Famemu はもともと、ファミコンの画面を「信号の通り道」ごと再現するエミュレータだった。Nestopia の絵を NTSC-J の信号に変調し、RF 信号にして、ソフトウェアのテレビ回路でまた絵に戻す。にじみや色のにじみは、フィルターで描いたものではなく、通り道の結果として出てくる。
ところが、操作だけはずっと借り物だった。画面の上に浮かぶボタン、ブラウザのボタンの列、手元の別のコントローラー。遊ぶものと、遊ぶためのものが、ふたつに分かれたままだった。Famemu 1.2 でやったのは、操作に自分のからだを与えることだった。セラミッククリームの本体、ディープティールの画面まわり、テラコッタのボタン。Famemu の名前を掲げた、オリジナルのハンドヘルド。十字キーとアクションボタン、Pause / Save / Restore が、画面と同じデバイスの中に並ぶ。
からだの動かし方は、持ち方に合わせてある。縦に持てば操作は画面の下に並ぶ。横に回せば操作は画面の両側に分かれて、画面が中央に残る。iPad では縦でも横でも操作は画面の下にいて、大きな画面にゆとりが残る。Mac では、窓の中にハンドヘルドがひとつ収まる。iPhone を横に持ったときと、同じくらいの大きさだ。覚えるタッチモデルはひとつで、操作はゲームと一緒に動く。ボタンがアクションのそばにある、というだけのことだが、遊び心地はここで決まる。
細部は、指と目のための決断だ。Pause / Save / Restore は iPhone / iPad で 44 ポイント以上の大きさを保つ。文字を大きくしても、操作は使えるままにする。有効なボタンは色を落とさない。どれが押せるのかを、一目で分かるようにするためだ。
Mac での決断も、同じ考え方だ。最後のウィンドウを閉じても、Famemu は居続ける。実物のハンドヘルドは、画面を閉じたからといって消えない。ライブラリは File → Open Main Window からでも、Dock のアイコンからでも呼び戻せる。最後に開いていたのが Settings でも、戻ってくる。
検証の話も、正直に書いておく。11 月 1 日の Xcode Cloud によるネイティブ UI テストで、iPhone SE (第 3 世代)、iPhone 17 Pro Max、iPad Pro 13 インチ (M5) の縦持ち・横持ち・いちばん大きな文字の操作と、Mac のゲームプレイとウィンドウの復帰が通った。クラウド上のテストであって、実機での検証ではない。ここは言い切っておきたい。
スクリーンショットは 6 枚、未編集のままブログ記事に載っている。縦持ちと横持ち、iPad の大きな画面、Mac の窓の中のハンドヘルド、Dock から戻ってきたライブラリの順だ。
1.2.0 (16) は iPhone / iPad で公開中で、Mac は審査中、Android はクローズドテストの下書きの段階だ。詳しい公開状況も、ブログ記事にまとまっている。
あなたは縦持ち派ですか、横持ち派ですか。ハンドヘルドに、次に何を求めますか。





