GAS（Google Apps Script）を始めたての学習者が
次につまずく代表ポイントがこちら。

「この変数は定義されていません」エラーが出る
どこまでが使える範囲なのか分からない
関数の中で作った変数が外で使えない理由が不明
let と const の違いが曖昧
グローバル変数って何？

この記事では、

スコープの仕組みを“日常の比喩”で理解
日本語コメントだけでアルゴリズム練習
最後に GAS コードに翻訳

という流れで、初心者でも絶対につまずかないように整理します。

## 1. スコープ（Scope）とは？

🎯 「変数が使える範囲」のこと

日常の例でいうと：

自分の部屋の鍵 → 自分の部屋の中だけで使える
家のWi-Fi → 家の中ならどこでも使える
駅のWi-Fi → 駅の外では使えない

これと同じで、プログラムの変数にも
使える範囲（スコープ） があります。

🔑 基本のルール（超重要）

どこで作った？	どこで使える？	名前
関数の外で作った	プログラム全体	グローバル変数
関数の中で作った	その関数の中だけ	ローカル変数

## 2. let / const の違い

書き方	意味
`let`	値の上書きOK（上書き可能）
`const`	上書きNG（固定する）

スコープとは関係ありませんが、
初心者はセットで混乱するのでここで整理します。

## 3. 最も多いエラー例

function test() {
  let name = "太郎";
}

Logger.log(name); // ❌ エラー：name は定義されていません

理由：

name は test() の中のローカル変数
関数の外では使えない

👉 スコープの理解が“GAS初心者の壁”を超えるカギになります。

## 4. コメントだけで書く「日本語アルゴリズム」

コードを書かず、日本語だけでスコープの理解を深める練習です。

👤 サンプル①：関数の外と中（コメント版）

function showName()

// ① 関数の外に「name」という変数を作る（例："太郎"）
// ② 関数の中で name を表示する（使える）
// ③ 関数の中で作った「age」を外で表示しようとするとエラーになる

📦 サンプル②：買い物合計のスコープ（コメント版）

function calcShopping()

// ① 関数の外に「tax」を作る（例：10）
// ② 関数の中で商品金額を用意（例：1200）
// ③ 税率（tax）は関数内でも使える
// ④ 関数内だけで使う「subtotal」を関数の外で使おうとするとエラー

🎬 サンプル③：映画料金のローカル変数（コメント版）

function moviePrice()

// ① 関数の中で age と price を作る
// ② 関数の外で price を使おうとすると「定義されていません」になる

🚗 サンプル④：車情報のスコープ（コメント版）

function fuelCheck()

// ① 車の情報を関数の中で作る（model, mileage, fuel）
// ② これらの変数は関数の外では使えない

📚 サンプル⑤：本のデータ（コメント版）

function showBook()

// ① book オブジェクトを関数の中で作る
// ② 関数の外で book を使おうとするとエラー

## 5. 回答コード（日本語の翻訳結果）

ここからは、上記のコメントを
すべて GAS のコードに翻訳した回答例です。

👤 サンプル①：関数の外と中

const name = "太郎";  // グローバル変数

function showName() {
  Logger.log(name);    // 使える（OK）

  const age = 20;      // ローカル変数
  Logger.log(age);     // 使える（OK）
}

showName();

Logger.log(name); // OK
Logger.log(age);  // ❌ エラー：age は定義されていません

📦 サンプル②：買い物合計のスコープ

const tax = 10; // グローバル変数

function calcShopping() {
  const price = 1200;         // ローカル変数
  const subtotal = price + tax;
  Logger.log("小計：" + subtotal);
}

calcShopping();

Logger.log(tax);       // OK
Logger.log(subtotal);  // ❌ エラー

🎬 サンプル③：映画料金のローカル変数

function moviePrice() {
  const age = 15;
  const price = age <= 15 ? 1000 : 1800;

  Logger.log("映画料金：" + price + "円");
}

moviePrice();

Logger.log(price); // ❌ エラー

🚗 サンプル④：車情報のスコープ

function fuelCheck() {
  const model = "プリウス";
  const mileage = 22;
  const fuel = 5;

  const distance = mileage * fuel;
  Logger.log(distance);
}

fuelCheck();

Logger.log(model); // ❌ エラー

📚 サンプル⑤：本のデータ

function showBook() {
  const book = {
    title: "GAS入門",
    pages: 280
  };

  Logger.log(book.title);
}

showBook();

Logger.log(book); // ❌ エラー

## 6. まとめ

スコープとは「変数が使える範囲」
外で作った変数は全体で使える → グローバル
関数の中で作った変数はその中だけ → ローカル
初心者エラー No.1 の原因が「スコープ」
GAS は関数を跨ぐことが多いので理解必須