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生成AI時代における技術記事の価値と難しさ

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2022あたりにChatGPT-3が登場した当初は文章としてあまり使えないながらも、深層学習によって文脈に沿って文章を作成することができるようになった画期的な時代でした。

この時代から早くて3年がたち、現在はChatGPTやGemini、Claudeなど様々な製品にて最新のAIモデルが頻繁に公開される時代となっています。

特に最近のAIの発展により、Webから直接情報を取得したり、過去の学習データと与えられたプロンプトから自身で事例を生成するなど情報の流れが大きく変化しているように見受けられます。

端的に言うと

💡AIが全部調べたりして、基本的な技術的側面のお話は全部出力してくれる。

数年前までは新しい技術やフレームワークについて学ぼうとすると詳細な技術記事や解説を探し回る必要がありました。しかし現在ではAIツールに質問するだけで、ほとんどの基本的な技術情報を入手できるようになりました。

「Railsのpreloadとincludeの違い」「Goにおけるgoroutineとchannelの仕組み」といった質問に対して、瞬時に詳細な回答とコード例を提供します(それが煩雑になるときも存在する)。

これまでは自身のユースケースに当てはめるには上記で得られた内容を自身で噛み、咀嚼する必要がありました。それが現在ではAIがゴールを示してくれるのです。それが間違っている可能性があるとしても。

こうしたAIの情報提供能力の進化を踏まえると、もはや単なる技術解説では確実に価値が低下しているように考えられます。

今後技術記事に求められること

そのような中で私たちが行わなければ行けないのは下記のようなAIに代替が不可能な内容を記述することです。

  • 自分が技術的な基盤を利用(利用しなくても良いが)し、何を成し遂げたのか

今後求められる技術記事は単なる知見ではなく実際の成果や体験に基づいた内容です。

例えば

  • 特定の技術スタックを使って実際にどのような課題を解決したか
  • このような技術スタックを使うに至った背景

これらはAIが提供できない「実体験」や「文脈」を持っており、それが今後価値につながると思います。技術を使って実際に何を達成したのか、その過程でどのような発見があったのか、起承転結という一連の物語性を持った体験が必要であると考えます。

また、これは焼き増しみたいなものですが、「誰を巻き込んだか、巻き込めたか」が上記文脈の中で必要になっていくと考えられます。

物語性ですが、例えば以下のような内容が考えられます。

  • この技術を開発・利用した背景はVRを利用しているユーザーがxxxに困っていたからだ
  • ステークホルダーからこのような課題があり、そのような中で技術を提示し合意を得た

技術的なスキルだけでなく、コミュニケーション能力やリーダーシップなどチームといった観点から価値を持つようになっていくのではないでしょうか

実体験と文脈の価値

例えば私の例で言うと「Misskeyを建てた!」という記事を書いたところでそのような記事は五万とありますが、「なぜ私がMisskeyを建てて、なぜKubernetesを用いることで冗長性を確保する必要が出たのか」といった背景情報があると皆さんは記事を開きたくなると思います。

また、「VRChat上で動画プレイヤーを作成する」だとちょっとへ~となりますが、「VRChat上で完全同期する動画プレイヤーを作成するためにフレンド100人巻き込んでデバッグした」みたいな感じだとこのプロダクトにどのくらいの人がかかわったかがわかりやすいんじゃないかなと思います。(盛ってます)

上記のような事例は当たり前かもしれませんが、AIが登場したことによって、より顕著に進んでいるように感じます。

結論:体験と人間関係が新たな価値に

AIの発展により純粋な技術情報の価値は徐々に低下していますが、技術情報というものに価値がなくなったわけではなく、体験や文脈、人間関係の複雑さといった物語性に焦点が移動しているということだと思います。

これからの技術記事は、「何をどうしてそのように考え、問題を解決したのか」を記述するものが増えていくのではないかと思います。そこに今後人がAIと差別化するうえで大切なポイントになってくるのではないかと考えられます(だからこそLTが存在しているのだと思います)

💡こうした記事も文脈や物語性がなければ価値を失うかもしれません

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