📊 はじめに:経営に必要なのは「Excel」でも「SaaS」でもなかった
こんにちは。東海地区で設計事務所を経営している、プログラミング知識ゼロの建築士です。
これまで、AI(ChatGPT/Claude)とペアプログラミングをして、**「現場の計算ツール」や「専用CAD」**をHTML1枚で自作してきました。
▼ 過去の戦歴
現場が楽になった今、次に課題になったのは**「経営の可視化」**です。
案件管理、売上予測、社員の生産性分析……。
世の中にはSalesforceやKintoneのような素晴らしいツールがありますが、中小企業の私たちが使うには「帯に短し襷に長し」。設定も大変だし、ランニングコストも馬鹿になりません。
「欲しい機能だけが全部入っていて、月額0円で、爆速で動く管理画面が欲しい」
そんなワガママをAIにぶつけ続けた結果、**とんでもない「経営ダッシュボード」**が完成してしまいました。
💎 成果物:HTML製「Architect Dashboard v73.0」
まずは画面をご覧ください。これがHTMLファイル1つで動いています。
このツールの何が異常(すごい)なのか?
通常、これだけの機能を持つダッシュボードを作るには、サーバーを立てて、データベースを用意して、Pythonで分析して……と大掛かりな開発が必要です。
しかし、このツールは:
- 完全サーバーレス: ブラウザ(Local Storage)だけで完結。
- 外部ライブラリゼロ: グラフ描画も統計計算も、すべて「素のJavaScript」で自作。
- AI予測搭載: ブラウザの中で機械学習が走り、未来の売上を予測します。
🛠️ こだわりの「3つの発明」
市販のツールを使わずに、あえて自作した理由がここにあります。
1. 入力が「日記を貼るだけ」 (The Parser)
一般的な管理ツールは「日付を選んで、金額を入れて…」と入力が面倒です。現場はそんなことをやってくれません。
そこで、**「いつもの業務日報(テキスト)をコピペするだけ」**で解析するエンジンを搭載しました。
-
入力:
【A】○▲■商事様 ◇◇△△様邸 設計業務 600,000円 - 処理: 正規表現で「担当者」「取引先」「物件名」「金額」を自動抽出。
- 辞書機能: 「A→□□さん」「○▲■商事→○▲■商事東京支店様」のような表記揺れも自動補正。
これで、データ入力のストレスがゼロになりました。
2. 「生産性」の可視化 (Revenue per Hour)
経営者として一番知りたいのは「売上」ではなく**「時間あたりの生産性」です。
このツールは、別途入力した「稼働時間データ」(メモ帳)と売上を結合し、担当者ごとに「この人は今月、時給いくらの仕事をしたか」**を自動算出します。
「新人A君は入社6ヶ月目で急激に伸びたな」といった成長カーブも可視化できるため、感覚ではないデータに基づいた人事評価が可能になりました。
3. ブラウザで動く「AI売上予測」 (Client-side ML)
これが今回の一番の技術的挑戦です。
「来年の売上はどうなるか?」 を予測するために、以下の統計モデルをJavaScriptでフルスクラッチ実装しました。
- RF (Random Forest)
- GBR (Gradient Boosting Regressor)
- Linear Regression
- Seasonality (季節性分析)
サーバーにデータを送ることなく、ブラウザの中でAIが過去3年分のデータを学習し、**「季節性を考慮した来期の着地見込み」**をグラフ化してくれます。
📉 技術的な裏話:「サーバーがない」ことの強み
エンジニアの方なら「なぜDBを使わないの?」と思うかもしれません。
しかし、中小企業にとって**「データが自分のPC(ローカル)にしかない」**というのは、実は最強のセキュリティであり、リスク管理です。
- 爆速: 通信が発生しないので、画面切り替えは0.01秒です。
- 安全: 顧客データがネットに流出するリスクがありません。
- バックアップ: ボタン一つで全データをJSONファイルとして書き出せます。
今回はデータの保存に localStorage を使い倒しています。容量制限(約5MB)が気になりますが、テキストベースなら数十年分は入ります。
🚀 結論:DXの本質は「自分たちのサイズに合わせること」
高機能なSaaSを入れたけれど、使いこなせずに解約した……そんな話をよく聞きます。
私たちに必要なのは、全世界共通の機能ではなく、「うちの会社のやり方(方言)」に完全にフィットした道具でした。
- 入力は「日記」(Windowsメモ帳)がいい。
- 分析は「時給換算」がいい。
- 予測は「AI」に頼りたい。
これをパズルのように組み合わせられるのが、生成AI時代の「市民開発」の醍醐味です。
PythonもSQLも書けない建築士でも、**「何を作りたいか」**さえ明確なら、ここまでのシステムをHTML1枚で作り上げることができます。
もし、このツールに興味がある同業者の方や、「JSでランダムフォレスト書かせたの!?」と驚いてくれたエンジニアの方がいれば、ぜひコメントください。励みになります!
👉 【建築士×GIS】Google Maps上で「雨水の流下経路」を1クリック追跡する“HTML1枚”ツールを作った(国土地理院 標高×道路中心線×Cloudflare Pages)
Tags:
ChatGPT 建築 DX JavaScript 個人開発 機械学習


