7
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

支援現場に触れたエンジニアに起きた「解像度」の変化

Last updated at Posted at 2025-12-21

LITALICO Engineers Advent Calendar 2025 カレンダー シリーズ 3 の20日目の記事です

はじめに

LITALICO仕事ナビというプロダクトでエンジニアをしております、@ancient_cityと申します。

今年は、昨年に比べて支援現場の訪問やインタビューなどに参加させていただく機会が多かった(※当人比)ため、それらを通して得た学びや変化について共有していきます。

目次

背景:なぜ現場に行こうと思ったのか

以下の2点から、今年はサービス利用者である、成人当事者や就労支援事業所の方々と接して一次情報を得る機会を増やしたいと考えていました。

1. 「正しく問いを立てられているか?」への自信のなさ

1年目だった昨年は、プロダクトマネージャー(以下PdM)が決めた「なぜ(Why)/何をしたいか(What)」をある程度前提として、そのために「何を(What)/どう(How)作る(らない)か」を検討して実装する工程を担当していました。

2年目を迎え、徐々にWhyの領域にも染み出していくことを目指して、まずは個々の施策を実施する目的や、「なぜそのタイミングでそのリソースを割くのか」について、自分の中に考えを持てるようになりたいと思っていました。

その一方で、(あくまで自分の中でですが)以下の点で「正しく問いを立てられている状態である」という実感を持てないでいました。
(※ 間違った問いを立てているという確信ではなく、是非の判断ができない感覚)

  • 施策を企画しているPdMに話を聞き、思考に接続させてもらう機会はあるが、自分の目・言葉でユーザーの課題を捉えきれていない
  • 前提として認識しておくべき情報が不足した状態のまま、「今見えている情報の範囲での妥当な仮説」に落ち着いていないかという疑念

上記の背景から、向き合うべき課題がズレていないのかを確認するために、まずはサービス利用者への解像度を上げる必要があり、その一つの手段として現場に行きたいと考えていました。

2. 理想と課題感を育て、自律性を獲得する

前提として、よりユーザーの課題解決を本質的に行うために「顧客に向き合う」必要がありますが、「自分らしく働くを見つける」就労支援サイトと銘打ったプロダクトに携わる人間として、自分自身もどうすれば自分らしく働けるのかを考えています。

模索中ではありますが、現状では「腹落ちした言葉で理想を規定し、課題の発見と改善に自律的に動けている状態」と捉えています。

上記の背景から、一次情報に触れることで、自分の中での課題感やあるべき姿の素を得たいと考えていました。

記事の目的

支援現場を殆ど訪れたことがなかった2年目のエンジニアが、ユーザー解像度を高めるために行った取り組みや、取り組みを経て得た学び・自身の変化について紹介します

想定読者

  • 現場の一次情報をどうやって取得するのかに興味がある方
  • 現場に行きたい気持ちはあるがなかなか行けていない方
  • LITALICOのエンジニアリング組織に興味のある方

仕事ナビの概略

スクリーンショット 2025-12-20 2.42.37.png

LITALICO仕事ナビ

働くことに障害のある方向けの就労支援サイトです。

仕事ナビにおける利用者

  • 「自分らしく働ける環境」をお探しの成人当事者(またはその支援者)
  • 利用者を募集している就労支援事業所

主な機能

LITALICOワークス

LITALICOが自社で運営している就労移行支援事業所です。

  • 仕事ナビがWebプロダクトであるのに対して、LITALICOワークスは直接支援サービスであり、支援員が利用者に対面で就職に向けたサポートを行います。現在、全国に150以上の店舗を展開しています
  • 参考)就労移行支援事業所

解像度を上げるための取り組み

書籍『解像度を上げる』では、「深さ」の観点で解像度を上げるプロセスは「外からの情報を取り込んで血肉化する内化と、情報を加工して生み出す外化の繰り返し」だと説明されています。
内化の手段として下記の「サーベイ/インタビュー/現場に没入/個に迫る」が挙げられています。

  1. サーベイ:Webコンテンツや書籍等から大量の情報をインプットする
  2. インタビュー:人に話を聞き、他者の視点からの情報を獲得する
  3. 現場に没入:現場で起こっている事象を自分の目で観察したり、顧客と同じ立場で自ら体験する
  4. 個に迫る:1人のユーザーを対象にした深掘りを繰り返し行う

実施時点で意識できていたわけではないですが、上記の区分で分類したのが下記の表です。

日付 内化の分類 取り組み
4月 サーベイ ・厚労省の資料や仕事ナビのコンテンツ記事を読む
・営業側で記録している商談ログを読む
4-6月
9月
インタビュー ・記事コンテンツ用の事業所取材に同席
・ワークス総会(社内イベント)で支援員の方々やワークスマーケの方と接点を持ち、お話を伺う
・新規機能開発に伴う事業所へのヒアリング*2
8月 現場に没入 ・ワークス見学
・ワークスでのインテーク(初回面談)の同席
8月 個に迫る ・ワークスでのインテーク(初回面談)の同席

取り組みの目的

上記の仕事ナビユーザー/事業所への解像度を上げるための取り組みについて、目的は以下に大別されます。

0. 事前準備

  • インタビューや訪問をする上で、最低限必要な知識を身につける
  • 対応する取り組み:サーベイ

1. 課題探索

  • 特定の課題や仮説の検証ではなく、生の現場に触れて、課題を探索/理解/発見する
  • 対応する取り組み:インタビュー、現場に没入、個に迫る

2. 仮説検証

  • 課題仮説がズレていないかを確かめる
  • 課題仮説に基づいた特定機能の開発がズレていないかを確かめる
  • 対応する取り組み:インタビュー、現場に没入

具体的な取り組みとそれによる解像度の変化

サーベイ

🗺️ 厚労省資料や記事でドメイン知識を埋める

普段の開発では目の前の機能に集中しがちですが、まずは国が定めているサービス分類などの全体像を掴み、仕事ナビ内で配信されている記事コンテンツで補完しました。

👓 解像度の変化/学び

1. 全体の中での位置付けをある程度把握できた

普段の開発では、就労移行/継続A型/継続B型の利用を検討されているtoCユーザー向けの開発を行うことが多いのですが、国が定める福祉サービス分類を改めて理解することで、全体の中の位置付けが分かりました。

「就労支援領域」内の情報のみで仕事ナビのあるべき姿を考えるのではなく、ユーザー視点に立って、局所最適解に陥らないように気を付ける必要があります。

2. 基本概念/サービスへの理解が進んだ

厚生労働省の資料だけを見ていても、なかなかサービスのイメージがつきにくいことがあります。その際に、(手前味噌ですが)仕事ナビコンテンツチーム作成の解説記事が参考になりました。平易な日本語で図などを豊富に使いながら分かりやすく解説されており、ゼロからドメイン知識を付けていくにあたって価値のある内容だと実感しましたし、今後も見返したいと思います。

🤝 商談ログを読み、実例を知る

仕事ナビでは、営業チームの商談ログを一部共有しているSlackチャンネルが存在します。
より実情に近い情報が得られると考え、インタビューや訪問を行うことの多かった就労移行支援事業所を中心に100-150件ほど読みました

👓 解像度の変化/学び

1. より現場に近い生きた言葉を学ぶことができた

インタビューや訪問をする上で、以下の懸念があり、よく使われる言葉について全く知らない状態は避けたいと思っていました。

  • 働いている環境がかなり異なるので、共通言語を作るのに苦戦するのではないか
  • 事業所スタッフの方々にとって、常識のような単語を知らないと「エンジニアさん」感が出てしまい、深い話が聞けないのではないか

商談ログは会話の記録であり、頻出単語や略称が度々登場するため、幅広いドメイン知識がある中で、優先して理解すべき単語の把握に繋がりました。
実際、インタビューや訪問をしてみて、全く聞き馴染みのない単語はあまりなかったように思います。

2. 事業所側の視点での課題感や仕事ナビへの捉え方を把握できた

商談ログの中で、事業所視点での困りや、利用決定に至らない要因が具体的に記載されており、解像度が上がりました。
これまでは「ユーザー->営業->PdM->自分」という情報の受け取り方だったため、重要な部分に抽象化して頂いた情報だけを得ていましたが、「ユーザー->営業->自分」と一段近くなったことでより個別の事例を知ることができるようになり、イメージをつけやすくなりました。

例)就労支援事業所内の課題について
商談ログによる解像度の変化例1

例)仕事ナビの利用決定に至らない原因について
商談ログによる解像度の変化例2

3. 営業側の視点を知った

今回のユーザーへの解像度を上げるという趣旨からは逸れてしまうので、割愛しますが、営業チームの方々がどのような観点で商談を進めているのかの具体例を知ることができたことで、営業側の戦略についての解像度も少し上がりました

インタビュー

当時は明確な棲み分けはできていませんでしたが、上述の通り、インタビューの目的は課題探索型と仮説検証型に分けられると思います。それぞれについて取り組みの詳細と、得た学びや気付きを紹介します。

具体的な取り組み

🔍 課題を探索し、深掘る(課題探索型)

  • コンテンツチーム主催の事業所取材に同席させていただく
  • ワークス総会(社内イベント)でワークス支援員の方々やワークスマーケの方と接点を持ち、お話を伺う

🔬 課題や打ち手の仮説の妥当性を検証(仮説検証型)

当時検討していた、「Web問い合わせ後の見学遷移率向上」を目的としたオンライン面談施策の検証として、オンライン面談をすでに集客フローに組み込んで運用している事業所や運用を検討している事業所にインタビューしました。

  • ユーザーは「問い合わせ→日程調整→対面見学→体験→利用決定」という流れで進むが、Web問い合わせ完了から対面見学への遷移率に課題があった
  • オンライン面談という形で、一度Web上で同期的な接点を持てるようにすることにより課題が解消されないかという仮説が立った
  • 対面見学に至らない理由としては、連絡方法などその他の要因も考えられるためヒアリングをすることにした

👓 解像度の変化/学び

1. 「何を聞くか」を明確にしてから「誰に聞くか」を決めるべき

ドメイン知識への解像度というより、インタビューという行為自体についての学びです。
「事業所目線での仕事ナビを使う上での使いづらさを知りたい」という目的で、事業所取材に同席させて頂いた際に、インタビュイーが支援員の方であったのに対して、仕事ナビの運用担当者は本社のマーケティング部署であったため、仕事ナビの仕様については回答が得られないということがありました。
その場では仕事ナビに限らない現場目線での課題感を伺うことができて学びが多かったのですが、事前に何を知りたいかを明確にし、アポを取ってくださる方ともすり合わせながら誰にお話を伺うべきか考える必要があると学びました。

2. 📄 解釈と事実は分けて受け取るべき

こちらもインタビューという行為自体についてです。
インタビュイーの視点から様々な情報を話していただくと、多くの場合、解釈の部分と事実の部分が登場します。
伝えられた事実をさらに掘り下げる必要があったり、ユーザー層や対象とする事業所種別の差異から、インタビュイー視点での最適解が仕事ナビ視点の最適解と異なる場合があります。そのため、回答頂いた事実を構造化し、示唆を得て仮説を修正するプロセスは自分たちでやると意識的に捉えておくべきだと感じました。

3. 「制度上の定義」と「現場の運用」にはギャップが生じる

例えば、就労移行支援事業所は定義としては、「一般企業での就労を目指して必要な知識や能力の向上のための訓練をする場」という「訓練サービス」の側面が強いですが、実際は就労以前の生活面で苦しまれている方も多く、「認められ安心できる居場所」という側面も強いことが分かりました。また、支援を通して事業所への依存度が高まり、就労に繋がりにくくなるなどのジレンマも生じているそうです。

上記のように、制度と実態に乖離が起きている場合があるため、現場の状態を正確に把握した上で課題や打ち手を考える重要性を感じました。

4. ユーザーの制約条件の把握が正しい問いに繋がる

仕事ナビは、成人当事者が自分らしく働ける事業所を見つけるためのプラットフォームであるため、なるべく簡潔な操作で自分に合った事業所に出会い、納得感を持って問い合わせられる体験が必要だと思っています。
インタビューを通して、下記のように、ユーザーが検討を始める流れや制度の理解度、比較する選択肢の数や意思決定の基準について具体的な事例を知ることができました

  • 検討時はご家族と相談する場合もある
  • インテーク時点では「就労移行支援」が何か分かっていない方が大多数
  • 移動がネックとなり、事業所の比較検討を行えるのは実質2-3事業所程度
  • 就職実績や定着率、カリキュラムがフックになることが多いが、最終的な決め手はスタッフや施設の雰囲気が多い

このような、「ある程度動かしにくい前提条件/制約条件」を適切に把握しておくことで、現実に合ったKPIの設定やUXの設計、現状の体験への健全な問いに繋がると感じています。

5. 機能の有効性は、運用の文脈に依存する

上述したオンライン面談の仮説について、実際にオンライン面談を集客フローに組み込んで実施している事例を聞きながら、課題仮説や打ち手としてのオンライン面談の妥当性を検討していました。
以下のような学びや気付き、新たな問いがありました

  • オンライン面談に適したユーザー層
    • 体調管理が難しく、リスケが続いてしまう中、オンライン面談という形で接点を持ち続けることで利用に繋がった事例があるように、オンライン面談を通して「近い関係性」を作ることで利用に繋がるユーザー層がいる
    • 一方で、対面見学よりも気軽に参加できるため、見学に繋がらないリサーチ目的の層も一定数いる
  • オンライン面談と事業所の相性
    • オンライン面談がうまく行っている事業所とそうでない事業所では、オンライン面談内で話している内容自体に、大きな差異は無い
    • 一方で、オンライン面談前後のステップとの接続や、事業所が割けるリソース、事業所に問い合わせをするユーザーの性質にはバラつきがある
    • ITのカリキュラムが充実しているなどの理由からITリテラシーの高いユーザーからの問い合わせが多く、面談前の架電や面談を実施するリソースのある事業所では有効である一方で、小規模でリソースの少ない事業所にとっては逆に工数を圧迫させてしまう恐れがある

このように、新機能の価値は機能自体だけではなく、現場のコンテキストに依存していると実感しました。

現場に没入

📝 LITALICOワークスでの見学

LITALICOでは定期的にLITALICOワークス拠点への見学が募集されており、実際の支援現場を訪問することができます。

👓 解像度の変化/学び

1. 周辺視野が働くことで、想定外の気付きや問いを得やすい
現場訪問とオンラインインタビューの最も大きな違いは、受動的に獲得できる情報量の差だと思います。ただ見ているだけでも、求人票の張り紙がたくさん貼られているなとか利用者の方で手書きの方からchatGPTを使っている方まで幅広いなとか様々な情報が入ってきます。
インタビューでの情報源は、事前に用意していた質問への回答と、そこから派生した議論に限定されるため、自分が想定している範囲外の課題には気付きにくいと思いますが、一方で、実際の現場訪問では、リモートでは知覚できなかった様々な周辺情報を得られるため、想定外の問いや気付きを得やすく、視野を広げやすいと感じました。
欲しい本をバイネームで探しにいくECサイトと、偶発的な出会いの起こりやすい本屋の関係に近いなと感じます。

2. 実物を見ることで「言葉」に実感が宿る
カリキュラムで使用されているスキルトレーニングのテキストや、事務作業の練習用のキット、関係機関からの求人票や交流会のチラシ、インテークのヒアリングシートや個別訓練の実施の様子など、実物を見ることで、意味のみ把握していた単語と実体が結び付くと感じました。
抽象的ですが、一度これをしておくことで、リモートワークの環境に戻っても想像力をもって現実からズレすぎずに議論しやすくなると思っています。

ワークス資料例

👥 LITALICOワークスでのインテークの同席

インテークとは問い合わせユーザーと事業所の支援員が最初に顔を合わせる面談のことです。
オンライン面談機能をWeb問い合わせ後とインテーク/見学とを繋ぐ中継地点として検討していたので、詳細を知るため、LITALICOワークスでのインテークに同席させていただきました。

👓 解像度の変化/学び

ワークスで使用されている予約システムの操作方法から、説明資料などの事前準備、面談中の会話内容や雰囲気まで間近で見ることができました。

特に面談中では、面談にいらっしゃった方のこれまでの経緯や心情を聞きつつ、就労移行支援の支援内容の共有から、次に具体的にどのような行動をすれば良いかの整理までを誠実にお伝えしている様子を目の当たりにしました。

インテークの温かみをWeb上で完全に再現するのは難しいですが、「ユーザーの不安や悩みを紐解きながら、次は何をすれば良いのかについて納得感のある選択肢を提示し、次に繋げることができる」体験を仕事ナビ上で作れると、より多くのユーザーが現状に合った社会資源に接続することができるので、プラットフォームとしての意義が大きくなるだろうという理想の端緒を得ることができました。

個に迫る

今回は特定の方に繰り返しお話を聞いて、深掘りしていくということはできませんでした。一方で、LITALICOワークスのインテークに同席させて頂いた際に、1時間半という短い時間ではありますが、お越しになった方のこれまでの経験やインテークの場に来ることとなった詳細な経緯を伺うことができ、「就労移行支援事業所の見学に辿り着くユーザー」の解像度が上がりました。

👓 解像度の変化/学び

N=1のコンテキストを知ることでペルソナに血が通う

仕事ナビの問い合わせや会員登録フォームでは「障害種別、名前、年代、メールアドレスなどの連絡先、(場合によっては立場やお住まいのエリア)」等の属性情報を入力いただいていますが、今回のインテークを経て、これらの属性情報からは抜け落ちてしまったコンテキスト(これまでの経験や葛藤、苦悩)の部分が真に「その方に合った」を考える上では避けて通れないと感じました。
仕事ナビというWebプロダクト上でそれを達成する必要性は必ずしもないかもしれないですが、ワークスのインテークの場で使用されている文字起こしツールNottaで取得された議事録データを活用したペルソナ分析等の動きもあり、楽しみです。

また、個に注目して理解を深めていくことで、要件/仕様を考える際に「あの方だったらどうするか?」という具体的な判断基準を持てるようになり、ユーザー視点のプロダクトに近づくのではないかと感じています。

終わりに

支援現場に殆ど行ったことがなくユーザーへの解像度が粗い状態から、解像度を上げるために行った取り組みを紹介しました。

Webサービス(仕事ナビなど)と直接支援サービス(LITALICOワークスなど)を共に展開しており、様々な事業所とも関係性のあるLITALICOという組織では、エンジニアであっても希望すれば現場に行き、一次情報を得て顧客への解像度を高められるということが伝われば幸いです。

事業所/ユーザーが抱える課題を網羅的に把握/構造化し、課題に優先順位をつけて個々の施策に落としていくところまでは行けませんでしたが、一次情報に触れたことで、自分の中の課題感やあるべき姿に繋がるタネが生まれ、何が今必要なのかを自律的に考えられる状態に近付いたのではないかと思っています。
今年はお話を伺ったのが就労移行事業所のみだったため、今後は継続A型B型事業所や、移行支援/継続支援の前後にあたる相談支援・選択支援や定着支援、関係機関への解像度も高めながら、仕事ナビを利用されるユーザーや事業所がどのような困りを抱えていて、どのような体験/機能/サポートがあれば改善されるのかを考えていきたいと思います。

また現場に行ってみて、逆説的ですがプロダクトとして提供できる価値を最大化するには、現場を体感して、ユーザーや運用の解像度をミクロにキメを細かくしていく作業だけでなく、マクロなトレンドやプロダクト状況の理解も不可欠だと感じました。両者を考慮にいれながら何を優先するのかを考えていく必要があり、そのために必要な数値や指標の整備はエンジニアとして進めていく必要があるという課題感も得ました。

最後に、これまで「支援現場」という言葉を使ってきましたが、自分が働いている環境も「開発現場」であり、職種や役職の違いはあれどそれぞれの働く環境が一つの現場だと思います(事故現場にならないようにしたいですね…)。LITALICO内でもお互いの現場に触れて、解像度を上げ、より有機的に連携できるようになることでビジョンの実現に近づくと感じました。

インタビューや訪問、アポイントメントなどにご協力頂きました皆様に感謝申し上げて終わりとしたいと思います。ありがとうございました!

7
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
7
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?