はじめに
コミュニケーションの話です m9(^Д^)
チャットコミュニケーションにおいて、「話がうまく伝わらない」「意図と異なる解釈をされた」などが起きることがあると思います。
その原因の一つとして、「コンテキスト(背景情報)」の違いがあるかと思います。
人によって持っている前提情報や解釈の仕方が異なるため、同じ言葉でも異なる意味に受け取られることがあります。
特に、日本語では主語や修飾語が省略されやすいため、相手のコンテキストを考慮しないと誤解が生じやすくなります。
※開発の人間としては、特に、営業と開発間は特に生じやすい気がします。
チャットやビジネスコミュニケーションでの課題
近年、SlackやTeamsなどのチャットツールがビジネスコミュニケーションの主流になっています。
しかし、これらのツールでは対面での会話と異なり、主語や修飾語が省略されがちになるため、コンテキストの違いによる誤解が生じやすくなります。
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「誰が」「何を」したのか不明確になる
- 例:「終わりました!」 → 何が、どこまで終わったのか分からない
- 例:「修正しました!」 → どの部分を修正したのか不明
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指示の解釈に時間がかかる
- 例:「これお願いします!」 → 「これ」が何を指しているのか分からず、確認が必要
- 例:「やっときます!」 → 誰が何を、いつまでにやるのかが曖昧
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タスク管理が曖昧になる
- 例:「対応しました」 → 何を対応したのか
- 例:「やる予定です」 → いつまでに、誰がやるのか不明確
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修飾語の省略による混乱
- 例:「大きいファイルを送ります。」 → 「大きい」の基準が人によって異なり、誤解を招く可能性がある
- 例:「早めに対応します。」 → 「早め」が具体的にいつなのかが分からず、期待値がずれる。今日中なのか、明日までなのか。
※そういえば、今日中とは、明日の午前5時までを指す。と昔いた会社の先輩に教わったことがあります。ハードワーク。
コンテキストの違いによる具体的な齟齬の例
例文1(コンテキストの違いによる誤解)
「資料を更新しました。」
問題点:
- どの資料を更新したのか不明。
- 更新内容が相手の期待と異なる可能性がある。
こうしたほうが良い
- 「最新の営業報告書を更新しました。主に〜ページのグラフを追加しました。」
- 「会議資料のスライドを更新しました。レイアウトを調整しました。」
例文2(修飾語の違いによるズレ)
「なるはやでお願いします。」
問題点:
- 「なるはや」の基準が人によって違う。
- どれぐらい急ぐべきかが分からない。
こうしたほうが良い:
- 「今日の17時までに対応をお願いします。」
- 「明日の午前中までに完了するようお願いします。」
例文3(タスク範囲の認識ズレ)
「修正お願いします。」
問題点:
- どの部分を修正するのか不明。
- 誰が修正するのか分からない。
こうしたほうが良い:
- 「ホームページのトップページデザインを修正してください。画像のサイズを統一してください。」
- 「昨日のバグリストにあるエラーAを、開発チームが修正してください。」
コンテキストの違いによる齟齬を防ぐ方法
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前提情報を明確にする
- 例:「今回のプロジェクトでは〇〇の基準で評価します。」
- 例:「会議で話した件ですが、〇〇についての対応をお願いします。」
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主語や対象を明確にする
- 例:「私が明日のプレゼン資料を作成します。」
- 例:「営業部の田中さんが〇〇の確認を担当します。」
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修飾語を具体化する
- 例:「なるべく早く」→「今日の15時までに」
- 例:「大きいファイル」→「20MB以上のファイル」
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コンテキストを補足する
- 例:「この修正は〇〇という背景があるため、△△の方針で対応します。」
- 例:「先ほどの話ですが、A案のほうが適していると思います。」
おわりに
やっていることが違ったりするのだから、コンテキストがずれるのは当たり前。
人が理解できるような、思いやりのあるコミュニケーションを心がけたいものです。
新人の頃に「主語がない」と100万回ぐらい言われていた事を思い出しました。