効。
request HTTPのリクエスト単位でBeanのインスタンスを生成する。Webアプリケーションの場合のみ有効。
globalSession ポートレット環境におけるGlobalSessionの単位でインスタンスを生成する。ポートレットに対応したWebアプリケーションの場合のみ有効。
application サーブレットのコンテキスト単位でBeanのインスタンスを生成する。Webアプリケーションの場合のみ有効。
カスタムスコープ(独自の命名) 独自に定義したルールでBeanのインスタンスを生成する。

同じクラスの中で、異なるスコープのインジェクションを行う場合は注意が必要。(P.41)

ポートレットに対応したWebアプリケーションとは、"ポートレット Web"なんかで画像検索するとどういうサイトなのかイメージできると思います。

Beanのライフサイクル

DIコンテナで管理されているBeanのライフサイクルは、次の3つのフェーズで構成されます。(P.47)

  • 初期化フェーズ
  • 利用フェーズ
  • 終了フェーズ

上記3つのフェーズのうち、ほとんどの時間は利用フェーズになる。

初期化フェーズ

  1. Bean読み込み → Beanを生成する準備。
  2. 依存性の解決 → Beanインスタンスの生成および、インジェクション実施。
  3. Post Construct → インスタンス生成後の処理。インジェクションしたBeanを利用することが出来る。
@Component
public class UserServiceImpl implements UserService {
    @PostConstruct
    void pupulateCache() {
        // キャッシュ生成処理
    }
}

終了フェーズ

終了フェーズでは、「Pre Destroy」と呼ばれる破棄前処理が行われる。(P.50)

@Component
public class UserServiceImpl implements UserService {
    @PreDestroy
    void clearCache() {
        // キャッシュ破棄処理
    }
}

参考元

サイト

アノテーションによるDIの実装(2/5):初心者のためのSpring Framework入門
Spring MVCのコントローラでの戻り値いろいろ - Qiita
Springで例外ハンドリング - Qiita
エンジニアの暇潰し : Spring+JSFでManagedBeanをSpring管理にする

書籍

Spring徹底入門 Spring FrameworkによるJavaアプリケーション開発

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