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Oracle Database 23c でサポート対象外となった機能について

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はじめに

Oracle Database 23cの日本語マニュアル もそこそこそろってきており、アップグレードの標準ガイドとなるアップグレードガイドも日本語化されていたので眺めていました。

システムの現場だとバージョンアップを行うときは新機能より廃止機能の方がインパクトは大きいので、個人的には廃止機能の方が新機能より気になってしまいますね。。

非推奨とサポート対象外についての説明は こちら の通りです(以下ガイドより抜粋)。

  • 非推奨となった機能とは、拡張はされませんが、Oracle Databaseのこのリリースの有効期間中は引き続きサポートされる機能です。非推奨となった機能は、次のOracle Databaseリリースではサポート終了となる可能性があります。

  • サポート対象外機能とは、その機能に関連するバグの修正によるサポートを受けられなくなった機能です。多くの場合、機能を使用するために必要なコードを削除することがオラクル社では選択できます。

非推奨の機能は一応利用はできるので、今回は23cでサポート対象外になった機能の中で、個人的に気になった以下の5点についてまとめてみます。

23c サポート対象外機能

  • 元のエクスポート・ユーティリティ(EXP)のサポート終了
    いわゆる従来型エクスポートと呼ばれる、データパンプではないデータエクスポートツールになります。11gから「原則としてサポートされない」という状態を継続してましたが、ついにユーティリティガイドからも記載が外れることとなりました。すでに利用しているケースは少ないかもしれませんが、利用し続けているということはなんらかの理由があってデータパンプが利用できない環境だと思いますので、考慮が必要になりそうです。
    なお、従来型インポートはまだ残っているようです。ユーティリティガイドにも オリジナルのインポート として残されています。(オリジナルのエクスポートは19cのガイド20cのガイドまで残っています、21cのガイドには記載が見当たりません)

  • Oracle Enterprise Manager Database Expressのサポート終了
    Oracle Enterprise Manager Database Express (EM Express)は簡易的なDB管理ツールで、使いづらいツールが多いなか比較的利用しやすいツールでしたが、Flash版のEM Expressが21cで廃止されたのに続いてツール自体が廃止となりました。後継はEnterprise Manager Cloud Control(EMCC)やSQL Developerになると考えられますが、両方とも機能的には差分があるため、現行の運用をEM Expressで行っていた場合には考慮が必要となると想定されます。

  • Oracle Database 10Gパスワード検証機能のサポート終了
    既存のクライアントとの接続が残る場合には、検証が必要になると想定されます。

  • 従来の監査のサポート終了
    12cから導入された統合監査のみとなり、従来型の監査機能は利用できなくなりました。従来型の監査と同じ出力方式にはできないため、統合監査用の運用対応をする必要があると想定されます。

  • 32ビットのOracle Databaseクライアントのサポート終了
    Windows 32bitのクライアントだけはサポートが継続されていましたが、23cではついに打ち切りとなりました。とはいえ、19c等からの接続はサポートされているので、利用が必須な環境があればそちらを利用することが暫定的には可能となると想定されます。

まとめ

個人的には10年以上原則としてサポート対象外として残されていた従来型のexpユーティリティが利用できなくなったことが一番びっくりしました。ただ、従来型のexpユーティリティはクライアント/サーバ型なので、外部から接続したら利用できるのでは、なんて思ってまして、別途確認してみようと思います。

大体のケースは、Oracle Database 19cからOracle Database 23cへのアップグレードになると思いますので、21cでサポート対象外になった機能も Oracle Database 21c サポート対象外/非推奨機能/動作変更メモ で確認しておきましょう。

おまけ

21cでデフォルトになったORACLE_HOMEのREAD ONLY化ですが、23cのガイドだと 読取り専用Oracleホームについて で次のように記載されており、動作が戻ったものと想定されます。

Oracle Database 23cでは、Oracleホームはデフォルトで読取り/書込みモードで使用可能です。ただし、ソフトウェアのみのOracle Databaseインストールを実行した後で、読取り専用モードでOracleホームを構成することを選択できます。

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