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LoRaWANと920MHzのルール

日本では920MHzを使います

ヨーロッパはLoRaWANの先進国です。早速対応製品を輸入して日本で使いたいところですが、そのままでは使うことができません。各国の電波法に違いがあるため、日本の電波法には準拠していないためです。電波は有限な資源なので、各国の政府により利用できる周波数や電波の強さが厳しく規制されています。
LoRaは無免許でも使えるISMバンドを使うことを前提にしています。ところが、ISMバンドでも、国や地域によって利用できる周波数や電波の強さ、運用ルールなどに違いがあります。家庭用交流電源が、国ごとに周波数や電圧が違うのと似ていますが、電波はもう少し複雑です。

LoRaWANで利用できる周波数帯

LoRaWANアライアンスでは、LoRaWANで使える周波数を定めています。2016年10月時点では、ヨーロッパと北アメリカ以外は、各国のアライアンス支部で仕様を策定中の状況です。(11月に日本を含むアジアの仕様AS923が公開されました。)
以下がLoRaWANの各国による電波利用に関する違いをまとめた表です。
Lora_freq.PNG
出典:https://www.lora-alliance.org/portals/0/documents/whitepapers/LoRaWAN101.pdf

920MHz帯のルールを定めた"ARIB STD-T108"

日本国内における電波の利用方法は、電波法により厳しく制限されています。ところが、電波法を読めばルールが理解できると思いきや、非常に難解な表現なので凡人には理解できません。そこで、業界団体のARIBが平易な言葉に書き直し、業界として公平な電波利用のための条件を加えたルールを標準として文書化しています。
LoRaWANで利用できる920MHz帯の運用ルールは、「920MHz帯テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備(ARIB STD-T108)」として公開されています。標準は最近まで無料でダウンロードできたのですが、残念なことに現在は有料となっています。

特定小電力無線局と簡易無線局

920MHz帯で許可されている無線局は、出力電力が20mW以下の特定小電力無線局と、250mW以下の簡易無線局です。簡易無線局は登録制です。出力電力が大きいと、混信などにより、他の無線局に影響を及ぼす可能性があります。そこで、登録制とすることで、複数の局が共調して運用できる環境を整備しているのです。また、簡易無線局は、他人に貸し出すことはできません。電波を長距離飛ばせる簡易無線局ですが、現在の法律では不特定多数の利用者を想定しているLoRaWANで使うことはできません。(自営のLoRaWANであれば可能です。)

特定小電力無線局

  • 出力電力:20mW以下
  • 免許、登録不要(ビジネスモデルは自由)

簡易無線局

  • 出力電力:250mW以下
  • 免許不要、登録必要(自営に限る) ※現行法では通信事業者は250mWを利用することはできません。250mWの基地局を設置したとしても、登録者は自営の利用は許可されていますが、第三者にその基地局を利用させることはできません。

ISMバンドで利用できるチャンネルは?

920MHz帯は、916.0MHzを1チャンネルとし、928.0MHzまで200Hz刻みで61チャンネル、928.15MHz(62チャンネル)から929.65MHz(77チャンネル)まで16チャンネルの合計77チャンネルが割り当てられています。
LoRaWANのようなIoTデバイス(アクティブ無線システム)で使える周波数は、24~77チャンネルですが、そのうち、RFタグ(パッシブ・タグ)などと共有せずに専用で使え、さらに20mW出力が使える周波数は、39~61チャンネルの23チャンネルです。

周波数*1 チャンネル 出力 周波数*2 チャンネル 出力 周波数*3 チャンネル 出力
920.6MHz 24 250mW 20mW 923.6MHz 39 20mW 928.15MHz 62 1mW
920.8MHz 25 250mW 20mW 923.8MHz 40 20mW 928.25MHz 63 1mW
921.0MHz 26 250mW 20mW 924.0MHz 41 20mW 928.35MHz 64 1mW
921.2MHz 27 250mW 20mW 924.2MHz 42 20mW 928.45MHz 65 1mW
921.4MHz 28 250mW 20mW 924.4MHz 43 20mW 928.55MHz 66 1mW
921.6MHz 29 250mW 20mW 924.6MHz 44 20mW 928.65MHz 67 1mW
921.8MHz 30 250mW 20mW 924.8MHz 45 20mW 928.75MHz 68 1mW
922.0MHz 31 250mW 20mW 925.0MHz 46 20mW 928.85MHz 69 1mW
922.2MHz 32 250mW 20mW 925.2MHz 47 20mW 928.95MHz 70 1mW
922.4MHz 33 250mW 20mW 925.4MHz 48 20mW 929.05MHz 71 1mW
922.6MHz 34 250mW 20mW 925.6MHz 49 20mW 929.15MHz 72 1mW
922.8MHz 35 250mW 20mW 925.8MHz 50 20mW 929.25MHz 73 1mW
923.0MHz 36 250mW 20mW 926.0MHz 51 20mW 929.35MHz 74 1mW
923.2MHz 37 250mW 20mW 926.2MHz 52 20mW 929.45MHz 75 1mW
923.4MHz 38 250mW 20mW 926.4MHz 53 20mW 929.55MHz 76 1mW
926.6MHz 54 20mW 929.65MHz 77 1mW
926.8MHz 55 20mW
927.0MHz 56 20mW
927.2MHz 57 20mW
927.4MHz 58 20mW
927.6MHz 59 20mW
927.8MHz 60 20mW
928.0MHz 61 20mW

*1:20mW,250mW出力パッシブ・タグ共用チャンネル
*2:20mW出力アクティブ無線システム専用チャンネル
*3:1mW出力アクティブ無線システム専用チャンネル

LoRaWANで利用できるチャンネルは?

LoRaWANアライアンスから、各地域で異なる仕様が「LoRaWAN 1.1 Regional Parameters」として公表されています。その中で、中国などを除くアジア地域の仕様として「AS923MHz ISM Band」が定義されています。
AS923よると日本で利用できる周波数は920-928 MHzとの記載があります。しかし、面倒なことに日本の場合は、業界団体であるARIBが定めた規格「ARIB STD-T108」を尊重しなければなりません。「ARIB STD-T108」では、利用できるチャンネルを以下の15チャンネルに制限しています。

周波数*1 チャンネル 出力
920.6MHz 24 250mW 20mW
920.8MHz 25 250mW 20mW
921.0MHz 26 250mW 20mW
921.2MHz 27 250mW 20mW
921.4MHz 28 250mW 20mW
921.6MHz 29 250mW 20mW
921.8MHz 30 250mW 20mW
922.0MHz 31 250mW 20mW
922.2MHz 32 250mW 20mW
922.4MHz 33 250mW 20mW
922.6MHz 34 250mW 20mW
922.8MHz 35 250mW 20mW
923.0MHz 36 250mW 20mW
923.2MHz 37 250mW 20mW デフォルト
923.4MHz 38 250mW 20mW デフォルト

デフォルトチャンネルは、AS923で規定された、全てのLoRaWANデバイスが必ず備えなければならない周波数です。

割り込み禁止。キャリアセンスとは

将来的に920MHz帯のデバイスがWi-FiやBluetooth並みに増加したとしましょう。920MHz帯の飛距離は条件が良いと2Kmを超えます。例えば、500世帯もある都心の大規模マンションで、各家庭に10台のデバイスが動作したとすると、電波の到達距離には5,000台のデバイスが動作することになります。大量のデバイスが好き勝手に通信すると、混信によりまともに通信することができなくなるでしょう。そこで、電波法では、混信を緩和するために、他のデバイスが通信していることを検知した場合は送信を禁止しています。
通信を始める前に、そのチャンネルが使われているか確認することを、キャリアセンスといいます。920MHz帯でのキャリアセンスなど混信対策のための制限は「ARIB STD-T108」で定められています。

キャリアセンス時間 最大送信時間 休止時間
5mS 4S 50mS

つまり、送信前に5ミリ秒以上その周波数が使われていないかキャリアセンスし、使われていなければ4秒間だけ送信できる。送信後に再度送信する場合には50ミリ秒待たなければならない、ということです。

しゃべりすぎは禁物です。送信時間制限とは

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