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[PenTestSecJP] ペネトレーションテストから見えた(内部)Webアプリケーションに潜むリスク

Last updated at Posted at 2025-06-23

今更ですが当時参加したことを思い出しながら投稿します

ペネトレーションテストから見えた「内部Webアプリケーションに潜むリスク」

GMOサイバーセキュリティ byイエラエの安⾥眞夢(@greenapple_w)さんによる、内部ペネトレーションテスト(内部PT)で実際に見えたWebアプリケーションの脆弱性とその影響についての講演内容を、テックブログ向けにまとめました。


🔍 内部PTで見えてきた「悪用できるWeb脆弱性」とは?

ペンテストのゴールを達成するために“使える”Web脆弱性にはいくつかのタイプがあります。

✅ 悪用しやすい脆弱性(内部PT向き)

  • 認証機能やアクセス制御の不備
  • ディレクトリトラバーサル / LFI / RFI
  • OSコマンドインジェクション
  • XXE など

→ 挙動や構成からある程度“見えてくる”タイプで、ブラックボックス状態でも推測・悪用が可能。

⚠️ 悪用しにくい脆弱性(Red Team系以外ではあまり使わない)

  • XSS
  • CSRF
  • オープンリダイレクト
  • セッション固定攻撃

→ ユーザの操作を必要とするため、内部PTでは出番が少ない。

🔧 慎重を要する脆弱性

  • SQLインジェクション
  • Insecure Deserialization

→ 影響が大きく、アプリケーション理解や十分な検証が必要。


🧪 実例①:Tomcatの設定ミスから管理DBに到達

シナリオ概要

  • 対象範囲:社内NW上の業務Webアプリケーション
  • 発見:URLのルートパスからTomcatデフォルト画面を発見
  • 悪用:デフォルトの認証情報でTomcat Managerにログイン成功
    → Cookieセッションを奪い、管理者としてシステムにアクセス可能に

結果

  • 任意ユーザのセッションを奪取し、管理DBへのアクセスに成功

🧪 実例②:認証の不備 × AD管理の緩さで重要ファイル奪取

シナリオ概要

  • AD認証のある社内WebアプリをBurpで観察
  • SIDを書き換えた2段目リクエストを送ると、管理者相当のCookieが降ってきた

結果

  • ファイルサーバ上の全ファイル閲覧権限を獲得
  • 管理者アカウントの平文パスワードを取得

🧪 実例③:ディレクトリトラバーサル+SMBリレーでドメイン管理者に

シナリオ概要

  • Web製品の管理UIから、パスの書き換えで任意ディレクトリをDL(ディレクトリトラバーサル)
  • SMB経由で \\DC.local\C$\Users\Administrator\Desktop\ などへアクセス成功
  • SMB署名が無効なサーバを特定 → SMBリレー攻撃が可能に

結果

  • Responderを用いてNTLMv2ハッシュを取得
  • ハッシュクラックに成功 → ドメイン管理者のパスワードを奪取!

※この脆弱性は調整を経てCVE-2023-49108として公開済。


🧩 まとめ:WebアプリとAD運用の「組み合わせ」が危ない

以下のような条件が重なると、予想外の権限奪取が可能になります。

  • 脆弱なWebアプリ(アクセス制御・入力検証の不備)
  • 運用上の認証設計ミス(ADとの連携、デフォルトパスワード)
  • SMB署名の無効化など、構成上の盲点

小さなほころびが、最終的にドメイン管理者の奪取につながることもある。


💬 最後に

ペネトレーションテストは単に脆弱性を見つける作業ではなく、 システム間のつながり・運用のクセ・現場の“想定外” を突くプロセスでもあります。

内部アプリのセキュリティを見直す際は、 「このアプリ単体ではなく、ADやファイルサーバとどうつながっているか?」 に目を向けてみるといいかもしれません。

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