先日Certified Kubernetes Administrator (CKA) の試験を受けて合格したので感想を書きます。
著者のバックグラウンド
- Linuxサーバ管理は3年弱ほど経験あり
- Kubernetesは1年弱ほど
CKAを受けようと思ったきっかけ
- 対外的にKubernetesわかります!と言いたかったので
- 業務で触れないKubernetesの機能を使ってみたかったので
勉強法
Udemyの定番コースを試験2週間ぐらい前からやり始めました。
ハンズオンラボ環境がついてきます。
感想
良かったこと
- Kubernetesの基礎的なアーキテクチャに関する知識が深まった
- control planeの各コンポーネントの動作や起動方法は今まで
kubeadm
任せだった
- control planeの各コンポーネントの動作や起動方法は今まで
- セキュリティ・認証認可まわりのアーキテクチャや、設定に関するベストプラクティスを知れた
- 部屋が片付いた
よくなかったこと
- 正直知っている内容が多かった
- 業務でオンプレミスのKubernetesクラスタを管理しているため
- 合格することを目標にしてしまうと、対して勉強しなくても合格できてしまうという印象はあった
- しかし、知らないことを知るのは難しく、一度体系的に広く浅く学ぶことで弱かった領域を確認できたことは良かった
- クラスタ管理に必須だが、Kubernetesに備わっていない機能については学習できない
- カリキュラムにも記載があるが、外部プラグインに関する動作や設定方法は試験範囲外である
- 対象外の例:
- 各CNIプラグインの動作
- Obserbability関連(Prometheus, Fluentd, Grafana, Elastic stack等)
- サービスメッシュ
- 外部ロードバランサの設定
- ストレージドライバの動作 (
hostPath
以外はほとんど使いませんでした) - helm, Kustomize, GitOpsなどのマニフェスト管理
- CKADのカリキュラム内かもしれない
試験について
CKA-JPを受けましたが、試験官・サポートセンターとのやりとりは全て英語でした。問題文は自然な日本語でした。
試験はPSIセキュアブラウザという仮想環境的なものをコンピュータにインストールして行います。Webカメラで部屋に怪しいメモや本などがないことを確認させられるので、事前に部屋を片付けておく必要があります。
Kubernetesの公式ドキュメントを参照することができますが、PSIセキュアブラウザ内の非常に小さい画面(画面サイズの1/4ぐらい)から確認していたので非常に見づらかったです。
先人たちはChromeで見てブックマークも使っていたと書いていたので、Chromeを使えるのかと思っていました。試験官にChromeを使っていいかを聞いたら試験要項を確認してくださいと言われ、試験要項をChromeを使わずにどうやって確認するのかわからなかったので、結局PSIセキュアブラウザ内からドキュメントを閲覧することにしました。
今後CKADやCKSを受ける可能性があるので、Chromeを使えるのかどうか調べておこうと思います…
試験でのやらかし
- Linux Foundationに英語で名前を登録していたが、英語の身分証明書を持っていなかったので、結局日本語名に名前を変えることになった。
- 初めWindowsデスクトップで受けようとしたが、Webカメラがザコすぎて身分証にピントが合わず、身分証を確認できないと言われて、海の向こうのサポートセンターまで電話することになった。
- 拙い英語でやりとりした結果リモートデスクトップで遠隔操作させられそうになったが、それで解決すると思えなかったので、別のデバイスで入り直していいですか?と聞いて、そうすることになった。
- 結局Macbook Proで入り直したら何の問題もなく試験できた。
- 先人の言う通り試験はノートPCで受けることを推奨します。
まとめ
自分はKubernetesの実務経験がある程度ある状態で試験を受けましたが、むしろ全く未経験でこれからKubernetes始めます、の時に受けておきたかった試験でした。
と言うのも、体系的な理解のもとで実務に取り組んだ方が、実務上の問題の理解も早く、よりよい判断ができただろうと思うからです。
また、CKAの合格でKubernetesの基本的なアーキテクチャの理解とトラブルシューティング能力を証明することはできますが、実務でクラスタ管理するための全ての知識が備わっているという証明にはならなさそうだな、という印象を受けました。これは、OSSでも商用でも、実際にクラスタ管理するにはサードパーティツールの活用が必須となっていると考えるからです。
試験合格は目的ではなく、それに至るまでの勉強、あるいはその勉強内容を足がかりにした実践が大事というよく言われていることを再び思った試験でした。