この記事は株式会社TRAILBLAZER Advent Calendar 2025の9日目の記事です。
こんにちは!株式会社TRAILBLAZERソリューション事業部のダバロス アランです (@alangdm)。
みなさん、ご存知ですか?実は毎年12月3日から12月9日までの1週間は「障害者週間」です。
私も実は今年初めて知りましたが、今日は障害者週間の最終日ということもあり、アクセシビリティがなぜ大切なのかをちょっと変わった視点から紹介します。
目次
アクセシビリティとは?
アクセシビリティが何なのかについては、ネットで検索すればたくさんの情報が見つかると思いますが、ウェブサービスにおけるアクセシビリティの意味を私なりに解釈したものを共有します。
誰もが一定水準の体験を通じて、同等の情報を取得することができる、もしくはサービスを利用することができる状態。
余談:アクセシビリティの略について
この記事のタグにもありますが、アクセシビリティはよくa11yという風に略されることが多いです。
こういう略語はヌメロニムと言って、テック業界ではよく見かけると思います。簡単に言うと、最初と最後の文字の間にある文字数を数えて、その数字を代わりに書く表記法ですね。
「そういった略語を使うこと自体、逆にアクセシビリティがあまり良くないのでは?」というツッコミもあるかと思います。ごもっともな意見とも言えますが、プラットフォームやSNSの文字制限との戦いにおいて、大いに活躍しています。
障害の種類
上記の定義で「誰も」と書きましたが、アクセシビリティの観点では、それがよく「障害者でもバリアなしで情報を取得できる」と解釈されます。
その解釈自体は悪くないのですが、そこで大事になってくるのは、そもそも「障害とは何か」という点です。
今回強調したいのは、継続性による障害の分類です。大きく分けて以下の3つが挙げられます。
- 永続的障害:状態が変化することのない障害です。(例:失明、手足の欠損など)
- 一時的障害:治療などをすれば回復する見込みのあるケースです。(例:骨折などの怪我、白内障などの病気など)
- 状況的障害:一見障害のない人が、環境や状況に応じて体を自由に使えないケースです。(例:赤ちゃんを抱いている、重い荷物を持っている、屋外で画面が見づらいなど)
アクセシビリティはみんなのため
アクセシビリティや障害について色々語りましたが、その上で伝えたいことは一つです。「障害者が使いやすいと思うUIは、全員にとって使いやすいUIであることがほとんどである」 ということです。
その理由について、よくあるアクセシビリティ対応の例を挙げて説明させてください。
- ボタンなどのクリックできる要素は最低でも 44px x 44px にすることが推奨されています。これは、パーキンソン病などで手が震える人だけでなく、寒い時に手袋をしている人や、指が太めの人にとっても同様に操作しやすくなります
- テキストとバックグラウンドの色のコントラストは、サイズによって 7:1 か 4.5:1 が推奨されています。これは、色覚異常がある人のためだけにあると思われがちですが、屋外の直射日光下などコントラストが低い環境で操作する場合でも、画面が見やすくなります
- 動画に字幕を付けることは、言語が分からない人や難聴者のためだけだと思われがちですが、音が出せない場所やイヤホンがない状況などでも、動画の内容を理解するのに役立ちます
例はまだまだたくさんありますが、ここまで読んでいただいた方に、最後に一つだけ覚えて帰ってほしいことがあります。
アクセシビリティを改善する対応は、一部の障害者のために仕方なく行うものではなく、みんなにとって使いやすいUIを目指すプロセスそのものです。
アクセシビリティについてもっと学びたい
この記事をきっかけに、もっとアクセシビリティについて学んでみたいという方のために、参考リンクや便利なツールを紹介します。
- ウェブコンテンツアクセシビリティガイドライン(WCAG)2.2:いわゆるウェブアクセシビリティの国際的な公式ドキュメントです
- ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック:デジタル庁が公開したガイドブックです。上記のWCAGについての解説も入っており、アクセシビリティの概念についてこの記事よりもさらに深掘りして解説されています
- WAI-ARIAのパターンの紹介:標準的なHTML要素だけでは実現したいUXができない場合の参考になると思います
- color.review:たくさんあるコントラストチェックツールの一つですが、色を調整するUIが私のお気に入りです
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